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進化する食品テクスチャー研究

テクスチャーの意義、評価法、素材別の研究、加工や調理技術までを網羅。超高齢化社会を見据えた「介護食」に関わる嚥下と咀嚼についても紹介!!

商品概要

略称
食品テクスチャー
商品 No.
bk3218
発刊日
2011年12月01日(木)
ISBN
978-4-86043-387-1
体裁
B5判,536頁
価格
41,040円(税込)
発行
エヌ・ティー・エス
問い合わせ
(株)R&D支援センター TEL:03-5857-4811 MAIL:info@rdsc.co.jp
監修
山野 善正 (社)おいしさの科学研究所 理事長/香川大学名誉教授
著者
山野 善正   (社)おいしさの科学研究所 理事長/香川大学名誉教授
森  友彦   畿央大学健康科学部 教授/京都大学名誉教授
大越 ひろ   日本女子大学家政学部 教授
高橋 智子   神奈川工科大学応用バイオ科学部 教授
渡邊 洋一   (株)山電 代表取締役 専務
谷脇  満   (独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所食品機能研究領域 特別研究員
櫻井 直樹   広島大学大学院生物圏科学研究科 教授
小林  功   (独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所食品工学研究領域 主任研究員
神津 博幸   筑波大学大学院生命環境科学研究科
市川 創作   筑波大学大学院生命環境科学研究科
西成 勝好   大阪市立大学大学院生活科学研究科 特任教授/大阪市立大学名誉教授
合谷 祥一   香川大学農学部 教授
池田 新矢   香川大学農学部 准教授
竹村 元秀   大阪大学大学院歯学研究科 准教授
古郷 幹彦   大阪大学大学院歯学研究科 教授
柳沢 幸江   和洋女子大学家政学群 教授
神山かおる   (独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所食品機能研究領域 上席研究員
熊谷  仁   共立女子大学家政学部 教授
谷米 温子   日本大学生物資源科学部 助手
森髙 初惠   昭和女子大学大学院生活機構研究科 教授
畑江 敬子   和洋女子大学大学院総合生活研究科 特任教授/お茶の水女子大学名誉教授
早川 文代   (独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所食品機能研究領域 主任研究員
山田 盛二   敷島製パン(株)生産技術部新技術開発グループ マネージャー
三木 英三   香川大学名誉教授
渕上 倫子   福山大学生命工学部 教授
小川 雅廣   香川大学農学研究院 教授
三橋 富子   日本大学短期大学部食物栄養学科 教授
小川 宣子   中部大学応用生物学部 教授
佐藤 清隆   広島大学名誉教授
デリック・ルソー   ライヤーソン大学生物化学科 教授
米谷  俊   江崎グリコ(株)研究本部 技術参与
今井 悦子   聖徳大学人間栄養学部 教授
川染 節江   元 香川県明善短期大学名誉教授
肥後 温子   文教大学健康栄養学部 教授
宮武 和孝   大阪府立大学名誉教授
小林 一三   有限責任事業組合C. P. プロジェクト 副代表
藤井 智幸   東北大学大学院農学研究科 教授
五十部誠一郎   (独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 食品工学研究領域長
坂本 宏司   広島県立総合技術研究所食品工業技術センター 室長
柴田 賢哉   広島県立総合技術研究所食品工業技術センター 副主任研究員
青山 敏明   日清オイリオグループ(株) 執行役員
跡部 昌彦   (株)ポッカコーポレーション味の科学研究所 所長
発刊にあたって
人間は無数の偶然が重なった結果生まれた生物と考えられる。その結果,人間特有の特性を持っている。例えば,多くの動物は,生殖能力がなくなれば,命を落とす。遺伝的にも近いとされる類人猿ですら,閉経すればメスはまもなく死を迎える。しかし,人間はオスよりもむしろメスが長命である。これには何らかの意味があるのである。この確たる理由は不明であるが,人生経験をした人類のメスは家族の面倒見や生活の知恵で子孫繁栄に貢献しているのであろうと推測される。このように人間には独特の文化があり,文化の二大要素(言語と食)の1つである,食は単に単純な肉体の維持のためのみではなく,文化としての食が重要なのである。文化は,感性と大きく関わっているので,人は食の感性である「おいしさ」を必要とし,極言すれば,おいしくないと食べないのである。
 おいしいという感覚は,先天的および後天的な原因により,個人により異なる。しかし,基本的な感覚としての受容システムは誰も保持しているので,経験により,変化するし,また,多くの人がおいしいとする感覚に限りなく近づけることが可能である。この意味では,おいしさは病的な原因がない限り,誰でも感じることができる「裏切らない」特性といえる。これに対し,健康維持に関係する機能性は,個人の体験や体調により効果が異なり,経験により効果が変わるものとはいえない。
 人の三大欲望は,食欲,睡眠欲,性欲とされるが,食欲は死ぬまで持続する欲望である。また,おいしさは人間を幸せにし,良き人格を形成し,魅力的な人を育むともいえる。おいしさの重要要素であるテクスチャーは,咀嚼による歯の働きに深く関係し,顔の形や健康を支配する。広範囲の物性を持つ食べ物を摂取することは,人間の感性や健康を維持することに有効と考えられる。近年,わが国では,野菜や果物,お菓子などが軟らかくなる傾向にあり,あまり硬いものを食べないので,噛む力が弱くなり顎と顎の筋肉が小さくなった結果,顔の形が変ってしまった(堀準一:東大生の歯医者さんが教える歯と脳の最新科学,朝日新聞出版,2010)のはいかがなものであろうか。そして,これが1つの原因で,声に響きがない人が多くなっているように思うのは筆者だけであろうか。
 テクスチャーの研究は,近年急速に進みつつあり,研究者も増えている。このたび,この古くて新しい特性について,この分野の研究に携わっている人々に研究の成果を執筆していただける場を設けさせていただいた。本書で執筆していただいた他にも多くの優れた研究があると思われるが,その点は監修者の怠慢でありお許し願いたい。この刊行物がテクスチャー研究の進歩と食品の開発に役立てば,誠に幸いである。
 出版にあたり,原稿執筆に協力していただいた各執筆者,および刊行の業務に御尽力いただいたエヌ・ティー・エスに深く感謝申し上げる。


 2011年,東日本大震災からの一日も早い復興を願いつつ 監修 山野 善正 
書籍・DVDの内容
第1章 テクスチャーとは

第1節 テクスチャーとは何か

(山野善正)
1.テクスチャー研究の歴史
2.テクスチャーとは
3.テクスチャーの評価
4.まとめ

第2節 テクスチャーマップ法 -食感を測定する一手法-

(森友彦)
1.はじめに
2.テクスチャー測定および食感評価
3.テクスチャーマップ法の応用例
4.大豆スイーツ開発とテクスチャー判定
5.今後の課題
6.おわりに

第3節 テクスチャーの知覚

(山野善正)
1.はじめに
2.力学的感覚と口腔器官の役割
3.温度
4.色・形・外観
5.音
6.味覚への影響

第2章 レオロジーとその測定

第1節 レオロジー概論

(大越ひろ)
1.はじめに
2.弾性
3.粘性
4.粘弾性
5.大変形領域の力学的性質

第2節 粘性の測定

(高橋智子)
1.はじめに
2.粘性の測定

第3節 固体の大変形領域の測定

(大越ひろ)
1.はじめに
2.破断特性
3.テクスチャー特性

第4節 静的・動的粘弾性の測定

(大越ひろ,高橋智子)
1.はじめに
2.静的粘弾性の測定
3.動的粘弾性の測定

第5節 クリープメータによる測定

(渡邊洋一)
1.はじめに
2.食品物性の機器測定
3.解析法による使用例
(圧縮,引張,横ずり,各試験共通)
4.クリープメータによるテクスチャー測定例
5.えん下困難者用食品表示許可基準の測定
6.まとめ

第6節 音響振動法による農産物のテクスチャー測定

(谷脇満,櫻井直樹)
1.はじめに
2.食品テクスチャーの特徴と計測
3.食品テクスチャーの計測方法
4.音響振動法による食感測定システム
5.音響振動法による測定事例
6.音響振動法による食感測定の今後の課題

第7節 消化管内流動現象のシミュレーション

(小林功,神津博幸,市川創作)
1.はじめに
2.ヒトにおける食品の消化
3.ぜん動運動を考慮した胃腸消化研究
4.おわりに

第3章 食品の構造

第1節 コロイド分散系

(西成勝好)
1.はじめに
2.ゾル(液状食品)
3.界面活性
4.コロイド分散系の研究における今後の進化

第2節 ゲル状食品の構造とレオロジー的性質

(合谷祥一,池田新矢)
1.はじめに
2.ゲルなどの微細構造解析法
3.ゾル系における食品高分子の構造
4.バルク状態でのゲル構造
5.エマルションゲルの構造と物性
6.おわりに

第4章 咀嚼と嚥下

第1節 歯の構造と機能

(竹村元秀)
1.はじめに
2.構造と機能

第2節 咽頭・食道の構造と機能

(古郷幹彦)
1.構造
2.運動機能
3.口腔・咽頭の進化
4.誤嚥
5.機能検査

第3節 嚥下と人による評価

(高橋智子)
1.硬さの異なる粘稠ゾル試料の咽頭における挙動-嚥下造影検査による評価-
2.力学的特性の異なるヨーグルトゲルの嚥下時筋活動-舌骨上筋群の嚥下時筋電位測定による評価-

第4節 咀嚼・嚥下と筋電図

(柳沢幸江)
1.はじめに
2.筋電図によるテクスチャー測定の特徴
3.筋電図の活用
4.筋電図を用いたテクスチャー研究
5.物性値と筋電図
6.嗜好性と筋電図
7.おわりに

第5節 シートセンサーを用いた咀嚼圧の測定

(神山かおる)
1.はじめに
2.多点シートセンサーシステム
3.テクスチャーの異なる固体状食品の第1咀嚼
4.咀嚼力に及ぼす試料大きさの影響
5.食べ方によるテクスチャー感覚の変化
6.おわりに

第6節 嚥下障害者用介護食とテクスチャー

(熊谷仁,谷米温子)
1.はじめに
2.食品の嚥下のしやすさとTPA測定から得られるパラメータ
3.咽頭部での食塊の流速と介護食のテクスチャー・物性
4.嚥下障害者用の介護食に適したテクスチャー・物性の指標とは
  -新たな物性指標構築の可能性-
5.おわりに

第7節 ゾル・ゲル状食品の食塊のテクスチャーと咽頭部における移動特性

(森髙初惠)
1.はじめに
2.うるち米デンプンと餅米デンプン食塊の咽頭部での移動特性に及ぼすデンプン濃度の影響
3.寒天およびゼラチンゾル・ゲル食塊の咽頭部での移動特性に及ぼす濃度の影響
4.寒天ゲルとゼラチンゲルの食塊の移動特性に及ぼす咀嚼回数と摂食量の影響
5.寒天ゲルの咽頭部の食塊の移動特性に及ぼすペースト添加の影響
6.固体分散ペーストの咀嚼・嚥下に及ぼす摂食量の影響

第8節 高齢者の口腔内状態と食べやすい食物のテクスチャー

(畑江敬子)
1.はじめに
2.高齢者の口腔内状態の測定
3.煮込み牛肉のテクスチャーと高齢者の食べやすさの評価
4.高齢者の米飯のテクスチャーに対する評価
5.高齢者の生および加熱野菜に対する好ましさの評価
6.高齢者の咀嚼機能評価のための検査食の開発
7.検査食によるより精密な高齢者の口腔内状態の分類
8.おわりに

第5章 テクスチャー用語とオノマトペ

第1節 テクスチャー表現の収集と整理

(早川文代)
1.テクスチャー用語の重要性
2.日本語のテクスチャー用語の収集
3.日本語のテクスチャー用語リストの特徴

第2節 テクスチャー表現の時代変化と性差・年齢差・地域差

(早川文代)
1.テクスチャー用語の時代変化
  ~1964年の調査結果と2003年の調査結果の比較~
2.テクスチャー用語の性差,年齢差,地域差

第3節 テクスチャー用語の国際比較

(早川文代)
1.テクスチャー用語の国際比較の意義
2.異種のテクスチャー用語の共通点の例
3.異種の言語間におけるテクスチャー用語の比較の例
4.国際比較から見える日本語テクスチャー用語の特徴

第6章 テクスチャー各論

第1節 パン

(山田盛二)
1.パンとテクスチャー研究
2.測定法
3.原材料
4.製造条件の影響
5.パンの分類

第2節 麺類

(三木英三)
1.はじめに
2.茹でうどんの破断特性
3.うどんの構造と水分分布
4.うどんのレオロジー的性質
5.茹でうどんの表面特性

第3節 野菜

(渕上倫子)
1.はじめに
2.保蔵による野菜のテクスチャー変化
3.生食調理の際の野菜のテクスチャーの変化
4.加熱調理による野菜のテクスチャーの変化
5.乾燥,予加熱,アルカリけん化による野菜のテクスチャー変化とペクチン質の関係
6.冷凍処理による野菜の軟化

第4節 果実

(渕上倫子)
1.はじめに
2.果実の分類と可食部分
3.生果実のテクスチャー
4.加工による果実のテクスチャー変化

第5節 肉類

(小川雅廣)
1.はじめに
2.食肉のテクスチャーと筋肉の内部構造
3.食肉のテクスチャー改善法
4.おわりに

第6節 魚

(三橋富子)
1.はじめに
2.魚類筋肉の構造および成分とテクスチャー
3.魚類テクスチャーの魚種特異性
4.魚肉テクスチャーの死後変化
5.魚肉のゲル形成とテクスチャー
6.水産無脊椎動物のテクスチャー

第7節 卵

(小川宣子)
1.生卵
2.熱凝固性

第8節 チョコレート

(佐藤清隆,デリック・ルソー)
1.チョコレートのおいしさ-その物理的条件-
2.チョコレートの熟成とテクスチャー変化
3.チョコレートの結晶化の改良手法
4.新しいチョコレートの開発とテクスチャー
5.ガナッシュタイプのチョコレート
6.ファットブルーム

第9節 ビスケット

(米谷俊)
1.ビスケットとは
2.ビスケットのテクスチャー
3.高齢者向けビスケットの研究開発
4.まとめ

第10節 ジャガイモ

(山野善正)
1.はじめに
2.実験1 -典型的なジャガイモによるテクスチャーの類型化-
3.実験2 -実際のジャガイモのテクスチャー-
4.まとめ

第7章 特殊なテクスチャー

第1節 粒子とざらつき感

(今井悦子)
1.はじめに
2.粒子とは
3.粒子感覚と食物
4.ざらつき感に及ぼす粒子の粒度,濃度および分散媒の影響
5.ざらつき感に及ぼす粒子特性の影響
6.おわりに

第2節 すだち,しっとり感

(川染節 江)
1.すだち,しっとり感とは
2.スポンジケーキのすだちの形成と測定
3.すだちの画像解析と顕微鏡観察
4.バタースポンジケーキの新たなテクスチャーの測定法
5.近年の研究例

第8章 加工,調理操作とテクスチャー

第1節 電子レンジ -マイクロ波の特殊加熱効果と物性変化-

(肥後温子)
1.マイクロ波の非伝熱的加熱特性
2.マイクロ波の特殊加熱効果-硬化現象-
3.低水分においてマイクロ波加熱したクッキー様焼成菓子の硬化
4.クッキー様焼成菓子における糊化関連値と硬さとの関係
5.湿度・温度がクッキー様焼成菓子の破断物性に及ぼす影響
6.デンプンの糊化促進効果を検証するためのモデル試験
7.タンパク性練生地の膨化・ゴム化現象
8.マイクロ波の特殊加熱効果の発生原因
9.低水分食品における非伝熱的変化の発生原因
10.マイクロ波加熱による硬化・膨化のメカニズムとその誘因

第2節 過熱水蒸気処理

(宮武和孝,小林一三)
1.はじめに
2.過熱水蒸気の持つ特性とその生成
3.食品加工における過熱水蒸気利用効果
4.展望と課題

第3節 高圧処理

(藤井智幸)
1.はじめに
2.高圧利用の新しい考え方
3.High-PressureInducesTransformation
4.固体食品の力学物性
5.高圧によって誘導される食品素材の物性変化

第4節 エクストルーダー

(五十部誠一郎)
1.はじめに
2.エクストルーダーの歴史
3.食品加工用2軸エクストルーダーの構造
4.2軸エクストルーダーによるタンパク加工
5.食品関連のエクストルーダー加工の現状

第5節 連結含浸法

(坂本宏司,柴田賢哉)
1.はじめに
2.連結含浸法とは
3.連結含浸法を利用した高齢者・介護用食品の開発
4.真空包装機を利用した連結含浸法
5.安全性評価のための臨床試験と新規嚥下造影検査食の開発
6.機能性成分の付加・増強技術への応用

第9章 他の物理的感覚

第1節 揚げ物の咀嚼音

(青山敏明)
1.はじめに
2.音
3.音による食感評価
4.食感改良への利用
5.揚げ物の食感音でおいしさを感じるいくつかの理由
6.おわりに

第2節 シュワシュワ感の定量化

(山野善正,合谷祥一,跡部昌彦)
1.画像解析による気泡発生状況の定量化
2.茹でうどんの破断特性
3.気泡の変化に対する調製条件の影響
4.気泡とシュワシュワ感
5.おわりに 
キーワード
食品,テクスチャー,測定,知覚,レオロジー,粘性,構造,咀嚼,評価,高齢者,技術,書籍,図書,本
送料
当社負担(国内)

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