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SP値・HSP値(溶解度パラメータ)の基礎と微粒子の分散安定化への活用術

※受付を終了しました。

通信講座概要

略称
SP値・HSP値
通信講座No.
ce200506
開催日
2020年05月22日(金)
講師
山口大学 名誉教授 工学博士 大佐々 邦久 氏
【専門】
化学工学,微粒子工学
価格
1名で受講した場合: 44,000円(本体価格:40,000円)
2名で受講した場合: 55,000円(本体価格:50,000円)
3名で受講した場合: 66,000円(本体価格:60,000円)
※4名以上で受講される場合はお問い合わせ下さい。
価格関連備考
※請求書はお申し込みを受理次第、発送させていただきます。  
スケジュール
・5月22日(金) テキスト配本。学習開始。
・6月22日(月) 第1講の演習問題提出締切り。第2講の学習開始。
・7月22日(水) 第2講の演習問題提出締切り。第3講の学習開始。
・8月21日(金) 第3講の演習問題提出締切り。
・9月14日(月) 修了書送付(第3講まで解答提出された方のみ)

<受講にあたって>
※テキストは1~3講とも郵送しますが、回答は、Microsoft Word、 Excel(Microsoft Office2007~2016)形式で、電子メールで提出していただきます。
※各講の添削結果や模範解答なども、弊社から随時電子メールにて返信させていただきます。  
趣旨
溶解度パラメータ(SP値)の考え方を端的に表すのは、“Like attracts like.”、「類は友を呼ぶ」です。すなわちSP値が近いもの同士は、よく溶け、よく付き、よくぬれ(分散)します.特に  Hansenの提唱したSP値(HSP値)は極性物質間の溶解性だけでなく、微粒子の分散安定性の評価などにも応用できるので、関連分野における開発や品質評価に不可欠のツールです。
 本講では、SP値・HSP値の基礎、および様々な化合物や粒子のSP値・HSP値の迅速な新しい求め方を説明します.また面倒な粒子分散系(濃厚系や非水系)を手懐けるには、SP値・HSP値だけでは役不足で、その兄弟分の表面エネルギーや酸塩基度などの活用が欠かせません。どうすれば、これらのパラメータを分散剤選択や表面修飾の評価などに生かせるか、多くの計算例と新しい事例を踏まえて分かりやすく解説します。

【習得できる知識】
≪第一講≫
・分散系の熱力学的安定性とSP値・HSP値の由来
・多様な化合物や粒子のSP値・HSP値の迅速な新しい測定法
≪第二講≫
・ポリマーブラシによる立体反発安定化作用
・表面エネルギーおよび酸塩基度の迅速な新しい測定法
≪第三講≫
・界面活性剤および高分子分散剤の最適選択指針
・粒子の表面修飾とその評価法  
プログラム

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第1講 SP値・HSP値の基礎とその求め方
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【講座主旨】

分散系の熱力学的不安定性、すなわち粒子の凝集性や高分子の相分離性などは混合エンタルピー変化で表されますが、この値は概ねSP値・HSP値で説明できます。また化合物や粒子のSP値・HSP値の求め方については、特に最新の機器を用いた迅速な測定法を中心に説明します。

【プログラム】
1.分散系の熱力学的不安定性とSP値とHSP値の由来
  1.1 混合ギブスエネルギーと分散系の熱力学的不安定性
  1.2 HildebrandのSP値と相互作用パラメータ
  1.3 HansenのSP値(HSP値)
   (1) 相互作用距離とHansen球(3Dパラメータモデル)
   (2) Teas線図(三角座標)とてこの規則
   (3) HSP値の酸塩基成分と4Dパラメータモデル
2.化合物のSP値・HSP値の求め方
  2.1 原子団寄与法によるHSP値の計算
   (1) van Krevelen & Hoftyzer法
   (2) Hoy法
   (3) Stefanis & Panayiotou法
   (4) ソフトウェアHSPiPの利用法
  2.2 インバースガスクロマトグラフィー法
   (1) 原理と測定法
   (2) Janas法と適用例
   (3) Lindvig法と適用例
  2.3 溶解・膨潤法
   (1) GPC(SEC)-MALS-VISCOを用いた極限粘度法
   (2) 拡張Hansen法
   (3) 二成分溶媒グラジエント法
   (4) 多成分溶媒混合によるHSP値の調整
  2.4 気体のSP値・HSP値と応用例
  2.5 SP値・HSP値に及ぼす温度と圧力の影響
  2.6 SP値・HSP値の求め方による相違
3.粒子表面のSP値・HSP値の求め方
  3.1 インバースガスクロマトグラフィー法
   (1) 原理と測定法
   (2) 様々なサンプルへの適用例
  3.2 低磁場パルスNMR法
   (1) 原理と測定法
   (2) 表面修飾度合いの測定
  3.3 凝集・沈降法
   (1) 多架遠心分離装置を用いた分散濃度法
   (2) 重力および遠心場における界面沈降速度法
   (3)繊維状材料の接触角法による測定
 
【演習問題・添削】

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第2講 粒子分散系の分散・安定化に必要な要件
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【講座主旨】
分散系調製では、ぬれ・分散化だけでは駄目で、静電反発作用や立体反発作用による安定化が不可欠です。ぬれ/分散化のためのSP値・HSP値や表面エネルギーの活用例と、表面エネルギーの測定法、およびポリマーブラシによる効果的な立体反発作用について説明します。

【プログラム】
1.ぬれ/分散化に必要な要件
  1.1 ぬれ/分散化のためのSP値・HSP値の活用
   (1) ぬれ径とぬれ張力(wetting tension)
   (2) Hansen球を用いたぬれ/分散化の評価
   (3) Teas線図を用いた二成分溶媒の最適混合率の決定
  1.2 ぬれ/分散化のための表面エネルギーの活用
   (1) 表面エネルギーとその成分分け
   (2) 付着仕事と界面張力
   (3) 浸漬ぬれ・拡張ぬれとwetting envelopeによる溶媒選択
  1.3 表面エネルギーと成分項の測定法
   (1) インバースガスクロマトグラフィー法
    ・表面自由エネルギーと酸塩基項
    ・表面不均一性
   (2) 接触角法
    ・両面接着テープ(adhesive tape)法
    ・薄層浸透(thin layer wicking)法
  1.4 低磁場パルスNMR法によるぬれ性の評価
2.安定化に必要な要件
  2.1 van der Waals引力とHamaker定数
   (1) 様々な形状の粒子間van der Waals引力
   (2) Hamaker定数と有効Hamaker定数
  2.2  DLVO理論と静電反発作用による安定化
   (1) 粒子表面の帯電機構と電気二重層
   (2) ゼータ電位と測定法
   (3) 静電反発エネルギーとポテンシャルエネルギー曲線
  2.3 高分子分散剤を用いた立体反発作用による安定化
   (1) 混合効果・体積制限効果とHVO理論
   (2) ポリマーブラシによる立体安定化とAdG理論
   (3) 静電立体反発作用
   (4) 分散剤の最適添加濃度と枯渇現象
  2.4 非DLVO力と相互作用力の測定
   (1) 枯渇引力と枯渇反発力
       (2) 溶媒和力
       (3) 疎水性引力
3.微粒子の大きさ,分布および形状
  3.1 粒子径の定義
  3.2 粒度分布の表し方と測定法
  3.3 平均粒子径の求め方
  3.4 粒子形状の表し方
  3.5 比表面積の測定法

【演習問題・添削】

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第3講 分散剤選択および表面修飾と評価法
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【講座主旨】
工業的な分散系調製では、分散剤の添加あるいは粒子の表面修飾、およびそれら両方が不可欠です。分散剤/界面活性剤の種類と働きを述べ、どう活用すれば溶媒や樹脂中における分散安定化に寄与できるか、SP値・HSP値、表面エネルギーおよび酸塩基度をもとに説明します。

【プログラム】
1.高分子分散剤の働きと選択指針
  1.1 高分子分散剤の選択指針
   (1) 分散剤の種類と最適構造
   (2) 最小吸着層厚さと最適分子量
   (3) 相互作用パラメータと分散剤の良溶媒の選択
  1.2 高分子分散剤の吸着特性
       (1) 粒子、分散剤および溶媒間のHSP値の最適バランス
       (2) 酸塩基相互作用パラメータによる最適分散剤の選択
       (3) 粒子および分散剤の酸塩基度の測定
    ・インバースガスクロマトグラフィー法
    ・金属酸化物の等電点と酸塩基性
    ・中和滴定法
    ・分散剤の酸価とアミン価
  1.4 チキソ(粘弾性調整)剤
   (1) チキソ剤の役割
   (2) チキソ剤の種類と応用
2. 粒子の表面修飾と評価法
  2.1 表面修飾のための物理化学的方法
   (1) 酸化法
   (2) 照射法
   (3) マイクロカプセル法
  2.2 界面活性剤の種類と活用法
   (1) HLB値とその求め方
   (2) 吸着特性と表面修飾への応用
    ・単分子吸着層による親水化・疎水化
    ・二層吸着膜による分散安定化
  2.3 自己組織化単分子膜による表面修飾
   (1) 脂肪酸の化学吸着による修飾と応用例
   (2) カップリング反応による修飾と応用例
   (3) 表面グラフト反応による修飾と応用例
  2.4 SP値・HSP値による表面修飾の評価例
   (1) 界面活性剤を用いた高熱伝導性樹脂の調製
   (2) CNTコンポジットにおけるHSP値の応用
   (3) PPコンポジットにおけるHansen球の応用
   (4) レジンコンクリートにおけるTeas線図の応用
  2.5 表面エネルギーに基づく表面修飾の評価例
   (1) wetting envelopeによる膜表面の修飾評価
   (2) 付着仕事によるフィラー密着性の評価
   (3) ポリマーブレンドの構造とフィラー局在性
    2.6 酸塩基性に基づく表面修飾の評価例
   (1) CNFの表面修飾とコンポジットの強度
   (2) カーボンブラック塗料の調製
   (3) 自動車用塗料の分散性
3.粒子分散系の分散安定性評価法
    3.1 フロック径法
   (1) 粒度ゲージ法
   (2) 超音波スペクトロスコピー法
    3.2 凝集・沈殿法
   (1) 界面沈降速度法
   (2) 毛管吸引時間(CST)法
    3.3 レオロジー法
   (1) 流動曲線とヒステリシスループ
   (2) チクソトロピーと降伏応力
   (3) スラリーの動的粘弾性

【演習問題・添削】  
キーワード
溶剤,樹脂,プラスチック,ゴム,ポリマー,研修,通信教育