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接触する固体面の摩擦により発生する振動は、摩擦振動(俗称:スティックスリップ)と呼ばれています。例えば、なめらかに作動することを想定して設計された摺動部に摩擦振動が発生すると、運動が間欠的となり、機械の主たる機能が著しく損なわれる場合があります(1次性能の低下)。あるいは、摩擦振動の振幅が機械の性能を低下させるほど大きくなくとも、摩擦振動に起因する異音の発生が機械の商品価値を低下させる場合もあります(2次性能の低下)。
本セミナーでは、「摩擦の基礎理論」と「振動の基礎理論」の要点を短時間で修得したのち、「摩擦振動の発生メカニズム」の理論のフレームワークを修得します。以上を踏まえて、「振動と異音の対策」では、最新技術の紹介を交えながら、パッシブ制振理論に基づく設計とアクティブ制振理論に基づく設計の考え方を修得することで、現場の摩擦振動の問題に直面したときに検討すべき着眼点を修得することができます。
1.摩擦の基礎理論
1-1. 表面の形状と接触
1-2. 静摩擦と動摩擦
1-3. 摩擦の法則
1-4. 潤滑の形態と摩擦係数
2.振動の基礎理論
2-1. 持続する振動(単振動)
2-2. 流体摩擦による振動の減衰
2-3. 固体摩擦による振動の減衰
2-4. 成長する振動(自励振動)
3.摩擦振動のメカニズム
3-1. 静摩擦と動摩擦の差により生じる摩擦振動
3-2. 動摩擦力の速度弱化により生じる摩擦振動
3-3. モード結合不安定性により生じる摩擦振動
3-4. その他(弾性体の接触界面のダイナミクスなど)
4.振動と異音の対策
4-1. パッシブ制振理論に基づく設計
4-2. アクティブ制振理論に基づく設計
4-3. 最新技術の紹介(ヨー角ミスアラインメントの制振効果など)