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高度医療や社会の高齢化に伴い、国内そして世界の医療機器市場は拡大を続け、さらには携帯電話のデジタル機器の発展などによって、新しいパーソナル・ヘルスケアの機運が高まっています。医療機器産業は自動車や家電と同様な総合産業であり、日本が培ってきた多様なプロセス技術(半導体、有機、バイオ)が生かされる領域です。
本セミナーでは、近未来の医療や健康科学を見据えながら、各種プロセス技術を駆使して開発した新しいバイオデバイスとして、無意識計測のためのウエアラブル・バイオセンサとBAN(BodyArea Network)の可能性、身体の代謝機能に着目した高感度な生化学式ガスセンサと疾病スクリーニングへの応用、そして、生体と人工物の融和を目指し、生体適合性を備えながらも生体エネルギーによって駆動可能なバイオデバイス:人工臓器モデルなどを紹介します。さらに、最新の研究動向と将来の医療デバイスの展望についても、分かりやすく、かつ詳細に解説します。
1.はじめに
2.ソフトなウエアラブル・バイオ/化学センサ
1. 非侵襲計測から無意識計測へ
2. 生体適合性ポリマーと微細加工技術の融合
3. ウエアラブル酸素センサと経皮ガス計測
4. ソフトコンタクトレンズ型バイオセンサ
5. 非侵襲血糖値評価のための涙液グルコース計測
6. 結膜経皮ガス計測
7. BAN(Body Area Network)のための人体通信センシング
3.生化学式ガスセンサ(バイオスニファ)とその計測応用
1. 薬物代謝機能に基づく高選択性ガスセンシング
2. 魚臭症候群に起因するトリメチルアミン用ガスセンサ
3. 口臭成分メチルメルカプタン用ガスセンサ
4. バッチ計測用チップ型アルコールセンサ
5. UV-LEDを用いた高感度ガスセンサ
6. 匂いの可視化モニタリング
4.センサからトランスデューサ(人工臓器)へ
1. 有機エンジン:
人工的能動輸送システム(化学 → 機械エネルギーへ)
2. 動き(速度や方向)でわかるバイオセンシング(直線運動)
3. 人工鞭毛モータ(回転運動)
4. 無脈流ケミカルポンプ
5. ケミカルピンセット:2成分にて化学制御可能な人工筋肉
6. 人工すい臓:ケモメカによるグルコース濃度制御システム
7. 自立拍動型人工血管
8. 生体エネルギーハーベスティング