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オイルゲルは口紅スティック、リップグロス、アイライナー、ファンデーションなど化粧品を中心に食品・医薬品の基剤としても広く活用されている。また各種乳化系における増粘剤・安定剤としても重要な役割を担っている。このようなオイルゲルの物性を制御する技術は、使用感触・製品安定性をはじめ、製品外観、塗布のしやすさ、塗布膜の美しさなど製品性能全般に密接に関わっているといえる。
本セミナーでは、まず前半にオイルゲル化剤の種類とゲル化可能なオイルならびにゲル物性との関連を体系的に解説する。後半は応用編として、化粧品・食品・医薬品における油性ゲルの最新技術について解説をおこなう。特に製品安定性、すなわち起こりがちなトラブルとして、ブルーミング、発汗、ゲル物性の変化について、その発生機構と抑制のための考え方を中心に説明する。
また、今後新しいゲル化剤を開発する上で、望まれている性能(ゲル化可能なオイル種や望まれるオイルのゲル物性)、そして今後より重要さを増すと思われるゲルの感触、そしてゲルを崩して塗膜とした際の感触の物性制御についてのヒントを提供し、参加者と議論をおこなう予定である。
■オイルゲル化剤の種類とゲル化の機構
○低分子ゲル化剤
○粒子によるゲル化
○オリゴマー、ポリマーによるゲル化
○乳化を用いたオイルのゲル化
○オイルワックスゲル
■ゲルの硬度発現機構
○ワックスがオイル固化の主流であるわけ
○オイルゲルの物性を自在に制御するには
・オイルの種類と硬度の関係
・固化剤の種類と硬度の関係
○ゲル化に適するワックスやゲル化剤とは
■化粧品における油性ゲルの活用の実際
○スティック製品(口紅、リップクリーム、制汗剤)
○ペースト状、ゼリー状製品(リップグロス、オイルゼリー)
○鉛筆状製品(アイライナー、リップライナー)
○乳化製剤(サンスクリーン、ファンデーション)
■食品、医薬品での油性ゲルの活用
○油脂食品
○健康食品
■ゲルを崩す、崩したゲルを活用する
○ゲルは崩してからが勝負
・ゲル化剤とつやの関係
・スティック製品の感触制御
○崩す性能とゲル安定性の両立技術
■オイルゲルの構造評価
○熱分析の活用
○光学顕微鏡観察
○SEM観察
○レオロジー評価
■オイルゲル製品のトラブル
○結晶の析出(ブルーミング)
○オイルの分離(発汗)
○製造条件によるゲル物性の変化
○経時での物性の変化
○共存物質によるゲル物性の変化
○トラブルの予想と定量的評価方法
■ゲル化剤の未来
○固化したいオイル種とその課題
○望まれるオイルのゲル物性とは