2015年03月13日(金)
10:30~16:30
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高分子は長いひも状の分子である。よって結晶化するためには蛇のように滑り、絡み合いを制御しなければならない。結晶性高分子材料の構造と物性は結晶化により決定的に左右されるので、結晶化メカニズム解明に基づいた構造・物性の制御は重要である。
本講義では、まず結晶化の基礎理論を習得する。その上で彦坂が提唱した「高分子のトポロジー的本性」を取り入れた“滑り拡散理論”とよばれる高分子の結晶化理論から,成形加工の基礎となる流動場結晶化までを講義する。
本講座の目的は,高分子材料の高性能化・高機能化を展望できる力をつけることである。よって入門編としてわかりやすく講義するが,われわれの最先端の研究・開発結果も紹介する。特に、最近発見した伸長結晶化によるナノ配向結晶(nano oriented crystal, NOC)を用いた高分子材料の高性能・高機能化についても詳細に講義する。
1 高分子結晶化メカニズム
1.1 高分子のトポロジー的本性と“滑り拡散理論”
1.2 分子量、絡みあい、流動場の役割
2 結晶化の基礎理論
2.1 結晶化の原理: 熱力学的因子と速度論的因子
2.2 古典的核生成理論: 核生成と成長
3 高分子の核生成
3.1 ナノ核直接観察による核生成メカニズム検証
3.2 均一核生成と不均一核生成,核剤の役割
3.3 分子量、絡み合いの効果
4 高分子の結晶成長
4.1 形態と沿面成長・“厚化成長”
4.2 成長速度
4.3 分子量、絡み合いの効果
5 伸長結晶化で発見したナノ配向結晶と高性能・高機能化 (最新の成果を講義します)
5.1 ナノ配向結晶(nano oriented crystal, NOC)の発見
5.2 NOCの構造
5.3 NOC生成メカニズム
5.4 NOCによる高性能・高機能化
6 高次構造形成メカニズム
6.1 形態と“派生成長
6.2 高次構造の起源と”aging”
7 終わりに
結晶化制御による高分子材料の高性能化・高機能化の展望
[質疑応答・名刺交換]
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