スクリーン印刷のメカニズムやプロセスの適正化の手法、最新の高精細・高品位加飾印刷まで、具体的な応用例と実践方法についても詳しく解説!

管理できるスクリーン印刷の基礎とプロセス適正化の具体的手法
-高精細・高品位加飾印刷およびMEMS、エレクトロニクスでの応用展開-

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セミナー概要
略称
スクリーン印刷
セミナーNo.
150711
開催日時
2015年07月17日(金) 10:00~16:30
主催
(株)R&D支援センター
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:info@rdsc.co.jp 問い合わせフォーム
開催場所
価格
非会員:  50,906円 (本体価格:46,278円)
会員:  48,125円 (本体価格:43,750円)
学生:  11,000円 (本体価格:10,000円)
価格関連備考
会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で49,980円(税込)から
 ★1名で申込の場合、47,250円(税込)へ割引になります。
 ★2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計49,980円(2人目無料)です。
学校関係者価格は、企業に在籍されている研究員の方には適用されません。
定員
30名 ※現在、お申込み可能です。満席になり次第、募集を終了させていただきます。
備考
昼食、資料付
講座の内容
趣旨
 スクリーン印刷は、60年以上の長きにわたり、グラフィック・加飾印刷やエレクトロニクスの分野で広く利用されてきた。しかしながら、未だに多くの分野で「スクリーン印刷は。管理が困難で、職人芸的な技量が必要である」と思われている。これは、スクリーン印刷は、汎用性が広すぎるため「高度に適正化しないで利用されてきた」ための誤解であると言える。
 スクリーン印刷は、輪転印刷などの「一般印刷」に対して、「特殊印刷」と呼ばれることがある。スクリーン印刷が特殊なのは、他の印刷にはない、3つの要素があるからである。つまり、インクを押し出すスキージ、インクが通り抜ける孔版(メッシュ)、そしてインクを「版離れ」させる版の張力である。スクリーン印刷は、これらの3つの要素があるため、本来、他の印刷よりも、基板上でダレ難い高粘度インクを安定して印刷できる長所がある。
 しかしながら、これまでスクリーン印刷は、「強度が低いメッシュの版で、比較的粘度が低いインクを手軽に印刷する」ことから利用される事例が多く、にじみやインクの裏回りに悩まされたケースが多い。つまり印刷現場では「インクと版を適正化しないで最適化すること」に労力を割くことが多く、スクリーン印刷が「管理困難な職人芸的技術」と思われてきた大きな原因であると言える。
 以上のように、スクリーン印刷は、他の印刷工法に比べ非常に汎用性が高く、初期に高度な適正化をしないでもある程度の印刷品質が得られたため、要求レベルが高くなるに従い、プロセスが管理できなくなり、歩留り低下を引き起こしネガティブなイメージも広まったと言える。
 印刷とは、先ず「刷版」の性能が向上し、それに合わせた印刷性の高いインクが開発され、それぞれの印刷品質を向上させるものである。このことはスクリーン印刷においても同様であり、「刷版」であるスクリーン版の主要素であるメッシュ材料の技術進歩により、使用できるインクの印刷性能がさらに向上すると言える。
 管理できるスクリーン印刷プロセス構築の為には、スクリーン印刷の基本原理とメカニズムを理解して、インクと版を適正化し、印刷プロセスを正しく構築することが重要である。
 なお、高精細パターンの印刷の為のスクリーンメッシュの条件とは、メッシュ線径が細いこととメッシュ数が多いことである。しかしながら、同じ材質の線材を使用すると、メッシュ数が多くなっても線径が細くなるためメッシュ強度が低下し、寸法精度や版離れに支障がでる。このことが、これまでスクリーン印刷でのファインラインの量産印刷が管理困難であると思われてきた大きな理由でもある。
 2012年、従来の3倍の強度を有する超高強度ステンレス650メッシュが開発され、スクリーン印刷の長年の課題であった、高精細印刷での「版離れ」と「版ひずみ」の問題が解決できた。つまり、超高強度メッシュに適合した印刷性能が高い高粘弾性インクを使用することで、誰でもが高品質なスクリーン印刷を実践できる環境が整ったと言える。
 同講師は、2000年より、スクリーン印刷のコンサルタントとして、数々のクライアントに協力し、管理できるスクリーン印刷を実現できる「ペーストプロセス」の考え方やその実践の方法を広めてきた。高品質スクリーン印刷プロセスには「なぜ、この条件か、こう考えれば納得、こうすれば安定」という理論が明確に存在するのである。スクリーン印刷を信じて、必ず高度に適正化が可能であると信じプロセスを構築することが重要である。
 本講演では、スクリーン印刷のプロセス技術としての特長やその適用工法、そしてそのメカニズムやプロセスの適正化の手法をわかりやすい理論に基づいて解説する。さらに、最新の高精細・高品位加飾印刷やエレクトロニクスでの具体的な応用例と実践方法についても詳しく解説する。また、IoT(Internet of Things)を実現する大面積エレクトロニクスとスクリーン印刷技術についても紹介する。
 
プログラム

第一部「なぜスクリーン印刷が、最強の印刷工法と言えるのか」

1.はじめに
  ・トヨタ生産システムとスクリーン印刷
    (100%)-(歩留まり)=不良率  不良には、原因があり、対策できる
    「ワーストから潰せ」 インクと版の適正化 インクの弾性特性
  ・スクリーン印刷は、特殊だから印刷安定性が高い
  ・高粘度インクが安定して連続印刷できる理由

2.高品質スクリーン印刷のプロセス構築の考え方

3.スクリーン印刷の課題「版離れ」と「版ひずみ」

4.超高強度ステンレスメッシュでの課題解決
  ・スクリーンメッシュの強度が高くなり、インクの粘弾性の上限が広がった。
  ・インクと版の高度な適正化が可能になる。

5.IoT(Internet of Things)とスクリーン印刷技術
  ・大面積エレクトロニクスを支えるスクリーン印刷技術
  ・大面積エレクトロニクスとマイクロエレクトロニクスの違い
  ・最適製造サイズとフレキシブル接続(タイリング)技術
  ・絶縁材料印刷が製品化の最重要課題


第二部「管理できるスクリーン印刷プロセス適正化の具体的手法」

1.エレクトロニクス分野でのスクリーン印刷8つの適用工法
  ・成膜(ベタ印刷)パターンニング スルーホール 穴埋め(ビアフィル)
  ・バンプ印刷 落とし込み印刷 積層印刷 転写印刷

2.スクリーン印刷の基本原理は、スクリーン張力による「版離れ」
  2-1.なぜ「オフコンタクト印刷」か? ロータリースクリーン印刷の課題
  2-2.30μmラインが手でも刷れる理由 印刷条件は四つだけ、適正範囲も広い
  2-3.スキージが最も重要な印刷条件の要素 理想のスキージ形状とは
  2-4.スクリーンメッシュの開口率と印刷品質

3.スクリーン印刷の四つのメカニズムの理解
  3-1.「 ローリング」均一性の絶対条件 ペーストの弾性特性がローリング性を決定
  3-2.「充てん力」が印刷解像性を左右する スキージ角度の重要性
  3-3.「版離れ」がスクリーン印刷の最大の特長 「版離れシア速度」膜厚均一性
  3-4.「レベリング」のメカニズムと粘弾性の回復 基板界面との濡れ性

4.スクリーン印刷の三つの要素の適正化手法と「標準化」
  4-1.四つの印刷パラメータの適正化
  4-2.スクリーンメッシュ、版仕様の適正化と「標準」
  4-3.スクリーン版の製作方法 コツは、完全密着露光とミスト現像
  4-4.ペーストレオロジ(粘弾性)の理解 「粘弾性マップ」の読み方
  4-5.スクリーン印刷の「標準化」、「高度な適正化」→「標準化」

5.高品質スクリーン印刷プロセス実践のための品質向上の手順
  5-1.印刷均一性を阻害する要因とその対策手法
  5-2.寸法精度向上のための対策手法
  5-3.印刷解像性向上のための対策手法
  5-4.印刷膜厚整合のための対策手法
  5-5.スクリーン印刷における具体的な不具合対策
    ・スクリーン版の洗浄方法、裏拭き方法、不具合版の見分け方

6.高品質スクリーン印刷の応用例
  6-1.高精細・高品位加飾印刷
  6-2.フレキシブルMEMS電流センサー の印刷技術
  6-3.クリームはんだの「オフコンタクト印刷」
  6-4.二版二層印刷、太陽電池フィンガー電極他、電極/絶縁2層印刷
  6-5.有機トランジスタアレイ、有機EL用バックプレーン製作
  6-6.その他
 

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