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少子高齢化が進行するわが国では、認知症患者の増加が社会問題となっている。認知症の原因疾患は様々あるが、アルツハイマー病によって起こる認知症(アルツハイマー型認知症)は患者数が最も多いにも関わらず、その治療法は確立されていない。
本セミナーでは、まず認知症の基礎知識から発症機序に関する基礎研究の最新知見を紹介し、認知症治療薬に期待される作用機序を提案する。次いで、現在までに開発されてきた認知症治療薬候補(開発中止されたものを含む)を作用機序別に紹介し、今後の開発戦略の目指すべき道を提示したい。最後に、認知症治療薬の開発があまりうまくいっていない原因を探り、今後の対策と指針をお示しする予定である。
1.少子高齢化と認知症患者数の動向
2.認知症の基礎
2-1 認知症とは
2-1-1 認知症の定義
2-1-2中核症状と周辺症状(BPSD)
2-1-3 仮性認知症
2-2 認知症の原因疾患
2-2-1 治療可能な認知症と不可能な認知症
2-2-2 アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の違い
2-3 認知症の診断
2-3-1 問診と認知症テスト
2-3-2 画像診断
3.認知症治療薬の現状
3-1 脳血管性認知症の薬物治療
3-2 アルツハイマー病の薬物治療
3-1-1 コリンエステラーゼ阻害薬
3-1-2 グルタミン酸受容体遮断薬
4.アルツハイマー病の発症機序
4-1 アルツハイマー病の特徴
4-2 老人斑とアミロイドβ蛋白(Aβ)
4-3 神経原線維変化とタウ
5.アルツハイマー病の原因療法薬の開発状況
5-1 Aβ産生阻害薬
5-2 Aβ凝集阻害薬
5-3 Aβワクチンならびに抗体
5-4 タウを標的とした治療薬
5-5 既存の医薬品の適応拡大
5-6 その他(BPSDの治療薬など)
6.再生医療の可能性
6-1 幹細胞研究の基礎から応用
6-2 神経新生を利用した治療法
7.今後の課題
7-1 早期診断法の開発
7-2 臨床試験法の改善
7-3 その他