2018年12月12日(水)
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・ラジカル重合の基礎(教科書を超えて)と応用
・乳化重合理論の深い理解Smith-Ewart から最近のものまで
・重合法(バッチとセミバッチ)の特性の違い
・これら知識の製品開発への利用乳化重合処方考案
・スケールアップ問題の予測と解決
乳化重合は塗料、バインダー、繊維加工、紙加工、土木・建築、接着剤、粘着剤等のラテックス製品やプラスッチックス、ゴムなどのソリッド製品など様々な用途向け製品の製造に利用されています。さらに乳化重合技術の発展に伴い電気・電子、情報、医用など機能性高分子ミクロスファエアとしての用途も拓けています。乳化重合関連製品の研究・開発を目指す技術者、研究者には ① ラジカル重合および乳化重合理論と様々な重合法 ② ラテックス粒子の特性化や物性(安定性、レオロジー特性 ③ ラテックス粒子の成膜挙動やフィルム物性 ④ 用途に応じた様々な配合や後処理操作などの知識が必要とされます。かくして乳化重合に関する理論と技術に関する知識を得たいとのニーズが高いにもかかわらず、学会では機能性高分子ミクロスフェアの合成のみが注目されています。乳化重合理論に係る研究者や論文は激減し成書の出版も久しく途絶えているのが実情です。このような状況を踏まえ、本講座では ① 乳化重合理論を最近の進歩を含め解説 ② 理論を実際の製品やプロセス開発、問題解決に生かすことを主眼に置いています。加えて 、ラジカル重合および乳化重合理論を定説を超えて議論し理論の限界や新たな理論形成を示唆すると言う特徴を備えています。今回は理論の詳細を示す数式の誘導にまで言及する時間はありませんので、これらを参考資料として配付します。時間が許せば、様々な高分子ミクロスフェアの合成につても概説します。
【導入】
均一(溶液)系ラジカル重合および共重合の理論と応用
ラジカル重合のメカニズム
ホモおよび多元共重合の重合速度、重合度(分子量)、共重合組成理論の限界と対応
溶液重合理論の製品開発やトラブル解決への利用
多元共重合のシミュレーション(バッチ、セミバッチ)
ポリマー分子設計への利用
反応操作設計への利用
トラブルの予測や解決への利用
1.乳化重合理論
1-1 乳化重合理論(定説)
1-1-1 Harkins の定性理論
1-1-2 Smith-Ewart 理論(一次ラジカル進入、ミセル発生説)
・粒子内ラジカル数の収支と平均ラジカル数 (nav)
・ミセルからの粒子発生と粒子数
・粒子内モノマー濃度
・重合速度
・重合期間 (Ⅰ~Ⅲ期)と各期間の特徴
・乳化重合の特徴を総括する
1-1-3 Smith-Ewart 理論からの逸脱
・親水性モノマーに対する Fitch 等の均相粒子発生モデル
・埜村の連鎖移動ラジカルの脱出と再進入モデル
1-1-4 Maxwel-Gilbert 等のオリゴマーラジカル進入説
1-2 定説に対する批判
・乳化重合を考えるための様々な仮説や仮定
・一次ラジカルの粒子内進入説の問題点
・水相内でのオリゴマーラジカル生成説の問題点
・木村の Cross-creation 仮説
2.乳化重合理論の製品開発への適用
2-1 ラテックス製品開発のための考慮点(学の研究との違い)
2-2 乳化重合の立場から見た原料の特性
・モノマー
・乳化剤
・開始剤と開始剤系
・その他
2-3 乳化共重合
2-4 乳化重合反応操作とその特徴
・乳化重合操作の分類と特性
・バッチ(回分)重合とセミバッチ(半回分)重合の違い(連続重合)
2-5 特徴あるラテックスの合成
・ソープフリー乳化重合
・水溶性モノマーの共重合(官能基導入)の諸問題
・粒子径と粒子径分布制御
・コア/シェル粒子
・高固形分化
3.スケールアップ上の留意点
3-1 スケールアップにより何かどう変化するか?
・原料の配合と添加
・撹拌・混合
・伝熱
3-2 IoT、ビッグデータ時代の運転データ活用
4.様々な高分子ミクロスフェアの合成(資料配付、時間が許せば紹介)
4-1 マイクロエマルジョン法
4-2 ミニエマルジョン法
4-3 二段膨潤法
4-4 分散重合および非水系分散重合
4-5 逆相エマルジョン
4-6 油溶性開始剤を使用した乳化重合
4-7 超高分子量ラテックスの合成
高分子,樹脂,ポリマー,界面,ソープ,研修,講習会