2020年12月15日(火)
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環境発電技術としての熱電変換材料およびデバイスの研究開発をこれから始める/始めて間がない研究者/技術者
基本的に電子材料に関するある程度の常識があれば理解できるように解説しますが、半導体物性や固体物理学の知識があるとより深く理解できると思われます。
熱電変換の基礎知識、様々な熱電機構、フレキシブル熱電材料に要求される性能、薄膜/微小量での熱電特性評価における注意点、熱伝導率測定における注意点、どのような材料が有望かの展望、新概念の熱電変換材料や素子、などの知識が得られる。
IoTの末端に位置する様々な孤立電子機器において、電力自給のためのエナジーハーベスティングデバイスは重要な要素である。人間が生活する限りは少なからぬ熱流が生じており、衣服や人間の住環境には必然的に内外温度差が生じている。これを利用すべく、人体や身の回りの排熱を利用するエナジーハーベスティングデバイスの研究が世界的に盛んになってきている。本セミナーでは、熱電変換の物理的基礎、デバイスの特性を決める要因、ウェアラブル用途などに要求される条件、有機系熱電材料に特有のメカニズム、実際の熱電特性や熱伝導率測定における注意点などの基礎的知識を解説した後、我々が狙っている従来概念を超える「やわらかい」熱電材料/素子について、そのコンセプトといくつかの最新成果を紹介する。
1.熱電変換デバイスの基礎
1-1 エナジーハーベスティングと熱電変換
1-2 熱電変換の実用例
1-3 熱電変換デバイスの基本構造
1-4 熱電変換デバイスの基本設計思想と材料への要求
1-5 パワーファクターと無次元性能指数
2.ゼーベック効果の基礎
2-1 ゼーベック効果概要
2-2 ゼーベック効果の物理的な中身
2-3 ゼーベック効果の理論式(線形応答理論より)
2-4 様々な近似理論式
2-5 やや特殊な例
3.熱電変換材料研究の現状概観
3-1 熱電変換技術の特許動向概要
3-2 無機熱電変換材料の現状
3-3 古典的材料設計指針
3-4 低次元化やナノ構造形成のメリットと限界
4.フレキシブル熱電変換素子実現に向けて
4-1 フレキシブル熱電変換デバイスの必要性
4-2 どの程度の電力を供給できるか
4-3 有機系熱電材料/デバイスの報告例
4-4 フレキシブル熱電変換素子特有の要求事項
5.有機系熱電材料の評価法
5-1 市販熱電特性評価装置の例
5-2 熱電特性評価の一般的注意点
5-3 有機熱電材料評価のための要求事項
5-4 熱伝導率測定法の比較
5-5 市販熱伝導率評価装置の例
5-6 熱伝導率測定の一般的注意点
5-7 いくつかの方法の紹介
6.有機系熱電材料の広範囲サーベイ結果
6-1 広範囲有機系熱電材料探索結果と考察
6-2 有望と思われる材料系は?
7.当グループの材料戦略1: 低分子系有機半導体における巨大ゼーベック効果
7-1 有機半導体における巨大ゼーベック効果の発見
7-2 巨大ゼーベック効果の普遍性
7-3 巨大ゼーベック効果発現の条件および物理機構考察
7-4 巨大ゼーベック効果に実用性はあるか?
8.有望な材料系1:不均一系材料
8-1 不均一系熱電材料とは?
8-2 コアシェル型単分子接合を利用した不均一系熱電材料設計
8-3 CNT/タンパク質複合材料による断熱性熱電材料の創出
8-4 CNT複合材料の紡糸と布状熱電変換デバイス
9.熱電派生研究:高熱伝導性CNT複合材料
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