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従来の複合材料成形は、熟練した職人のノウハウに頼るころが大きく金型も必要とするため、短期間での多品種生産が困難であった。一方、一般に利用される熱可塑性樹脂積層3Dプリンターは、樹脂自体の力学的特性が著しく低く、試作模型や玩具の製作としての利用が主体であり、航空宇宙・自動車用途製品レベルの構造を作製できない課題がある。自動車・航空宇宙用構造にも適用可能な高強度立体造形を目的として、連続炭素繊維をその場で樹脂と複合化し立体造形する「炭素繊維複合材料3Dプリンター」の開発が進んでいる。炭素繊維複合材料3Dプリンターは、以下の優れた特徴を持っており、新しい構造材料の製造方法として大きな可能性を有している。
(1)多品種の構造強度部材をCADデータのみから容易に成形が可能であり、軽量化が強く求められる分野の研究開発を加速できる。(2)繊維配向の最適化により炭素繊維の持つ卓越した力学的特性を最大限に発揮できる。(3)ニアネットシェイプでの成形が可能であり、トリム等の2次加工が最小限で済むため、原材料費や環境負荷の低減にも効果的である。
これらの特徴のため、特に高強度部材が要求される航空宇宙・自動車用の構造部材の生産、アイソグリッド構造などの従来成形が困難であった複雑形状部材の生産、多品種・高剛性・迅速な入手が要求される機械加工などのための治具、少量多品種生産が求められる義足やアシストスーツなどの医療・介護分野といった分野に適用が進むと予想される。また複合材料の3Dプリントが可能となれば、多品種の構造強度部材をCADデータのみから容易に成形が可能となり、こまでアナログ的であった複合材料成形を刷新する次世代複合材料デジタル成形プロセス(Comosites2.0)が実現されると予想されている。
本セミナーでは、炭素繊維複合材料3Dプリンターに関わる最新技術について、その特徴、従来技術との比較、用途展望などについて紹介する。
1 研究開発の背景
1.1 複合材料の適用動向
1.2 熱可塑性樹脂複合材料
1.3 Automated Tape Laying(ATL)とAutomated Fiber Placement(AFP)
1.4 3Dプリンターの国内・海外市場動向
2 3Dプリンターを利用した複合材料成形
2.1 3Dプリンターの種類(粉末焼結積層,光造形,熱溶融積層他)
2.2 自動車および航空機業界における3Dプリンターの利用
2.3 複合材料成形ツーリングとしての利用
2.4 材料強度の異方性
2.5 PEEK3Dプリンター
3 連続炭素繊維複合材料3Dプリンター
3.1 従来3Dプリンターの課題
3.2 強化の方法
3.3 繊維切断
3.4 プリントされた材料の強度
3.5 ATF/AFPに対する優位性
3.6 想定される用途
3.7 実用化に向けた課題
4 短繊維系複合材料3Dプリンター
4.1 力学的特性
4.2 大規模3Dプリンター(自動車のプリント)
4.3 エポキシ系短繊維3Dプリンター
4.4 短繊維含有フィラメントの種類と市販状況
5 連続繊維複合材料3Dプリンターの海外動向
5.1 海外の取り組み(MarkForged社,Arevo社他多数紹介)
5.2 織物複合材料3Dプリンター
6 光硬化系複合材料3Dプリンター
6.1 短繊維と光硬化の組み合わせ
6.2 長繊維と光硬化の組み合わせ
7 形状・繊維配向最適化技術
7.1 曲線積層最適化(Tow-steered composites)
7.2 形状配向同時最適化
8 関連知財の紹介(海外特許含む)
9 課題と今後の展開
9.1 機能(電気回路,アクチュエータ)の3Dプリント
9.2 オンライン3Dプリントプラットフォーム