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高分子の燃焼は急激に進行する酸化反応であり、実火災の科学的研究は困難である。それでも高分子の難燃化に関する形式知の蓄積が行われてきたが、未だ経験知に大きく依存する技術分野である。20 世紀末に多くの難燃化手法が開発され、ほとんどの高分子の難燃化が可能になったが、環境問題や経済性の視点では改良の余地が多く残っている。しかし、技術開発がほとんどやりつくされた印象のためか、ここ数年新技術が登場していない。本講演では高分子の難燃化技術の実務について解説するとともに、ノウハウゆえに類似セミナーで詳細が取り上げられてこなかった樹脂の混練技術について難燃化技術との関係を考察し、既存技術の実務における活用方法から新技術の指針まで示す。
1. 高分子の難燃化技術概論
1-1 高分子難燃化技術と私
1-2 材料の難燃化技術の歴史
1-3 難燃化技術が引き起こした社会問題
1-4 環境問題と難燃化技術
1-5 特許動向から見た難燃化技術
1-6 臭素系難燃剤
1-7 リン系難燃剤
2. 高分子の難燃化技術のツボを事例で解説
2-1 溶融型の事例
2-2 炭化促進型の事例
2-2-1 ホスファゼン変性軟質ポリウレタン
① 反応型難燃剤
② 難燃性評価技術
2-2-2 ホウ酸エステル変性軟質ポリウレタン
① 無機高分子生成による難燃化技術
② 難燃性解析技術
2-2-3 フェノール樹脂の一次構造と難燃性に与える影響
① 高分子の熱分解と難燃性
② 燃焼性に影響する高分子の一次構造
③ プロセシングの影響
3. プロセシングと難燃化技術
3-1 プロセシングと高分子の難燃性、パーコレーション転移
3-2 混練技術と高分子の難燃性
3-2-1 二軸混練機
3-2-2 混練ライン
3-2-3 カオス混合
4. まとめ
4.1 難燃性高分子の配合設計
4.2 その他の高分子難燃化技術
4.3 その他の高分子難燃性評価技術