講演1.GaNナノコラム発光デバイス
10:30~12:00
一次元GaNナノ結晶(ナノコラム)は、InGaN系可視域発光デバイスの高機能化、高性能化への期待から世界的に研究されている。ナノコラム研究の最前線を詳解しつつ、ディスプレイ用発光デバイスとしての魅力を述べる。ナノコラムによれば、三原色LEDのモノリシック集積化が可能となり、二次元配列化はマイクロLEDディスプレイへの道を拓きうる。ナノコラムフォトニック結晶レーザとしても動作し、配列制御はスペックル抑制に寄与しうる。
1 GaN系半導体光デバイスフロンティアと課題
2 一次元ナノ結晶(ナノコラム)の期待
3 ナノコラム研究史
4 GaNナノコラムの規則配列化
5 ナノコラムによるナノ結晶効果
6 緑~赤色マイクロナノコラムLED
7 モノリシック集積型ナノコラムLED
8 ナノコラムLEDのフリップチップ化
9 ナノインプリントによる大面積化
10 高放射ビーム指向性ナノコラムLED
11 ナノコラムフォトニック結晶とレーザ
12 スペックルフリーレーザへの期待
13 まとめ
講演2.フレキシブルマイクロLEDの可能性
13:00~14:30
マイクロLEDは有機ELのディスプレーを置き換える次世代表示素子技術として大きな注目を集めている。マイクロLEDディスプレーを実用化するためには、安価な大面積基板上にGaN-LEDアレイを作製する技術を開発する必要があるが、本セミナーではスパッタリングによる窒化ガリウム成長技術を用いた大面積フレキシブルマイクロLED作製の可能性について、この分野に関する専門知識のない技術者にもわかるように平易に解説する。
1 開発の背景
1.1 表示素子の技術的流れ
1.2 マイクロLEDの重要性
1.3 マイクロLED製造の技術的問題点
1.4 スパッタGaN成長技術の利点
2 スパッタ法によるGaNの成長技術
2.1 スパッタGaN薄膜の構造的特徴
2.2 スパッタGaN薄膜の電気的特徴
2.3 スパッタGaN薄膜の光学的特徴
3 スパッタ法を用いて試作したGaN素子の特性
3.1 スパッタGaN LED素子の特性
3.2 スパッタGaN HEMT素子の特性
3.3 スパッタGaN MISFET素子の特性
3.4 スパッタGaN パワー素子の特性
3.5 スパッタGaN 受光素子の特性
4 スパッタ法を用いて低価格基板上に試作したGaN素子の特性
4.1 GaN成長用低価格基板
4.2 金属フォイル上に作製したGaN LED素子
4.3 ガラス基板上に作製したGaN LED素子
4.4 ポリマーフィルム上に作製したGaN 素子
講演3.波長超安定・狭帯域窒化物半導体赤色発光ダイオードの現状と将来展望
14:40~16:10
講師は赤色蛍光体に広く用いられる3価のEuイオンを添加したGaNを活性層とする発光ダイオード(LED)を作製し、電気を流すことにより高輝度な赤色発光を得ることに世界で初めて成功している。本発明の赤色LEDは従来のAlGaInP/GaAs系赤色LEDと異なり、結晶成長技術により青色/緑色LEDと併せて、同一基板上に集積化することが可能である。講義では、本研究の背景と現状について解説する。
1 研究の背景
2 窒化物半導体発光ダイオード(LED)の現状
2.1 青色/緑色LED
2.2 赤色LED
3 Eu添加GaNと赤色LEDへの展開
3.1 希土類元素
3.2 希土類添加半導体の魅力
3.3 Eu添加GaN
3.4 結晶成長技術
3.5 Eu発光特性
3.6 素子構造とデバイス特性
4 Eu添加GaN赤色LEDの高輝度化
4.1 Eu発光メカニズム
4.2 Euイオン周辺局所構造制御(イントリンシック制御)
4.2.1 Euイオン周辺局所構造
4.2.2 局所構造に依存したエネルギー輸送機構
4.2.3 不純物共添加効果
4.3 フォトン場制御(エクストリンシック制御)
4.3.1 Fermi黄金律
4.3.2 表面プラズモンの利用
4.3.3 光共振器の利用
5 将来展望