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エネルギー消費と地球温暖化問題を中心にして、自動車の徹底的な低炭素化が求められている。
その対応技術として電動化や水素利用の流れがあるが、二次電池の低いエネルギー密度、発電電源構成、コスト、信頼性、インフラなどの観点から根本的な課題解決ができるかは不透明な状況と予想される。よって、今後も輸送用動力源の主体であるエンジンの徹底的な低炭素化・クリーン化が、CO2排出量削減に直接的に寄与すると言える。
そのような背景のもと、ガソリン・ディーゼルエンジンの双方において、高効率化とクリーン化の両立を実現しうる手段として予混合圧縮着火(HCCI)燃焼方式が注目されている。HCCIは、混合気を圧縮着火させるため、着火時期の制御や急峻な燃焼の抑制など従来方式とは異なる課題が存在する。これらの課題を克服する要素技術、デバイス、制御手法の開発のためには、燃焼及びエンジンの基礎に立ち返り、HCCI燃焼メカニズムを理解した上でのアプローチが重要と考えられる。
本セミナーでは、エンジンの効率向上、排ガス浄化の基礎に立ち返った上で、HCCIエンジンの特性と燃焼メカニズムをガソリン・ディーゼル燃焼と比較しながら議論する。さらに、HCCIエンジンの実用化に向けた課題と研究開発動向について紹介する。