第1講 口に入れるまで、口に入れてからのおいしさ認知のメカニズム
分析機器の発達により、おいしさに関わる因子は多角的に分析されるようになった。その一方で、分析結果がそのままおいしさに反映されるわけではない。おいしさに関わる因子間で相互作用するからだ。本セミナーでは、その仕組みについて概説する。
1.おいしさについての多角的アプローチ
2.おいしさの認知の仕組みの理解の必要性
3.味覚、嗅覚、視覚それぞれのおいしさ認知における特性
4.複数の感覚の相互作用
第2講 どら焼きの小豆餡の美味しさに寄与する香気成分について
小豆餡はどら焼き等の和菓子で使用されるが、一方でその美味しさの評価法に関する報告は少ない。本セミナーでは、製品開発等への活用を目的とした美味しい小豆餡(粒餡)の官能評価手法の最適化と風味に寄与率の高い香気成分の探索について解説する。
1.美味しい小豆餡(粒餡)の定義付け
2.官能評価手法の最適化と香気成分分析
3.統計解析によるどら焼き餡の官能及び香気特性マッピング
第3講 おいしさの見える化手法と伝統的酒造りへの応用
食品のおいしさは複合的であるため、評価は官能検査が主体であるが、商品開発・品質管理ではそれを裏付ける客観的な指標が求められる。本セミナーでは、日本酒の新たなおいしさ解析手法への取組みを紹介する。
1.メタボロミクス技術を用いた原料米品種による清酒の酒質特性解析、
2.GC×GC-TOFMSで取得した揮発性成分プロファイルと清酒の「押し味」の相関解析
3.割水用水の元素プロファイルを用いた清酒のオフフレーバー生成モデルの構築