Ⅰ. セミナーのねらい ~木質バイオマス事業で発生する現実の課題や悩み~
【13:30~14:00】
1.ボイラーの故障
(1)設備を入れるときの瑕疵担保責任についての考え方
(2)日本製ボイラーは、トライアルとしての共同開発契約の側面がある
(3)ボイラーの故障は、そもそも製品の瑕疵である場合、この瑕疵の補修費用は有償か無償か
2.バイオマス発電所の運営に対する近隣クレーム ~ちょっとした煙や音
排出しているのは、水蒸気である。水蒸気は当たり前という意味での説得をする必要がある。
3.熱供給基本契約締結に当たっての注意事項
(1)補助金交付期間終了後は、熱供給の契約書が必要となる。
(2)重油で作った値段より安く出す、というのがセールストーク
(3)熱供給する側は、ボイラーが故障等により止まった時のリスク。
4.FITと熱供給の連携の手法
Ⅱ. 木質バイオマス供給の現状と課題
【14:05~15:05】
未利用木質バイオマス発電施設が多数稼働を開始したことにより、低質丸太の大きな需要が創出された。その結果、これまで搬出されてこなかった丸太が供給されるようになりつつある。この要因としては、高い電力の買取り価格によって、未利用バイオマスの買取り価格が引き上げられたことが大きいと考えられる。しかし、小径丸太や短尺材、さらには枝条といった林地残材の供給には用材よりもコストがかかりやすく、今後さらに増産していくためにはいくつもの課題が存在する。そこで、木質バイオマス供給の現状を紹介するとともに、低コスト化のポイント等について報告する。
1.木質バイオマス利用における注意点
2.日本林業の現状
3.木質バイオマス発電施設の稼働状況
4.未利用バイオマスの供給事例
5.未利用バイオマス需要の今後
6.低コストバイオマス供給に向けた課題
Ⅲ. 木質バイオマス事業の実例
~あわら三国もりもりバイオマス(環境省・林野庁連携事業)
~木質バイオマス発電(FIT)事業の課題整理
【15:10~16:10】
木質バイオマスエネルギー利用事業では燃料調達がカギである。量・質・調達期間・運搬方法など、一口に「木質燃料」といってもその選択肢は多く、適正な燃料調達こそが設備を安定して稼働させる要となっている。
実際に設備導入計画、設置、燃料準備、設備稼働、メンテナンス、地元調整を事業として取り組んできた経験から、課題解決の実際を例にとり解説する。
日本の森林林業の再生を可能とするシナリオも紹介し、バイオマス利用事業の本質を考える。
1.発電事業と熱供給事業、それぞれの特徴と収益概略
2.先行するAustriaの実態と課題
3.原油安で木質バイオマス事業はどうなるか?地域循環経済の基礎であることは変わらず
4.森林林業の素材生産事業者が木質バイオマス事業も実施する意味
5.数十年放置される広葉樹林や雑木林に価値を与えるには
6.製材所が木質バイオマス事業を推進するメリットとデメリット
7.地元重油・灯油・プロパンガス供給事業者と木質バイオマスエネルギー事業の関係
8.事業普及時期の設備は単純な構造がいい
9.FITで20年の功罪 → 20年後の設備や仕組みはどうなるのか?
10.LCAの視点からエネルギー利用を再考する
Ⅳ. パネルディスカッション
<テーマ>木質バイオマスビジネスの事業トラブルとリスク回避法
【16:20~17:00】
設備導入計画、設置、燃料準備、設備稼働、メンテナンス、地元調整の各過程で生じた悩みやトラブル、課題を小林氏から赤裸々にお話頂き、リスク回避のための契約書や覚書の模範例について、秋野弁護士より解説したい。意外と見えていなかった盲点をお示しし、当該課題解決の書式例を交付し、木質バイオマスビジネス展開を実践しようと考えている事業者に最適な講義としたい。
1 これからバイオマス発電を設置したいと考えている事業者が検討しておくべき事項
(1)設備導入計画、設置、燃料準備、設備稼働、メンテナンス、
地元調整の各過程で生じた悩みやトラブル課題
(2)補助金をどのように取得していくのか?
(3)最初のプレイヤーは、どのようなプレイヤーを確保することになるのか?
2 FITとして、バイオマス発電に取り組もうと考えている事業者が検討すべき事項
(1)FITと熱供給の違い
(2)20年も・・と考えるか、20年しか・・と考えるか
(3)地域産業になるかならないか?
(4)木材事業協議会・森林組合との協働・連携方法
3 発電所設備の設置工事の受注を得たいと考えている事業者が検討すべき事項
(1)「Jクレジット」への意識
(2)契約書整備の重要性