フッ素がもたらす可能性とは…?合成に必要な特性や応用は?
さらには、安定性の高いフッ素化合物の再資源化による環境に向けた技術も学ぶ!

有機フッ素化学の基礎・合成・開発応用と再資源化技術

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セミナー概要
略称
有機フッ素化学
セミナーNo.
st140818
開催日時
2014年08月29日(金) 11:00~16:30
主催
サイエンス&テクノロジー(株)
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:info@rdsc.co.jp 問い合わせフォーム
開催場所
きゅりあん 5F 第1講習室
価格
非会員:  55,000円 (本体価格:50,000円)
会員:  52,250円 (本体価格:47,500円)
学生:  55,000円 (本体価格:50,000円)
価格関連備考
【2名同時申込みで1名分無料(1名あたり定価半額の27,000円)】
※2名様とも会員登録をしていただいた場合に限ります。
※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
※3名様以上のお申込みの場合、上記1名あたりの金額で追加受講できます。
※受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
※請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
(申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。)
※他の割引は併用できません。
備考
昼食・資料付
講座の内容
プログラム

第1部 フッ素原子がもたらす特異性とその合成法

      —有機フッ素化合物の分子特性と化学反応性について—

<趣旨>
 フッ素原子を有する有機分子の構造、性質、そして化学反応性は、フッ素原子の導入数に著しく依存する。実際、フッ素原子導入数が大きく異なる分子どうしでは、全く異なる分子として振る舞うように感じられる。
 しかし、一見異なると感じられるそれらの分子の性質も、実はフッ素原子のいくつかの基本的性質に起因しており、そうしたフッ素原子の性質を正しく理解し、活用することができれば、所望の性質を有する有機フッ素化合物を、容易に合成することが可能となる。
 本講演では、低分子から高分子まで、様々な有機フッ素化合物を取り上げ、フッ素原子がもたらす特異性を概観し、その合成法を解説する。

<得られる知識>
 フッ素原子ならびに有機フッ素化合物の特異性
 有機フッ素化合物と非フッ素系化合物の類似点・相違点 
 新規有機フッ素化合物の逆合成経路の考案法 

1.有機フッ素化合物の性質
 1.1 フッ素原子の持つ特徴・性質
 1.2 フッ素原子導入の意味
 1.3 有機フッ素化合物の分類 —少フッ化物と多フッ化物—
 1.4 少フッ化物
  1.4.1 フッ素原子導入に伴うミクロな変化とマクロな変化 —構造・電荷分布など
  1.4.2 少フッ化物の特徴
 1.5 多フッ化物 
  1.5.1 フッ素原子導入に伴うミクロな変化とマクロな変化 —構造・沸点・相溶性・ガス溶解度・酸性度など
  1.5.2 多フッ化物の特徴

2.有機フッ素化合物の反応
 2.1 フッ素原子のもたらす電子的効果
  2.1.1 置換基としてのフッ素原子の効果 —誘起効果(I効果)と共鳴効果(R効果)
  2.1.2 置換基としてのフルオロアルキル基の効果 —誘起効果(I効果)
 2.2 カルボアニオン(sp3炭素)生成におけるα位およびβ位のフッ素原子の影響
 2.3 カルボカチオン(sp3炭素)生成におけるα位およびβ位のフッ素原子の影響
 2.4 フッ素化ケトンの水和現象とケト—エノール互変異性
 2.5 フルオロアルケンの性質ならびに反応性
 2.6 フルオロアレーンの性質ならびに反応性
 2.7 活性種(ラジカル・炭素陽イオン・炭素陰イオン)
 2.8 炭素—フッ素結合の活性化反応

3.有機フッ素化合物の合成
 3.1 フッ素原子導入法
 3.2 フルオロアルキル基導入法
 3.3 その他のフッ素化合物合成法

4.まとめ
 4.1 有機フッ素化学の現在の動向
 4.2 今後の展望

 □ 質疑応答 □
 

第2部 含フッ素有機化合物の合成と応用、フッ素化反応、トリフルオロメチル化反応の新展開


<趣旨>
 近年、医農薬等の生理活性物質や液晶・電池材料等の機能材料分野では、含フッ素化合物の占める割合が急増している。これは、フッ素の持つ特異な化学的・物理的性質を最大限に利用して、より高性能な機能を引き出そうとする試みの結果に他ならない。本講演では、このような見地からフッ素化反応に用いられる各種フッ素化剤の利用方法について概説するとともに、実際の含フッ素医・農薬の製造方法について紹介する。
 併せて東ソー・エフテックで工業的に製造している含フッ素化合物の製法およびその用途展開について紹介する。  

<得られる知識>
 フッ素原子導入に用いられる剤およびその導入方法
 実際の含フッ素製品(医・農薬)への応用例、 最新医農薬の製造方法

1.フッ素の導入方法
 1.1 求核的フッ素化剤の紹介
    求核的フッ素化剤の製法及びフッ素化反応例
  1.1.1 FAR型フッ素化剤
  1.1.2 DAST型フッ素化剤
  1.1.3 その他 有機型、無機型フッ素化剤
 1.2 親電子型フッ素化剤の紹介
    親電子型フッ素化剤の製法及びフッ素化反応例
  1.2.1 無機系フッ素化剤
  1.2.2 O-F結合を有するフッ素化剤
  1.2.3 N-F結合を有するフッ素化剤
 1.3 フルオロアルキル化剤の紹介
    フルオロアルキル化剤の製法及びフッ素化反応例
  1.3.1 トリフルオロメチル化剤
  1.3.2 ジフルオロメチル化剤
  1.3.3 パーフルオロアルキル化剤

2.フッ素化反応の医薬品・農薬合成への応用展開
 2.1 Efavirenzの製造方法紹介
 2.2 Voriconazolの製造方法紹介
 2.3 Tafluprost の製造方法紹介
 2.4 Gemigliptin の製造方法紹介
 2.5 Odanacatib の製造方法紹介
 2.6 Bixafen の製造方法紹介
 2.7 Flubendiamide の製造方法紹介

3.東ソー・エフテックの含フッ素化合物 製法とその応用
 3.1 Trifluoroethanol の製造方法及びその応用展開
 3.2 Trifluoroacetaldehydel の製造方法及びその応用展開
 3.3 TrifluoromethylIodide の製造方法及びその応用展開

4.まとめ 

 □ 質疑応答 □
 

第3部 機能性有機フッ素化合物の分解・再資源化技術の研究動向


<趣旨>
 炭素原子とフッ素原子から形成される有機フッ素化合物は耐熱性、耐薬品性、界面活性等の優れた性質を持ち、我々の生活に欠かすことのできない重要な化学物質である。その種類は低分子化合物から高分子化合物まで多岐にわたる。分子量が数百程度の化合物は界面活性剤や表面処理剤に、数万以上の化合物、すなわちフッ素ポリマーはパッキン等の汎用品は勿論のこと、イオン交換膜,光ファイバー,レジスト等の先端材料として利用されている。このように高い機能性を持つ一方で、環境残留性や廃棄物の分解処理が困難といった負の側面が近年になって顕在化しつつある。本講演ではこのような有機フッ素化合物が抱える環境問題と分解無害化・再資源化技術の研究動向について報告したい。

<得られる知識>
 有機フッ素化合物に関する環境問題の動向、分解無害化・再資源化技術の研究状況

1.有機フッ素化合物に関する環境問題の経緯
 1.1 環境残留性が問題となった有機フッ素化合物(PFOS/PFOAおよびそれらの関連物質)
 1.2 規制の動向

2.界面活性剤用有機フッ素化合物に関する分解・無害化方法の開発状況
 2.1 ヘテロポリ酸光触媒を用いたペルフルオロカルボン酸類の分解
 2.2 ペルオキソ二硫酸塩(光酸化剤)を用いたペルフルオロカルボン酸類の分解
 2.3 ペルオキソ二硫酸塩を用いたペルフルオロカルボン酸類の温水分解
 2.4 鉄イオン光触媒を用いたペルフルオロカルボン酸類の分解
 2.5 鉄粉+亜臨界水を用いたペルフルオロアルキルスルホン酸類の分解
 2.6 酸素+亜臨界水を用いたペルフルオロアルキルエーテルスルホン酸類の分解
 2.7 超音波照射によるペルフルオロカルボン酸類、ペルフルオロアルキルスルホン酸類の分解
 2.8 酸化タングステン+ペルオキソ二硫酸を用いたペルフルオロカルボン酸関連物質の可視光分解
 2.9 その他の方法

3.フッ素系イオン液体の分解
 3.1 鉄粉+亜臨界水、超臨界水を用いた方法
 3.2 酸化鉄(II)+亜臨界水、超臨界水を用いた方法

4.フッ素系イオン交換膜の分解
 4.1 金属+亜臨界水を用いた方法
 4.2 酸素+亜臨界水、超臨界水を用いた方法

5.フッ素ポリマーの分解
 5.1 亜臨界水、超臨界水を用いたPVDFの分解
 5.2 亜臨界水、超臨界水を用いたETFEの分解
 5.3 その他の方法

 □ 質疑応答 □
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