二酸化酸素排出削減が求められている中で二酸化炭素の貯留や有効利用する技術開発が急進展している!
ガスや油などの採掘に利用する方法、樹脂原料とする等など、二酸化炭素の貯留・有効利用技術を解説する!

二酸化炭素の貯留・有効利用技術の現状と今後の展開
~CO2の有効利用はどこまで可能なのか?~

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セミナー概要
略称
二酸化炭素の貯留
セミナーNo.
st141008
開催日時
2014年10月24日(金) 10:20~16:40
主催
サイエンス&テクノロジー(株)
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:info@rdsc.co.jp 問い合わせフォーム
開催場所
きゅりあん 4階 第1特別講習室
価格
非会員:  55,000円 (本体価格:50,000円)
会員:  52,250円 (本体価格:47,500円)
学生:  55,000円 (本体価格:50,000円)
価格関連備考
会員受講料 51,300円
【2名同時申込みで1名分無料(1名あたり定価半額の27,000円)】
 ※2名様とも会員登録をしていただいた場合に限ります。
 ※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
 ※3名様以上のお申込みの場合、上記1名あたりの金額で追加受講できます。
 ※受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
 ※請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
 (申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。)
 ※他の割引は併用できません
備考
資料・昼食付
講座の内容
プログラム

第1部 国内外のCCS(carbon dioxide capture and storage)技術動向と今後の展開

 昨今、世界的に異常気象が報告され、人為起源のCO2による気候変動との関係がクローズアップされている。特に我が国においては、東日本大震災以降の原発停止に伴い化石エネルギーへの依存度が急増、原発の運転再開が不透明な中、CO2排出削減への抜本的取組が求められる。 また、世界的に見ても発展途上国を中心に化石燃料の使用量は引き続き増加すると見込まれている。
 CCS(Carbon Capture and Storage)は火力発電所、製鉄所、石油精製・化学プラント等の大規模CO2排出源において発生するCO2を分離回収し、地中に隔離する技術である。国際エネルギー機関(IEA)、IPCC等では地球平均気温上昇幅を2℃以下とするという現在の国際合意を達成するために不可欠な技術としてCCSを位置付けている。
 本セミナーでは、CCSの仕組み、我が国と世界のCCS関連プロジェクト、主要国の政策・規制など、CCSをとりまく状況について概説する。
1.CCSとは
 1.1 全体構成
 1.2 CO2回収
 1.3 CO2輸送
 1.4 CO2地中貯留
2.気候変動抑止策における位置づけ
 2.1 2050年までに期待されるCO2削減量
 2.2 各種抑止技術の中における位置づけ
 2.3 各種抑止技術のコスト比較
3.国内外におけるCCSの動向
 3.1 我が国のCCS関連プロジェクト
 3.2 世界の大規模実証プロジェクト
 3.3 主要国のCO2排出規制、インセンティブ
4.Global CCS Instituteの活動について
 4.1 設立経緯
 4.2 主要な活動のご紹介
5.まとめ

□ 質疑応答 □

※ 第1部のスライド及びに配布テキストは英文表記となります。なお、講演は日本語で行われます。
 

第2部 CO2を用いた原油増進回収法(CO2-EOR)のメカニズムとその技術動向

 油ガス田の探鉱・開発の流れについて概説したうえで、油の回収率を高めることについて簡単に説明を行う。次に原油増進回収技術(EOR:三次回収法)の 概念(一次回収、二次回収法との違い及び三次回収法の原理)についての概説を行ったうえで、今なぜEORが注目を浴びているかを解説する。次に、老朽化し た油田での原油増進回収技術(EOR)と火力発電所から大気中へ排出する温暖化ガス(CO2)の削減を同時に図るCCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)について概説する。最後に現在CCUSに向けての取り組みについて紹介するとともにその将来展望についても簡単に触れる。
1.油ガス田の探鉱・開発のフロー
2.回収率を高めるということは?

 2.1 地下での油の賦存状況
 2.2 原油回収法の分類
3.原油増進回収技術の概念及びその適用性
 3.1 原油増進回収法の鍵となる要因
 3.2 置換効率・掃攻率の概念
4.今なぜEORなのか?
 4.1 エネルギー投資効率(EROI)について
 4.2 石油開発の特徴
5.CCUS (Carbon Capture Utilization and Storage)について
 5.1 CO2-EOR攻法の原理
 5.2 米国におけるCO2-EORの状況
 5.3 CCUSの概念図
 5.4 CCUSプロジェクト紹介

□ 質疑応答 □
 

第3部 CO2岩盤フラクチャリングによるシェールガス採掘の可能性

 CO2(二酸化炭素)で直接岩盤を破砕してシェールガスを採掘しようとするプロジェクトに向けて我々が実施した、花崗岩供試体を用いた実験結果について主に紹介し、この分野の研究の現況について解説します。
 墓石によく利用されている花崗岩を17㎝角の立方体に整形し、中心に直径2cmの円孔を穿孔しました。その円孔の中に密閉区間をつくって流体に圧力にかけ、供試体に亀裂をつくる実験を行い、亀裂が発生する際に発生するAE(Acoustic Emission、 高周波の破壊音)を測定して、亀裂の特徴を調べました。実際のシェールガスやシェールオイルの採掘では、水を加圧して地下のシェール(頁岩)を破砕してメタンガスや石油を生産していますので、これを模擬した実験です。
 我々は、破砕流体に超臨界CO2、液体CO2、水、粘度の大きな油の4種類を用いましたが、水より粘度が小さいさらさらしたCO2で破砕すると、シェールガスやシェールオイルの生産に有利な、分岐の多い細かい亀裂が広範囲に広がる傾向が見られました。さらにシェールはメタンガスよりCO2に親和性が強いため、CO2で破砕するとCO2と入れ替わりにメタンガスを放出するため、メタンガスの増産も期待できます。従って、水圧破砕に現在使用されている水の代わりにCO2を用いれば、シェールガスの増産と二酸化炭素の地中貯留が同時に実現できる可能性があり、今後有望な技術であると思います。
 我々の研究成果の一部を、米国の地球物理学会誌Geophysical Research Letters(Vol。 39、 L16309、 2012)に発表したところ、英国の科学雑誌New Scientists Magazine (2012年8月31日付)と米国の科学雑誌 MIT Technology Review(2013年3月22日付)がこの研究の有用性を自社のWeb Site で紹介してくれました。また国内では、京都新聞(2013年9月14日付朝刊第26面、)読売新聞2014年4月15日付夕刊第1面、日本経済新聞2014年4月15日付朝刊第14面(科学技術面)、 The Japan News(読売の英字新聞) 014年4月16日付第1面)で紹介されています。
1.研究の背景
2.花崗岩を用いたCO2フラクチャリング実験
 2.1 供試体と実験方法の概要
 2.2 流体圧入方法
 2.3 載荷方法
 2.4 実験結果
 2.5 破壊メカニズムに関する検討
 2.6 顕微鏡による亀裂観察結果
 2.7 考察とまとめ
3.釧路産シェール供試体に対する水圧破砕実験
 3.1 供試体と実験方法の概要
 3.2 実験結果
 3.3 破壊メカニズムに関する検討
 3.4 顕微鏡による亀裂観察結果
 3.5 考察とまとめ
4.今後の研究計画と実用化に向けた課題
 4.1 技術の有用性と解決すべき課題
 4.2 今後の研究計画
 4.3 過去技術の蓄積と実用化への期待
□ 質疑応答 □
 

第4部 二酸化炭素の工業用有機材料への化学的利用技術と事業化展望

  産業活動により排出された二酸化炭素が地球温暖化に関連しているかもしれないことから、二酸化炭素は、その潜在的な有用性にもかかわらず、不要なもの・悪いものという印象をもたれている。本講演では、地球温暖化問題と化石資源枯渇問題の解決に直接的に寄与することが期待される、二酸化炭素の化学的利用に関する技術、実例を概観し、紹介する。
1.二酸化炭素についての基礎
 1.1 二酸化炭素とは
2.二酸化炭素の有効利用 概論
 2.1 資源・エネルギー・環境問題と二酸化炭素の関連
 2.2 二酸化炭素の変換の考え方・方法と用途
 2.3 二酸化炭素の反応メカニズム,プロセスの比較
 2.4 古典的な化学品製造プロセス
3.二酸化炭素の有効利用 事例の紹介
 3.1 メタノールの製造
 3.2 エネルギー化と燃料の製造
 3.3 鎖状カーボネート,環状カーボネートの製造
 3.4 ポリマーの製造
 3.5 その他
4.現状の課題と今後の展望

□ 質疑応答 □
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