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ゲル化剤や増粘剤は多くの産業分野で広く利用されている。両者ともに主にゲル化や粘度を調整するために使用される。ゲル化剤・増粘剤の多くは高分子物質であるから、これらを単に溶媒に分散、溶解することによっても粘度は増加し、弾性が発現する。しかし実際にはゲル化・増粘効果をさらに有効的に発揮する方法で、ゲル化剤や増粘剤は利用されている。その方法は、種々の物質で異なるし、分子量、濃度、温度、更にはその取り扱う条件で多様に異なり、統一的理解が困難である。
当講演では、ゲル化剤、増粘剤の種類について、及び多くのゲル化・増粘剤の効果を統一的に理解するための機構を、現象論的にさらには分子的観点から解説する。またそれらを統一的に理解する評価法について講述する。また適宜、上記のことを理解するための基礎的事項についても解り易く解説する。
1.ゲル化剤、増粘剤の分類・多様性
1.1高分子系、天然高分子とその誘導体、合成高分子
1.2無機微粒子系
2.代表的なゲル化・増粘剤の特性
2.1多糖類、単純多糖、複合多糖
2.2セルロース誘導体
2.3デンプン誘導体
2.4キチン・キトサン誘導体
2.5合成高分子
2.6無機系微粒子
3.分子量について
4.ゲル化、増粘機構とその原動力
4.1効果的なゲル化・増粘機構
4.2分子間に作用するいろいろな力・分子間相互作用について
5.粘性の起源
5.1ニュートン流動、非ニュートン流動
5.2粘度の濃度依存性、球形粒子系、非球形粒子系
6.弾性の起源
6.1理想弾性変形、非理想弾性変形
6.2エネルギー弾性とエントロピー弾性
7.ゲル化剤・増粘剤の効果と評価
7.1レオロジーの共通語で理解する
7.2緩和時間とは何か
7.3緩和時間の分布とレオロジー関数
7.4ゲル化・増粘効果と長時間緩和
8.実際のデータの解釈
セルロース系、アルギン酸溶液系、カードラン溶液系、キトサン・キチン誘導体系、その他の系
9.ゲル化・増粘効果を評価する便利な粘弾性測定法
その他、ゲル化・増粘効果を理解するための基礎的事項についての解説
□質疑応答・名刺交換□