2015年05月29日(金)
13:00~16:30
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①力学的視点による植物系天然繊維の剛性発現機構とその信頼性
②力学的視点によるナノ効果
③新しい天然繊維系複合材料の動向
植物系天然繊維を使った複合材料が自動車の内装材等に使われるようになり,最近ではモビリティ全般への活用が検討されている.本セミナーでは,セルロース系天然繊維が優れた機械的性質を発現するメカニズム,その強度信頼性,さらなる特性向上のための力学的・化学的負荷効果について解説する.続いて,ナノセルロースを強化材とする複合材料のナノ効果を力学的視点から徹底解明する.複合化の観点をまったく変えた新しいセルロース系天然繊維複合材料の最新動向についても解説を加える.
1.天然繊維の微視構造と負荷による回転機構
-なぜ,天然繊維は優れた剛性を発現すのか?-
セルロース系天然繊維は素繊維細胞(シングルセル)が多数集まったマルチセルからなる.セルロースの結晶弾性率はガラス繊維を上回るものの,セルロースが束状に集まったシングルセルではその優れた剛性機能が十分生かされない.本章では,シングルセルへの負荷による回転現象に着目し,マルチセル構造をとることにより,剛性が首尾よく発現される機構を解説する.
1.1 セルロース系天然繊維の種類と構造
1.2 膨張による回転とそのメカニズム
1.3 引張負荷による回転の様相
1.4 マルチセル天然繊維の剛性発現機構の解明
2.天然繊維の信頼性
-天然繊維の弾性率はなぜ大きくばらつくのか?-
天然繊維はマルチセル構造をとることにより,優れた剛性が発現される.一方で,従来から指摘されているように,その値は統計的に大きくばらつく.本章では,異方性弾性論を用い,ばらつきが大きく現れる理由について解説する.加えて信頼性工学的観点から,どのようにすればばらつきが抑えられ,剛性に関して信頼できる材料になるかを解説する.
2.1 撚糸弾性率の力学モデル
2.2 FOSM法による信頼性解析
2.3 モデル実験による結果と信頼性工学的考察
2.4 強度のばらつきに対する提案 -人工繊維との比較から-
3.力学的・化学的負荷による天然繊維の強度改善と複合材料への適用
-改善によってガラス繊維強化プラスチック(GFRP)に肉薄できるか?-
セルロース系天然繊維内のセルロースミクロフィブリル(CMF)の構造を再配列させると,強度 ・剛性 が向上する.また,化学処理(マーセル化)によってセルロース系天然繊維は靱性 が改善される.このような繊維単体での改善例とともに複合材料への適用結果について概説する.
3.1 短繊維複合材料の強度・剛性・靭性発現機構の基本原理 -GFRPを例として-
3.2 繰返し引張負荷による天然繊維の強度改善
3.3 単軸または多軸負荷による天然繊維複合材料の強度・剛性改善
3.4 アルカリ処理による天然繊維の靱性改善と複合材料への適用 -引張・衝撃特性-
4.ナノセルロースの力学効果とセルロース系天然繊維複合材料の今後の展望
ナノセルロースを強化材とする複合材料のナノ効果を力学的視点から議論し,その本質性の解明に迫る.また,複合化の観点を根本的に変えた新しい天然繊維複合材料について最新の動向を紹介するとともに,将来展望について考える.
4.1 ナノセルロースを使えば強度・剛性の向上は可能? -そもそもナノ効果とは何か-
4.2 ナノ化しなくても強度・剛性の向上は可能?
4.3 複合化の観点をまったく変えた新しい天然繊維複合材料の台頭
□ 質疑応答 □