~技術シーズ・社会的ニーズから発展する様々なセンシング手法~
~医療分野の知見に学ぶ要求特性とデータ統計エビデンス獲得のコツ~
個々の人間の状態を客観的に認識・評価する手法として、日常における生体データの取得と活用が着目されています。本講演では、近年の生体センシングの動向について述べ、センシングの対象と目的の観点から、非接触・無拘束での生体センシング手法やウェアラブルデバイスを用いた生体センシング手法を中心に、具体的な研究開発事例や活用例を示しながら紹介します。
1.生体センシングのトレンドと技術
1.1 生体センシングの近年の動向
1.2 生体センシングの対象と要求ニーズ
1.3 生体センシング手法–近年研究開発が進むセンシング手法の測定方式と技術-
1.3.1 非接触・無拘束生体センシング
1.3.2 ウェアラブル生体センシング
2.生体センシングの活用事例
2.1 医療・ヘルスケア分野
2.2 スポーツ・フィットネス分野
2.3 産業・業務分野
3.まとめ~今後の展望~
酵素などの生体認識素子をデバイス素子として用いる「バイオセンサ」について、新たなアイデア発想により開発した「ウエアラブルデバイス」、「キャビタス(体腔)センサ」、「生化学式ガスセンサ&探嗅カメラ(イメージング)」さらには「アクチュエータ」、「人工臓器」について紹介し、今後の先制医療への応用も含めて解説する。
1.医療分野におけるバイオセンサの必要性
2.バイオセンサの原理と種類
3.酵素型バイオセンサの測定系
4.性能評価(選択性、定量性、検出限界、寿命、再現性、バラツキなど)
5.近未来のバイオセンサ
6.半導体プロセスを用いたバイオセンサ
7.ウエアラブルバイオセンサ
8.ソフトコンタクトレンズ型バイオセンサ
9.生体適合性材料を用いたバイオセンサ
10.涙液成分計測による非侵襲血糖評価の可能性
11.眼部からの経皮ガス計測
12.生体由来揮発性化学成分の高感度バイオセンシング
13.口臭成分計測用バイオセンサ
14.光ファイバー型バイオセンサ
15.バイオセンサ技術を応用した揮発成分の可視化計測
16.バイオセンサ技術を利用した人工臓器システム
17.自律血糖制御システム(人工すい臓)
我が国は超高齢少子社会を迎え、国民一人ひとりが老後の悲惨を避けるため健康長寿を目指す必要がある。そのためには、自ら生活習慣病を自己管理しなければならないが、生活習慣(Life Style: LS)とその病態(生体情報)を自己評価、自己管理(Self-monitoring,Self-management:SM)しなければならない。本講演では、予防医療の必要性、それに求められる生体情報とLSのウエラブルモニタリング法と自己評価法、これまで開発した新たなウェアラブルセンサとその応用性などについて述べてみたい。
1.生活習慣病予防システムの必要性
1.1 生活習慣病とは
1.2 寝たきりや認知症の実状と健康長寿の必要性
1.3 本邦の人口構成と財政事情
1.4 健康長寿社会創造の重要性
2.生活習慣病予防法(Selfmonitoring/management)
2.1 SOS(S=Salt,O=Obesity,S=Sleep/Stress)戦略
2.2 高血圧と脳卒中、24時間血圧計測法
2.3 新たな血圧計測方法とウエラブル血圧計
2.4 S:減塩自己モニター法
2.5 O:メタボ自己モニター(体重、カロリー消費、血圧データ等)
2.6 S:Sleep/Stressの健康腕時計によるモニター法
2.7 「かながわME-BYO(未病)見える化センター」の活動
3.その他のウェアラブル(アクセサリー)センサや生体センサ
3.1 指環型や上腕型パルスオキシメーター
3.2 ペンダント型や腹巻型心電計
3.3 帽子型脳波筋電計、ヘッドフォン型血流計
3.4 ロコモや認知機能の立位バランス計
3.5 自動採血装置・血液検査
3.6 尿による健康長寿モニター
3.7 健康長寿支援システムとデバイスの要件
3.8 かながわME-BYO(未病)見える化センター
予防医学研究は、ヒトを対象とした研究であり、生体情報を扱う以上、臨床研究や疫学研究と同様に、医療統計学の知識と技術が必要となる。本講演では、生体情報を扱う上で重要な医療統計学的考え方、研究計画の方法、統計解析の方法について解説する。
1.医療統計学はなぜ重要か
2.わかりやすく説明するための記述統計
3.予測し判断するための推測統計
4.生体情報と統計学
5.生体計測につきものの誤差と偏り
6.測定値と正規分布
7.検定と推定
8.一般化線形モデルの基礎
9.一般化線形モデルの応用
10.実験計画法:フィッシャーの3原則
11.実験計画法:サンプルサイズの設計
12.実験計画法:要因実験
13.エビデンスに基づく医療
14.介入研究と観察研究
15.臨床研究の可能性と限界
16.予防医療における医療統計学