2020年代前半の実用化を目指して全固体電池の開発が急速に進展している
本セミナーでは、3名の講師が全固体電池の研究開発動向をそれぞれの立場から語ります
電気自動車の普及に向けて、より安全で信頼性の高い次世代蓄電池の出現が強く望まれている。硫化物型全固体リチウム二次電池は、とりわけ実用化に向けての研究が加速している次世代電池系である。ここでは、まず無機固体電解質を用いた全固体電池の特徴と最近の研究動向について紹介し、結晶、ガラス、ガラスセラミック電解質の電気的性質、機械的性質、大気安定性について説明する。また、リチウムイオン電池を全固体化する際の課題や対策について、固体-固体界面構築やプロセス探索を中心に説明する。さらに、次世代全固体電池としての高容量リチウム-硫黄系全固体電池を紹介し、その将来展望について述べる。
1.はじめに
1.1 無機固体電解質型全固体リチウム電池とは
1.2 全固体リチウム電池の研究動向
2.固体電解質材料
2.1 高リチウムイオン伝導性結晶、ガラス、ガラスセラミックス材料
2.2 硫化物系固体電解質材料の機械的性質
2.3 硫化物系固体電解質材料の大気安定性
3.リチウムイオン電池の全固体化における課題と対策
3.1 活物質-固体電解質界面の構築
3.2 電極活物質に対する固体電解質のコーティング
3.3 硫化物電解質の液相プロセス
4.次世代全固体電池-リチウム-硫黄系全固体電池
4.1 硫黄や硫化リチウムを正極活物質とする全固体電池
4.2 硫黄系高容量正極複合体の創製
5.おわりに ~まとめと展望~
□ 質疑応答 □
安全性、信頼性に優れた全固体型のリチウム電池の実現が期待されている。全固体型電池の性能は固体電解質に強く依存する。本講座では、固体電解質材料の分類や、開発状況について説明した上で、特に高いイオン導電率を示す、Li10GeP2S12系電解質の開発状況および電池への適用例について紹介する。基礎的な合成、評価手法から電池作成の一例を紹介し、全固体リチウム電池の性能や課題について、最新の動向を踏まえて講義する。1.全固体電池とは
1.構成材料の組成分析
1.1 固体電解質の組成分析(RBS/HFS/NRA)
1.2 固体電解質の焼成時の構造解析(in situ測定/ラマン、XRD)
1.3 電極活物質の表面被覆状態分析
2.作製プロセスにおける各種評価
2.1 機械特性評価(弾性率、硬さ)
2.2 細孔径分布評価)水銀圧入法)
2.3 分散状態評価 (SEM,SEM-EDX)
3.安全性評価
3.1 発生ガス分析
3.2 リチウムデンドライド定量分析
□ 質疑応答 □