2020年08月24日(月)
10:30~16:30
Tel:03-5857-4811 E-mail:info@rdsc.co.jp
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33,440円
(本体価格:30,400円)
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1名につき 33440円、2名で49,500円、3名で74250円(左記すべて税込価格)
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※受講券、請求書は、代表者に郵送いたします。
※他の割引は併用できません。
※資料付
視聴方法につきましては、主催者より改めてご連絡させていただきます。
難しい言葉を使用せず若手の技術者や化学に関心が無い方でも分かり易く説明します。
・チャイナプラス2019(広州)、東京モーターショー2019、K2019等の展示会において感じた熱可塑性エラストマーの変化
・熱可塑性エラストマー(TPE:Thermoplastic elastomer)の最新情報及びサンプルの回覧
・自動車を主体とした熱可塑性エラストマーの採用状況
熱可塑性エラストマー(TPE:Thermoplastic Elastomer)とは、加熱すると溶融して再度成形加工が可能な柔らかい樹脂のことである。柔らかいが加熱しても溶融しないため再度成形することができないタイヤの様な架橋ゴムとは区分けされてきた。しかし最近ウレタン系、シリコーン系、アクリル系等で架橋しても柔らかいエラストマーが登場しているため、本講座も熱可塑性エラストマーだけではなくエラストマー全体に広げてセミナーを進めたい。
自動車内装材・住宅・医療・食品包装材・農ビ等には塩化ビニル樹脂に可塑剤を混ぜた軟質塩ビ(塩化ビニール)が用いられてきた。可塑剤にはアレルギー物質として懸念されているオルトフタル酸エステル(Ortho Phtalate)が主に用いられてきたが、最近ではオルトフタル酸エステル以外の可塑剤に代替えが進んでいる。軟質塩ビは低温特性が悪い(硬くなる)ため、耐摩耗性の要求が無い自動車のインストルメントパネルやドアトリムはポリオレフィン系熱可塑性エラストマーに、耐摩耗性が要求されるシート表皮にはウレタン系エラストマー(合成皮革)に代りつつある。
米国カリフォルニア州ではZEV(Zero Emission Vehicle)プログラム、ヨーロッパではCO2排出量規制、中国やインドでは深刻な大気汚染対策のため内燃機関からの脱却(電動化)が進められている。自動車内装材も燃費向上に寄与するため軽量化が重要な観点となっている。
ウレタン系エラストマーは高強度のため薄肉化が可能で,軟質塩ビや本革の約半分の重量で規格をクリアーできる。従来高級車は本革が主流だったが、米国ではPETA(People for the Ethical Treatment of Animals:動物を倫理的扱う)やイギリスではVegan(完全菜食主義者)によるアニマルフリー化の要求が強くなり、電気自動車で知られているテスラーモータースも本革からウレタン系エラストマー製レザーに代えている。
ウレタン系エラストマーは低温特性の改良、軽量化、アニマルフリー化には適しているが、欠点として耐薬品性(特に近年消毒剤として使用されるエタノール)に劣っている。ウレタン系エラストマーに代わる耐薬品性を持つエラストマーとしてシリコーン系、ポリエステル(TPC)系、ポリエステル-シリコーンブレンド系等が新しく登場しているので紹介する(サンプル回覧予定)。
インストルメントパネルやドアトリムの構造は、操作がタッチパネル化されて大きく変化している。インストルメントパネルやドアトリム表皮の構成は、オレフィン系表皮の裏にポリプロピレンの発泡体がラミネートされている。シグナルを表皮に表示できるようにLEDバックライトを透過する事が可能な光透過型ポリプロピレン発泡体も開発されている(サンプル回覧予定)。また中国では無臭で未来感のある内装が要求されている。またカーシェアリング対応として豪華さより汚れ対策や抗ウィルス性が重要になってくる(個人の所有物ではなくなる)。今後自動車内装材がどのような変化をしていくのかを考察しながら熱可塑性エラストマーの未来を考える。
1.はじめに
1.1 展示会情報をもとに熱可塑性エラストマーのトレンドを紹介する
1.2 人や環境への配慮
ReachやRoHS規制に呼応してOEKO-TEX等業界団体が自主規制を設けている。塩素・臭素等のハロゲンフリー、
VOC(ボラタルオーガニックコンパウンズ)・SVOC(セミボラタルオーガニックコンパウンズ)の低減、臭いの
低減、軽量化、アニマルフリー化が進んでいる状況を把握する
2.熱可塑性エラストマー概要
2.1 軟質塩ビ
2.2 オレフィン系(TPV、p-TPV、r-TPO、POEs)
2.3 スチレン系(SBS、SEBS、SIS、SEPS)
2.4 ウレタン系(TPU)
2.5 ポリエステル系(TPC)
2.6 シリコーン系(TPSi)
3.自動車内装材(熱可塑性エラストマーの主用途である)
3.1 自動車・部品メーカーの最新動向
3.2 内装表皮材メーカーの動向:中国では塩ビからTPOへシフトしている
3.3 成形工法:射出成形、インモールドグレイニング(IMG)、その他新成形工法
3.4 IP(インストルメントパネル)、ドアパネルのTPO化
3.4.1 工程概要:
配合 (安定剤処方等)、フィルム成形(押出機、カレンダー成形)、表面活性化処理(コロナ、プラズマ)、
表面処理(表面処理剤と処理機の選定/水性化)、絞押(本革調の緻密な外観)
3.4.2 TPOへの電子線照射技術
3.4.3 電子線架橋ポリプロピレン発泡体製造技術
3.4.4 TPO以外のソフトマテリアル:
PUスプレー、PVCスプレー、ウレタンビーズスラッシュ、PU-RIM、SEBS(射出成形)
3.5 座席(シートカバー)
3.5.1 本革の問題点 : クロムなめし、臭い、重い、アニマル
3.5.2 塩ビ系:カレンダー法、キャスティング法
3.5.3 ウレタン系
3.5.4 ポリエステル系、シリコーン系
3.5.5 ブルージーンズ汚染改良技術
3.5.6 難燃化技術 : ハロゲンフリー、アンチモンフリー
3.6 自動車外装材
3.6.1 塗装レス→フィルム化→機能付与
3.6.2 チッピング傷防止フィルム 自己修復塗料
3.6.3 バンパー、LEDヘッドランプ等 その他
4.住宅
4.1 家具
4.2 軟質塩ビ壁紙はフリースに変化 印刷はインクジェットプリンターへ
4.3 床材:海外では主流のインレイド構造
4.4 住宅窓枠
5.医療
中国・ヨーロッパではシリコー系やスチレン系エラストマー製輸血バッグやチューブの増加
6.電器電子
塩素フリーが顕著に進んでいる
7.今後の展開
熱可塑性エラストマーの今後
□ 質疑応答 □