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「いいものを作ったのに売れない」…このような疑問をよく耳にします。本当に「いいもの」とは何でしょうか? 「いいもの」=「売れるもの」なのでしょうか? 本講演では、このような疑問に一つの可能性を提示したいと思っています。
人が商品を購入する際には、最初に購入に対する欲求が生じ、次に商品を認知し、それからその商品を手に入れるメリット・デメリットを判断し、最終的にその商品を購入するかどうかを決定するというプロセスが生じます。これらのプロセスについて、これまでマーケティングや経済学、社会心理学などの領域でそれぞれバラバラに研究されてきました。しかしながら、近年はこれらの社会科学の知見は、脳科学や心理学という自然科学的知識で概観し、予測を立てることが可能であると考えられるようになっています。
この講演では、これまでバラバラにおこなわれてきた研究領域の知見を「購買行動」に焦点を当て、一つにまとめた形で説明します。
Ⅰ.人間の認知システム
1.ヒトがおいしさを感じるメカニズム
2.ヒトの購買行動 人は何を買うのか?
① ニーズに基づく購買行動 ⇒ 「何か足りない,不満」
② ウォンツに基づく購買行動 ⇒ 「欲しい,~したい」
③ 感情に基づく購買行動 ⇒ 「好き,幸せ」
3.消費行動と動機づけ
4.葛藤
5.幸せの心理学
Ⅱ.商品認知の科学
1.食品の場合:
① 共感覚とは?
②【味覚】・【味】・【あじ】の違い
③ 味覚と嗅覚の相互作用
④ 視覚の影響
⑤ 食経験とおいしさの記憶
2.生活用品の場合:
① 五感の相互作用
② 過去の使用感と記憶
Ⅲ.ブランドイメージと脳
1.「ブランド」の魔力:先入観の脳メカニズム
① コーラのブランド力
② パッケージとおいしさ評価
③ 口コミ情報とおいしさ評価
2.ボトムアップとトップダウン:思わず「おいしい」と思ってしまう仕組み
Ⅳ.消費者心理の理解
1.選択に至る思考メカニズム:購入の決断と とりやめ
2.後悔しない(させない)ブランドとは
3.保有効果と認知的不協和:「これまで使っていたから良い,高いから良い」という心理
Ⅴ.まとめ