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「疲労」は身体的・精神的負荷により身体の機能が低下した状態であり、疲労回復に対する社会的要望は強いものがある。しかし、薬物で疲労感を消去する方法は危険であり、疲労しにくい体質を作る(抗疲労)、あるいは疲労した状態からできるだけ早く回復するのがより望ましい。
疲労回復に効く食品は民間伝承的なものを含めて様々存在するが、科学的証拠に基づいたものは少なく、疲労に著効を持つ食品を開発できれば、大きなインパクトを与えることができるだろう。
本講では、動物実験の結果を中心に疲労負荷と疲労度測定の方法について詳しく解説した後、抗疲労・疲労回復効果を持つ食品の開発のヒントや商品開発において障害となるような問題点について述べる。疲労度測定では、動物の行動する意欲の大きさを測定することで疲労度を評価する新たな手法を紹介する。また、中枢性疲労(=疲労感)の発生に関与すると考えられる脳内物質と、それが疲労負荷の大きさ毎に役割分担されている可能性について紹介する。
Ⅰ.疲労とは
1.定義
① 肉体的疲労と精神的疲労
肉体的疲労と精神的疲労は実際には
不可分であるが・・・
2.疲労の発生機構
① 運動による疲労
乳酸は疲労物質か、疲労メディエータか・・・
貯蔵エネルギー源の枯渇が及ぼす影響
② ストレスによる疲労
ストレスはどのように疲労感を生成するか。
脳内辺縁系の関与
③ 疲労感発生に関与する脳内機構
脳内報酬系、サイトカイン、CRF・・・各種の仮説
3.実験的疲労の作成方法
① 運動負荷
遊泳、走行・・・
② 環境負荷
暑熱・寒冷、紫外線、水浸 etc.
③ 精神的ストレス
a.コミュニケーションボックス
b.断眠
c.社会的ストレスなど
d.コントロールできるストレス?・・・
④ 疑似感染
疾病時の疲労感
Ⅱ.疲労の測定方法
1.ヒトでの疲労度測定
2.実験動物での疲労度測定
① 運動能力によるもの
最大運動能力
② 意欲を測定するもの
自発行動・運動、脳内自己刺激・・・
Ⅲ.抗疲労・疲労回復食品の開発
1.標的
① 末梢組織 — 肝臓、骨格筋・・・
② 中枢神経系?
2.抗疲労効果の評価
① 肉体的負荷の反復 (トレーニング耐性?)
② 心理的負荷の反復
3.疲労回復効果の評価
① 消耗からの回復
4.2つ、3つの食品(成分)候補
※テキストにはパワーポイントのカラーコピーをテキストとして配布(300スライド以上)