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情報化社会において、「画像」というメディアはますます注目されるようになっている。計算機に人間のような極めて柔軟かつ信頼性の高い画像処理・認識・理解を行わせるためには、人間の持つ視覚情報処理能力と学習能力や適応能力などを融合した、新しい画像処理法が必要である。
本セミナーでは、近年新しい多次元信号解析法として注目されている独立成分分析法(ICA)を用いたパターン認識と画像処理について解説する。ICAは、独立な信号が重なり合った混合信号をいくつかの異なる条件で観測し、それを基に独立な原信号を分離する問題として定式化される。一方、ICAを用いて画像から互いに独立に発生する特徴などを抽出することによって、画像を効率良く表現することができる。また、従来のフーリエ変換やwavelet変換などに比べると、画像に適した基底関数を抽出できるので、柔軟かつ信頼性の高い画像処理・認識・理解ができる。
1 線形変換によるパターン認識と画像処理
2 主成分分析(PCA)
2.1 PCAの定式化と解法
2.2 PCAによる感性データの分析例とMATLABシミュレーション
3 独立成分分析(ICA)
3.1 ICAの定式化
3.2 独立性の評価基準と解法
3.2.1 Amari’s algorithm
3.2.2 Sejnowski’s algorithm
3.2.3 Hyvarinene’s fixed point algorithm
3.3 ICAとPCAとの比較
3.4 ICAによる音声の分離例とMATLABシミュレーション
4 ICAを用いた画像特徴抽出とモデリング
4.1 画像特徴抽出のモデル
4.2 自然画像の基底抽出とMATLABシミュレーション
4.3 顔画像の表現とMATLABシミュレーション
5 パターン認識・画像処理への応用
5.1 顔認識とMATLABシミュレーション
5.2 反射光の除去とMATLABシミュレーション
5.3 カラー特徴量に基づく画像検索とMATLABシミュレーション
5.4 ICA Shrinkageフィルタによるノイズの除去とMATLABシミュレーション
6 非線形化
6.1 カーネルPCA
6.2 カーネルICA