★今後普及拡大が期待される陸上養殖について現状と展望を詳述!
★循環・濾過システム、照明・設備から、鮮度を保つ技術、実際の養殖事例まで網羅!
★次世代型養殖産業とスマート水産の動向と展望を徹底解説!

陸上養殖の最新動向
The Latest Trends in the Technology of Recirculating Aquaculture

商品概要
個数

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略称
陸上養殖
商品No
bk7723
発刊日
2019年08月06日(火)
ISBN
978-4-7813-1431-0
体裁
B5判、266ページ
価格
60,500円 (本体価格:55,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
(株)シーエムシー出版
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:info@rdsc.co.jp 問い合わせフォーム
監修
遠藤雅人
著者
遠藤雅人 東京海洋大学
増田篤稔 玉川大学
森田哲男 (国研)水産研究・教育機構
山本義久 (国研)水産研究・教育機構
杉田治男 日本大学
那須一男 ㈱ピーエムティー
延東 真 東京海洋大学名誉教授;㈱ウイズアクア;㈱プレスカ
山口太一 千葉科学大学
高橋明義 北里大学
清水大輔 (国研)水産研究・教育機構
水澤寛太 北里大学
大森道生 日建リース工業㈱
万力悠人 ㈱ウーオ
秋山信彦 東海大学
中村謙治 エスペックミック㈱
河田幸視 近畿大学
深田哲司 ㈱飛騨海洋科学研究所
大平 剛 神奈川大学
野原節雄 IMT エンジニアリング㈱
発刊にあたって
陸上養殖は,養殖生産の多様化を広げる一つの方法として期待されている。特に水質汚濁物質を直接排出せずに管理でき,安定した環境で養殖生産が可能であることから,生産者の安全性確保や高効率での生産が可能であり,水産養殖が長年抱えていた複数の問題を解決できる可能性を秘めている。しかしながら,施設の建設費や生産の際に利用されるエネルギー等のコストが高いことも事実である。採算性の観点からは生産性の向上やコストの削減に資する技術の開発がこれまでも行われてきており,今後も必要となると考えられる。また,ニーズの高い養殖生産物の生産や嗜好品としての高級食材の生産とブランド化など水産食品の流通・消費の観点からのアプローチも必要不可欠となる。植物工場をはじめとする施設型の食料生産は,環境制御や自動化の面での技術が成熟しつつあり,この波を受けて日本における陸上養殖は最近になって産業化が少しずつ進んできている。この点で,陸上養殖は水産養殖の中でもさまざまな異業種連携が容易に行うことができ,新たな技術開発や生産拡大も期待されている。このような新たな流れはこれまでの養殖業の問題点を抽出し,その解決にもつながっていくと考えられる。

本書は陸上養殖の学術研究や産業界の実例における最新の動向について幅広い内容で学術・産業界から執筆者を募り,取りまとめたものである。水産業界は基より,養殖業界への新規参入や異分野技術の応用を検討している企業の方々,魚介類の飼育や養殖に興味のある学生・生徒の皆さんに指南書として読んでいただければ幸いである。

遠藤雅人
(本書「巻頭言」より抜粋)
書籍の内容
【第Ⅰ編 総論 循環養殖システムの開発と展望】
第1 章  陸上養殖の現状と展望(メリット・デメリット,有望魚種,今後の方向性)
1 はじめに
2 メリット・デメリット
2.1 陸上養殖の特性
2.2 環境制御
2.2.1 塩分制御
2.2.2 光制御
2.2.3 塩分と光の組み合わせによる成長促進
2.3 環境汚染防止
2.4 食の安全
2.5 イニシャルコスト・ランニングコスト
2.5.1 養殖ユニット
2.5.2 生産シミュレーション
2.5.3 生産コスト
2.5.4 調温エネルギーのシミュレーション
3 陸上養殖産業の現状
3.1 海外での陸上養殖
3.2 日本での陸上養殖
4 有望種
5 今後の展望

第2 章  陸上養殖における部分機能と全体システム計算に関する解説とアワビに関する研究実験等の紹介
1 背景
2 陸上養殖の暫定的な定義と水産業での慣習
3 陸上養殖システムの設計方法の提言
3.1 養殖水槽における物質収支
4 養殖で用いられる具体的な数量について
4.1 塩分
4.2 水温
4.3 溶存酸素
4.4 成長速度式
4.5 生態資料
4.6 その他の必要な項目
5 陸上養殖設備でのヒラメを用いたシミュレーションの事例紹介
5.1 ヒラメのシミュレーションに必要な式
5.2 計算ソフトによるシミュレーションの行い方
5.2.1 計算の前提条件
5.2.2 計算事例
5.2.3 シミュレーションにおける陸上養殖システムの検討
5.2.4 事前実験のすすめ
6 アワビ養殖関連の事例紹介
6.1 種苗初期における人工海水使用の報告
6.2 発泡ガラス素材のろ過材性能研究報告
6.3 夏期時の高水温における影響ならびに水温コントール下での中間育成の報告

第3 章 種苗生産技術と生物餌料培養
1 種苗生産技術
2 生物餌料培養

第4章 アクアポニックスの歴史と現状
1 はじめに
2 歴史
3 原理・管理手法
4 三大目的
5 生物種
6現状
6.1 世界のアクアポニックス
6.2 日本のアクアポニックス
7 アクアポニックスの応用と新たな取り組み
7.1 メキシコ南バハカリフォルニア州の事例
7.2 クエ廃水で海ぶどうが育つ
7.3 クルマエビの種苗生産
7.4 植物工場への導入に向けた提言
8 今後の課題と展望

第5章 陸上養殖の自動化技術
1 はじめに
2 計測技術
3 給餌
4 水質調整
5 換水・固形物除去・掃除
6 研究事例
7 IoT・AI技術の応用と飼育の最適化
8 今後の展望

【第Ⅱ編 循環水と濾過システムの開発】
第6 章 養殖環境における硝化微生物の役割
1 はじめに
2 飼育環境における窒素化合物の動態と毒性
3 循環濾過式施設
4 硝化微生物の構成
5 硝化活性に及ぼす環境要因の影響pH
6 硝化活性に及ぼす薬剤の影響
7 今後の展望

第7 章 Nano Cubic 処理方法と陸上養殖への応用
1 はじめに
2 魚病対策と成長促進の背景と目的
3 従来技術と課題
4 Nano Cubic 技術の進化
4.1 RDS 溶解器の原理と特徴について
4.2 UV 光触媒処理の原理と特徴について
4.3 UV キャビテーションバブルによるオゾン水生成原理と特徴について
4.4 低酸素シャーベットの製造・濃縮と特徴について
4.5 スラリーアイスの特徴について
4.5.1 冷却速度が速い
4.5.2 最適温度(チルド状態)で冷却保存できる
4.5.3 魚体に優しい
4.6 低酸素シャーベット特徴について
4.6.1 K 値の低下が低い
4.6.2 魚体のPH が低い
4.6.3 一般生菌魚体が低下
5 まとめ

第8 章  間欠ろ過式好気的脱窒装置を用いた完全閉鎖循環式陸上養殖
1 完全閉鎖循環式陸上養殖の定義
2 間欠ろ過式好気的脱窒装置と完全閉鎖循環式陸上養殖
2.1 間欠ろ過器と好気的脱窒反応
2.2 装置内での好気的脱窒と自然界の好気的脱窒
2.3 間欠ろ過式好気的脱窒装置の特徴・能力と完全閉鎖循環式陸上養殖システム
3 完全閉鎖循環式陸上養殖システムの応用
3.1 魚介類に対する硝酸毒性の再評価と飼育管理
3.2 海産無脊椎動物の完全閉鎖循環式陸上養殖とアクアポニクスの試み
3.3 完全閉鎖循環式陸上養殖の教育・研究分野,産業界への貢献
3.4 食品排水や畜産排水処理への応用
4 まとめ

第9 章 循環システムのノウハウ
1 はじめに
2 養殖水槽
2.1 ふ化・種苗生産用
2.2 蓄養用
3 各機器
3.1 循環ポンプ
3.2 ヒーター,クーラー
3.3 ろ過槽
3.4 浸漬ろ過
3.5 散水ろ過
3.6 ドラムフィルター
3.7 逆ろ過
4 泡沫分離器(プロテインスキマー)
5 脱窒
5.1 脱窒槽
5.2 植物による吸収
6 水質のモニタリング
7 各システム
7.1 開放型システム
7.2 閉鎖型システム

【第Ⅲ編 LED照明・設備の開発】
第10 章 カレイ類陸上養殖へのLED 照明の応用
1 はじめに
2 光環境と魚類の体色~緑色光照射への基礎
2.1 成長・摂食と視床下部のはたらき
2.2 魚類の体色と成長4
2.3 光環境とマツカワの成長
2.3.1 背地色
2.3.2 フィルター透過光とマツカワの成長
2.3.3 LED 光とマツカワの成長
3 緑色光によるホシガレイの成長
3.1 ホシガレイの成長に対する有彩色光の効果
3.2 緑色LED 光を用いるホシガレイの中間育成
3.2.1 流水飼育での効果
3.2.2 閉鎖循環システムでの効果
3.2.3 コスト削減効果
4 まとめと展望

【第Ⅳ編 鮮度とおいしさを維持する技術】
第11 章  鮮度とおいしさを維持する技術「鮮度を保つトレーサビリティ活魚輸送用コンテナ」について
1  魚活ボックスが拓く究極の鮮度流通システム「ライブチェーン」:魚活ボックスの開発
2 レンタルが切り開く流通革命
3 魚価を高める活魚流通「ライブチェーン」
4 ライブチェーン網と地域創生

第12 章  産地と中央市場をつなぐEC プラットフォーム『UUUO(ウーオ)』
1 株式会社ウーオ
2 設立の背景
3 ウーオが考える,水産流通の現状と課題
3.1 水産業の流通経路
4 ウーオのビジネスと他社ビジネスの比較
4.1 飲食店向けの水産マーケットプレイス運営企業
4.2 鮮魚BOX
5 ウーオのサービス内容と実現したい世界
5.1 サービス内容
5.2 ウーオを利用している小売店様からの声
5.3 実現したい世界

【第Ⅴ編 実際の養殖事例】
第13 章 地下海水を利用した陸上養殖
1 はじめに
2 三保半島の地下海水を利用した養殖
2.1 ヒラメの養殖
2.2 サーモン類の養殖
2.3 クロマグロの養殖
2.4 カワハギの養殖
2.5 アワビの養殖
3 おわりに

第14 章  植物工場からアクアポニックスへのアプローチ
1 はじめに
2 植物工場の国内の現状
3 植物工場・陸上養殖共通の課題
4 アクアポニックスの取組み事例
4.1 ティラピアとトマト栽培のアクアポニックス
4.2 コイと水なす栽培のアクアポニックス
4.3 ドジョウとレタスのアクアポニックス
4.4 クエとアイスプラントのアクアポニックス
5 今後の新たなアクアポニックスの展開と展望

第15 章 閉鎖循環式陸上養殖を用いた飛騨とらふぐ
1 はじめに
2 トラフグの養殖
3 飛騨とらふぐの概史
4 養殖プラント
5 飼育水・餌
6 成長・生残
7 加工・流通
8 消費
9 地域への効果

第16 章  クルマエビの性統御技術の開発に向けた基礎研究
1 はじめに
2 オカダンゴムシの造雄腺と造雄腺ホルモン
3 クルマエビの造雄腺と造雄腺ホルモン
4 クルマエビの性統御技術を確立するまでの課題
5 おわりに

第17 章 実際の養殖事例―バナメイの陸上養殖―
1 はじめに
2 水質管理
3 育成を支える水質条件
3.1 水温(推奨値:28℃)
3.2  溶存酸素(DO):推奨値:6.5~8 ppm
3.3  pH-KH(アルカリ度)-CO2 の関係
3.3.1  pH 推奨値:6.8~7.8
3.3.2 アルカリ度
3.3.3 溶存二酸化炭素
3.4 塩分
3.5 生物濾過槽の原理:バイオフィルトレーション
3.5.1 アンモニア
3.5.2 亜硝酸
3.5.3 硝酸
4 おわりに

【第Ⅵ編 養殖産業の現状と将来】
第18 章 日本の水産業(漁業・養殖業)の現状
1 国内の水産物消費の動向
2 日本国内の水産物の生産・供給動向
2.1 日本国内の漁業・養殖業の生産量および産出額
2.2 日本の水産物の輸出入の動向
2.2.1 水産物輸入の動向
2.2.2 水産物輸出の動向
2.2.3 日本における水産物の自給率
3 世界の漁業および養殖業の生産量
4 日本の水産業の課題
4.1 漁船漁業生産量の大幅な減少と漁業者の減少・高齢化
4.2 乱獲と不十分な資源管理による資源の枯渇
4.3 漁業経営規模の零細化
4.4 消費者の魚離れの進行

第19 章 水産物の輸出強化施策と養殖産業の動向
1 日本における水産物の輸出強化施策
1.1 国内生産体制の整備
1.2 市場の拡大
1.3 輸出先国・地域の規制・ニーズに応じた輸出環境の整備
1.4 水産エコラベル
2 養殖産業の動向
2.1 養殖事業の動向
2.2 養殖ビジネスの手法
2.3 次世代型養殖技術
2.4 国内養殖業の課題

第20 章 次世代型養殖技術の動向
1 陸上養殖
1.1 海面養殖と陸上養殖の相違点
1.2 陸上養殖の方式
1.2.1 かけ流し方式
1.2.2 閉鎖循環式
1.3 養殖ビジネス参入企業の動向
1.3.1 日本水産
1.3.2 マルハニチロ
1.3.3 キッツ
1.3.4 FRD ジャパン
1.3.5 双日
1.3.6 夢創造
1.3.7 甲州トラフグ組合
1.3.8 フジキン
1.3.9 IMT エンジニアリング
1.3.10 JR 西日本
1.3.11 ウニノミクス
1.3.12 にほん海洋牧場
1.3.13 丸福水産
1.3.14 美深振興公社
1.3.15 近畿大学
1.3.16 KDDI
1.3.17 富士通
1.3.18 その他の陸上養殖事業の状況
2 スマート水産業
2.1 スマート水産業の概要
2.1.1 沖合・遠洋漁業のスマート化の取り組み
2.1.2 沿岸漁業のスマート化の取り組み
2.1.3 養殖業のスマート化の取り組み
2.1.4 その他の施策
2.2 スマート水産業の開発に取り組む民間企業
2.2.1 NTT ドコモ
2.2.2 KDDI
2.2.3 NEC
2.2.4 ウミトロン
2.2.5 オプティム
2.2.6 アンデックス
3 低魚粉配合飼料の生産
3.1 低魚粉配合飼料生産の概要
3.2 低魚粉配合飼料開発へ向けた主要企業の取り組み
3.2.1 中部飼料
3.2.2 日清丸紅飼料
3.2.3 フィード・ワン
3.2.4 日本水産
3.2.5 マルハニチロ/林兼産業
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