★水素と二酸化炭素を反応させ,天然ガスの主成分であるメタンを合成する「メタネーション」!
★再生可能エネルギー由来の電気を使い,水を電気分解して得られる「グリーン水素」!
★カーボンニュートラルの実現に向けて鍵となる「メタネーション」と「グリーン水素」について丁寧に解説した一冊!

メタネーションとグリーン水素の最新動向
Recent Trends in Methanation and Green Hydrogen

商品概要
個数

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略称
メタネーション
商品No
bk7902
発刊日
2023年10月31日(火)
ISBN
978-4-7813-1754-0
体裁
B5判、234ページ
価格
61,600円 (本体価格:56,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
(株)シーエムシー出版
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:info@rdsc.co.jp 問い合わせフォーム
監修
関根 泰
著者
関根 泰  早稲田大学
秋元圭吾  (公財)地球環境産業技術研究機構
野口隆浩  (一社)日本ガス協会
中村真季  名古屋大学
福本一生  中国科学技術大学
則永行庸  名古屋大学
髙橋 陽  伊藤忠セラテック(株)
阿部祥忠  あいち産業科学技術総合センター
泉 康雄  千葉大学
多湖輝興  東京工業大学
鎌田博之  (株)IHI
若山 樹  (株)INPEX
吉原 弘  (株)INPEX
丸田 妙  (株)INPEX
宮本広樹  (株)INPEX
田中浩之  (株)INPEX
大西久男  大阪ガス(株)
阪井 敦  (株)KRI
古崎康哲  大阪工業大学
川野 誠  横河電機(株)  
木村浩之  静岡大学
山登正文  東京都立大学
川上浩良  東京都立大学
兼橋真二  東京農工大学
野村幹弘  芝浦工業大学
石井克典  (国研)日本原子力研究開発機構
佐藤友哉  芝浦工業大学
山田秀尚  金沢大学
古山通久  信州大学;(株)X-Scientia
坪ノ内優太 新潟大学
ザキ ザハラン 新潟大学
八木政行  新潟大学
坂田 興  (一財)エネルギー総合工学研究所
松澤幸一  横浜国立大学
仮屋夏樹  みずほリサーチ&テクノロジーズ(株)
米田雅一  みずほリサーチ&テクノロジーズ(株)
奈良悠里  東京都立大学
田中 学  東京都立大学
森田敬愛  敬愛技術士事務所
松本広重  九州大学
長田憲和  東芝エネルギーシステムズ(株)
発刊にあたって
 皆さんの日々の暮らしを支えているエネルギーは,主に電力とガスとガソリンの3 つであろう。このうちガスについては,都市部では都市ガスが,それ以外の地域ではLPG が用いられている。家庭では都市ガスは給湯・調理,場合によってはエネファームや床暖房でも用いられている。またガスは発電においても大規模に利用され,日本の電力の1/3 は天然ガスによる火力発電である。このように日々の暮らしを支えるガスについて,カーボンニュートラルな未来を考えた場合には,各種機関の燃焼で排出される二酸化炭素を,再生可能エネルギー水素により水素化してメタンにして用いることは一つの大きな選択肢となる。また,再生可能エネルギー由来のグリーン水素をそのまま用いることも別の選択肢となりうる。このような状況を背景として,現在大量に用いられている天然ガス(主成分はメタン)を回収二酸化炭素とグリーン水素から創り出す技術,ならびにグリーン水素を創り使う技術,について俯瞰しておくことは重要なものとなるであろう。
 現在,国のカーボンニュートラルに向けた動きとして,グリーンイノベーション基金が2021年より動き始めた。この中で,すでに2020 年末に定めたグリーン成長戦略に基づいて,グリーン水素の製造・利用,ならびにカーボンニュートラルメタンの合成も大きく取り上げられている。これら2 つのガス燃料は,用いられる局面は異なり,適材適所で効率よく用いられていくことが期待される。この分野は,基礎研究による革新的な合成手法と,ある程度成熟しつつある既存の手法の大規模高効率化がそれぞれ進められていくであろう。
 こういった中で,本書が次世代のカーボンニュートラルに資するガス燃料,カーボンニュートラルメタンとグリーン水素について考える一助となれば幸いである。

早稲田大学
関根 泰
書籍の内容

【第Ⅰ編 メタネーション】
第1章 メタネーション技術を取り巻く最新動向
1 メタネーションに関する動向と長期的な脱炭素社会を目指したシナリオ下での役割の分析
1.1 はじめに
1.2 e‒methaneのカーボンニュートラル性とCO2の帰属
1.2.1 e‒methaneのカーボンニュートラル性
1.2.2 e‒methaneのCO2帰属問題
1.3 e‒methaneのカーボンニュートラル実現への経済性
1.4 e‒methaneの技術開発動向
1.5 e‒methaneの制度的検討・導入の動向
1.5.1 グリーンイノベーション(GI)基金による研究開発補助
1.5.2 GX実現に向けた基本方針
1.5.3 日本政府における制度関連の検討 
1.5.4 海外での制度設計,導入
1.6 おわりに
2 e‒methane(合成メタン)を切り札とした都市ガス業界のカーボンニュートラル化への取組み
2.1 都市ガス業界のカーボンニュートラル化への取組み
2.2 e‒methaneの社会実装に向けた技術開発の取組み
2.3 海外サプライチェーンの構築
2.4 我が国のエネルギー環境政策におけるe‒methaneの位置づけ
2.5 e‒methaneの社会実装に向けた制度的課題と対応

第2章 触媒によるCO2のメタン化
1 メタネーション―固定床触媒反応器の反応・伝熱・流動を考慮した数値流体力学シミュレーション―
1.1 はじめに
1.2 メタネーション反応速度の測定
1.3 メタネーション反応速度モデルとパラメーターの推定
1.4 メタネーション反応器の反応・流動・伝熱数値解析の手法
1.5 メタネーション反応器の反応・流動・伝熱数値解析の結果
1.6 おわりに
2 CO2メタン化触媒における担体効果の検討
2.1 緒言
2.2 担体の構造と役割
2.3 担体構造の違いによる反応の相違
2.4 触媒気孔径相違による反応の違いについて
2.4.1 使用担体
2.4.2 触媒調整法
2.4.3 メタネーション評価装置概略
2.4.4 調製触媒
2.4.5 メタネーション性能評価
2.4.6 メタネーション後の触媒評価結果
2.5 実製品に於ける適応事例
3 ニッケル光触媒を用いた二酸化炭素のメタンへの還元
3.1 本研究の背景
3.2 13CO2から13COを光生成
3.3 13CO2から13CH4を光生成
3.4 13CO2から13CH4の光生成を分光法で追跡する
3.5 密度汎関数計算で光反応過程を探る
3.6 水を還元剤としても13CO2から13CH4が光生成した
3.7 今後の展望
4 低温での二酸化炭素転換によるメタン合成(サバティエ反応)
4.1 はじめに
4.2 低温での二酸化炭素転換によるメタン化
4.3 電場中サバティエ反応の結果
4.4 電場中サバティエ反応の表面反応種と活性サイト
4.5 電場中サバティエ反応の安定性
4.6 まとめ
5 CO2水素化反応の平衡論的考察とメタン合成
5.1 はじめに
5.2 CO2水素化における熱力学的考察
5.3 メタン合成プロセス
5.4 まとめ

第3章 企業の取り組み
1 CO2 メタネーションによるカーボンニュートラルメタン(CNM)の製造と実装に向けた課題
1.1 はじめに
1.2 メタネーションによる合成メタンの活用
1.3 メタネーションによる合成メタン製造技術の概要
1.3.1 メタネーション触媒
1.3.2 メタネーションによる合成メタン製造プロセス
1.3.3 メタネーションによる合成メタン製造プラントの概要
1.4 実装のための課題と今後の展開
1.5 まとめ
2 CO2メタネーション技術の開発状況と事業化展望
2.1 はじめに
2.2 企業における技術開発等の状況
2.2.1 国内状況
2.2.2 国外状況
2.3 INPEXの技術開発状況
2.3.1 NEDO-CO2有効利用可能性調査事業
2.3.2 NEDO-CO2有効利用技術開発事業
2.3.3 NEDO-CO2排出削減・有効利用技術開発事業
2.4 事業化展望
2.5 おわりに
3 SOEC メタネーション技術革新によるe‒methane低コスト製造への挑戦
3.1 はじめに 
3.2 「カーボンニュートラル」を目指す背景とその本質
3.3 グリーン水素とe‒methane(合成メタン)の製造・利用サイクル,CO2削減効果の比較
3.4 SOECメタネーション技術の概要と特長
3.5 SOECメタネーション技術革新に関する大阪ガスの取組み
3.6 グリーンイノベーション基金事業による技術革新の推進と今後の展開                          
4 実験室規模のメタネーション設備のプロセス設計
4.1 はじめに
4.2 現場規模プロセスのスケールダウン
4.3 実験室規模のシミュレーションフロー
4.4 実験室設備の設計
4.4.1 反応器容量
4.4.2 反応器の除熱
4.4.3 原料ガスの加熱
4.4.4 反応ガス冷却器
4.4.5 その他機器・計器
4.4.6 反応器スケルトンとフローシート
4.5 実験室設備によるデータ取得
4.6 さいごに

第4章 バイオメタネーション
1 バイオメタネーションによる消化ガスの高濃度メタン化
1.1 バイオメタネーションとは
1.1.1 メタネーション反応
1.1.2 バイオメタネーションとは
1.1.3 バイオメタネーション反応を行う微生物
1.2 バイオメタネーションシステム
1.2.1 バイオメタネーションシステム
1.2.2 バイオメタネーションの研究開発動向
1.2.3 下水処理場の嫌気性消化との組み合わせ
1.3 バイオメタネーションの性能向上因子
1.3.1 水素溶解効率
1.3.2 ガス滞留時間と混合特性
1.4 ラボスケールでの実験例
1.4.1 実験方法
1.4.2 実験結果
1.5 まとめ
2 微生物的メタネーション
2.1 はじめに
2.2 CO2削減に向けた取り組み
2.2.1 CCUS
2.2.2 CCU
2.3 CO2のメタン化技術(メタネーション)
2.4 メタン生成リアクターの開発
2.4.1 リアクターの概要
2.4.2 微生物によるメタン生成
2.4.3 温泉水とそこに含まれる微生物群集を用いたメタン生成
2.4.4 微生物群集がメタン生成に与える影響
2.5 おわりに

第5章 CO2分離回収技術
1 ナノスペースを利用した超高CO2透過分離膜の開発
1.1 はじめに
1.2 高分子膜を用いたCO2分離・回収プロセス
1.2.1 CO2分離・回収プロセス
1.2.2 期待される高分子気体分離膜とその限界
1.2.3 Mixed Matrix Membrane(MMM)
1.3 ナノスペースを有する球状ナノ粒子添加による超高CO2透過高分子気体分離膜
1.3.1 ナノスペース
1.3.2 ナノスペースを有する複合気体分離膜の気体透過特性
1.3.3 ナノスペースを有する複合気体分離膜の構造
1.4 さらなる気体透過特性改善に向けた取り組み
1.4.1 パールネックレス型粒子(PNP)
1.4.2 パールネックレス型粒子添加複合膜の気体透過特性
1.4.3 ナノスペース拡大による効果
1.4.4 薄膜対応次世代MMM
1.5 まとめ
2 高分子ハイブリッド材料によるCO2分離回収
2.1 はじめに
2.2 高分子分離膜
2.3 高分子コンポジット分離膜(MMM)
2.3.1 MMMの作製と課題
2.3.2 MMMの気体透過性と分離性
2.3.3 実ガスを想定した混合ガス用いたMMMの気体透過性と分離性
2.4 まとめ
3 シリカ系膜による二酸化炭素分離と膜反応器による二酸化炭素資源化の可能性
3.1 はじめに
3.2 シリカ膜
3.2.1 CVDシリカ系膜の二酸化炭素分離
3.3 二酸化炭素膜反応器
3.4 おわりに
4 大気中からのCO2直接回収技術
4.1 はじめに
4.2 DAC技術の概要
4.3 DAC技術の先行開発事例
4.4 DACに用いる分離回収材料
4.5 DACのライフサイクルアセスメント
4.6 DACとメタネーションの統合
4.7 おわりに
     
【第Ⅱ編 グリーン水素】
第6章 グリーン水素製造を取り巻く最新動向
1 カーボンニュートラルに向けたグリーン水素の役割と早期社会実装
~再生可能エネルギーからの経済合理的な低コスト水素製造の実現に向けて~
1.1 はじめに
1.2 グリーン水素製造のポテンシャル
1.3 国内グリーン水素の可能性
1.4 水素・燃料電池の普及の現況
1.5 研究開発・事業参入の視点
1.5.1 事業性成立のための研究開発の視点
1.5.2 事業参入の視点
2 グリーン水素製造技術の基礎と開発の最前線
2.1 はじめに
2.2 太陽光水分解水素製造システムの設計指針
2.3 水電解セルの種類と特性
2.4 太陽光水分解水素製造システムの開発の最前線
2.5 おわりに
3 低炭素社会実現に対する水素エネルギーシステムの貢献可能性と政策動向
3.1 はじめに
3.2 我が国のエネルギー分野の二大課題
3.2.1 エネルギー安全保障
3.2.2 温室効果ガス排出削減
3.3 なぜ水素か?
3.3.1 我が国のエネルギーの脱炭素化
3.3.2 低炭素エネルギーの大量導入
3.3.3 再エネ電力の輸送技術の比較
3.4 水素エネルギーの市場受容性
3.4.1 エネルギーモデルによる考察
3.5 我が国政府の政策
3.5.1 施策の基本的な考え方
3.5.2 我が国の政策
3.5.3 諸外国および国際機関の動向
3.6 おわりに

第7章 水電解技術開発
1 グリーン水素製造のキーデバイス「水電解」と「触媒技術」
1.1 はじめに
1.2 水電解の基礎
1.3 アルカリ水電解の概要と電極触媒
1.4 固体高分子形水電解の電極触媒
1.5 おわりに
2 水電解技術によるグリーン水素製造に関する最近の世界動向
2.1 はじめに
2.2 グリーントランスフォーメーション時代の水素―諸外国の政策動向―
2.3 潜在市場での先陣争い―諸外国の水電解産業動向―
2.4 おわりに―日本への示唆―
3 アニオン交換膜を用いた水電解技術
3.1 はじめに
3.2 水電解におけるAEMWEの位置づけ
3.3 AEMWEの構成要素と要求特性
3.4 AEMの代表的な化学構造
3.5 AEMを用いた水電解
3.6 まとめ
4 固体高分子形水電解の現状と課題~貴金属材料の視点より
4.1 はじめに
4.2 プロトン交換膜形水電解セルの構成材料
4.3 カソード触媒
4.4 アノード触媒
4.5 拡散層
4.6 高圧運転時の課題
4.7 イリジウム(Ir)供給量の課題
4.8 まとめ
5 プロトン伝導性電解質を用いた水蒸気電解
5.1 はじめに
5.2 水蒸気電解セルの構成
5.3 プロトン伝導性電解質
5.4 プロトン伝導性酸化物を用いた水蒸気電解
6 高温水蒸気電解法を用いた水素の高効率製造
6.1 まえがき
6.2 SOECの特徴と課題
6.3 SOEC開発状況と課題
6.3.1 セル開発
6.3.2 スタック開発
6.3.3 システム開発
6.4 おわりに

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