★地球全体での炭素固定の50%を海洋における炭素固定が占めるとされ、二酸化炭素固定化源や海洋バイオマス資源として注目される藻類!
★CO2固定化目的のみならず、燃料・油脂などへの有効利用に向け研究が進む藻類の応用技術の最新動向を詳解!
★ゲノム編集や合成生物学の進展により、再び脚光を浴びるバイオエネルギー!
第1章 藻類によるCO2固定化と有効利用技術への展開
1 はじめに
2 従来のバイオマスエネルギー研究
3 食糧とエネルギーの非競合共役増産
4 前処理法の開発―バイオマスの完全糖化システムの合成生物学的創製
5 新しいバイオマスの価値
6 おわりに
第2章 カーボンリサイクルファンド活動概要とブルーカーボンに係る取組の推進
1 設立の趣旨
2 CRFが考えるカーボンリサイクル
3 活動の概要
4 カーボンリサイクルファンドのブルーカーボンについての取組実績
5 まとめと展望
第3章 効率的なCO2固定化・有用物質生産に向けた藻類の品種改良・育種技術
1 微細藻類のCO2固定能の強化
1.1 はじめに
1.2 CCMにおける溶存無機炭素(DIC)輸送について
1.3 ピレノイド構造と機能
1.4 炭素蓄積と二次代謝産物
1.5 応用エンジニアリングについて
1.6 将来の展望
2 効率的なCO2固定化・有用物質生産に向けた海洋微細藻類の分子育種技術
2.1 はじめに
2.2 中温性珪藻と耐冷性珪藻の併用による四季を通じたバイオマス生産
2.3 分子育種に向けた海洋微細藻類の分子基盤の構築
2.4 海洋微細藻類の分子育種による有用物質生産
2.5 おわりに
3 ゲノム編集の開拓とそれによる大型藻類のCO2固定能強化の可能性
3.1 はじめに
3.2 大型藻類への遺伝子・タンパク質導入
3.3 CO2固定能の強化に向けた改変
3.4 オフターゲット変異を軽減するゲノム編集
3.5 おわりに
4 カーボンリサイクルからみた大型藻類の特性と養殖によるバイオマス生産
4.1 はじめに
4.2 大型藻類のCO2吸収・固定能
4.3 大型藻類を構成する成分
4.4 ホンダワラ類の種苗生産技術と海面養殖への展開
4.5 天然のアカモク母藻からの幼胚の採取
4.6 室内水槽での種苗生産
4.7 アカモクの海面養殖と技術的課題
4.8 アカモクの養殖例
4.9 おわりに
5 土着藻類を含む混合微生物を利用した下水処理技術
5.1 現行の下水処理の課題
5.2 微細藻類の下水処理への利用
5.3 流動担体を利用した混合微生物の付着培養による下水処理
5.4 結語
6 バイオリファイナリーのための新しい微生物群の探索
6.1 はじめに
6.2 海洋環境中からのウルバン分解細菌の探索
6.3 Vibrio sp. 10N株を用いた緑藻由来多糖ウルバンの単糖化の試み
6.4 おわりに
第4章 藻類産業の実現に向けた大量培養技術
1 従属栄養培養方式によるユーグレナの高密度培養
1.1 ユーグレナの生物学
1.2 ユーグレナの産業利用における課題
1.3 ユーグレナによる脱炭素化の実現に向けて
2 フラットパネル型フォトバイオリアクターによる持続可能な微細藻類バイオマスの生産に向けて
2.1 持続可能な化石資源代替への期待
2.2 持続可能な原料におけるGHG排出量
2.3 微細藻類の生産におけるGHG排出の主要因
2.4 曝気動力の削減によるCO2排出削減効果
2.5 曝気動力の削減の実現に向けた各種検証
2.6 持続可能な微細藻類バイオマスの生産・消費に向けて
3 珪藻の大量培養へのマイクロバブルの利用
3.1 はじめに
3.2 ツノケイソウの野外大量培養
3.3 有用物質の回収方法の開発
3.4 今後の展望
4 工場等の廃熱を利用した微細藻類の培養技術の開発
4.1 はじめに
4.2 藻類培養への廃熱の利用
4.3 培養池の加温・冷却による藻類培養への影響
4.4.吸着材を用いた藻類培養への廃熱利用
4.5 おわりに
5 大型藻類養殖のための装置開発
5.1 はじめに
5.2 海水へのCO2の積極的供給による大型藻類成長への影響
5.3 藻場の環境改善を目的とした海水の縦循環装置の開発
第5章 藻類による有用物質生産に向けた取り組み
1 高速増殖型ボツリオコッカスの大量培養とバイオジェット燃料への応用
1.1 はじめに
1.2 ボツリオコッカスとは
1.3 高速増殖型ボツリオコッカスの開発経緯と特長
1.4 培養の拡大と実証
1.5 ジェット燃料化
1.6 実際のフライト
1.7 まとめと今後の展望
2 ユーグレナによるオイル生産
2.1 まえがき
2.2 ユーグレナによるオイル生産構想
2.3 生産性向上に向けた研究開発のテーマ紹介
2.4 社会実装のための取り組み
2.5 おわりに
3 微細藻類を用いたオイル生産の多様性と技術開発の現状
3.1 微細藻類が生産する貯蔵物質の多様性
3.2 微細藻類が生産する油脂の多様性
3.3 長鎖不飽和ケトン分子の有用物質・バイオ燃料生産への活用
3.4 ハプト藻による再生可能エネルギー生産への技術開発
3.5 アルケノンの化学的改質による有用物質生産
3.6 遺伝子工学的形質転換によるアルケノンの量的及び質的改変の技術開発
4 水熱技術による微細藻類からの燃料・化学品回収
4.1 はじめに
4.2 水熱技術の特徴
4.3 微細藻類の水熱液化
4.4 微細藻類の油脂回収残渣への水熱技術の適用
4.5 おわりに
5 ナンノクロロプシスによるラウリン系油脂生産に向けた取り組み
5.1 背景および藻類株の選定
5.2 油糧藻類ナンノクロロプシスの分子育種
5.3 SCラウリン系油脂高生産株の培養と藻油石鹸の作製・評価
5.4 総括と今後の展望
6 希少糖(DEH)の生産
6.1 はじめに
6.2 AlyFRAとAlyFRBの調製と反応生成物
6.3 固定化酵素
6.4 おわりに
7 大型藻類を原料としたバイオエタノール生産へ向けた取り組み
8 海水条件下における海洋系大型藻類のメタン発酵
8.1 はじめに
8.2 浸透圧保護剤を添加した海水条件下での大型藻類のメタン発酵
8.3 実験方法と測定項目
8.4 結果
8.5 考察
8.6 おわりに
9 金属マイクロコイルを用いた300 GHz帯における位相を乱雑化する電波吸収材料
9.1 はじめに
9.2 藻類由来金属マイクロコイルを用いたミリ波・テラヘルツ波吸収体
9.3 位相乱雑化の効果について
9.4 今後の課題と展望
10 微細藻類を利用したマイクロプラスチック除去・水浄化技術
10.1 水質汚濁問題の概要と現状
10.2 マイクロプラスチック汚染の実態
10.3 水質浄化技術の現状と課題
10.4 微細藻類を用いたマイクロプラスチック除去および水質浄化ソリューション
10.5 今後の展望と課題
11 ブルーカーボンの生育環境要因解析と構成成分複雑系のデータサイエンス
11.1 はじめに
11.2 ブルーカーボン繁茂域における海草底泥の環境要因・因果分析
11.3 時系列モデリングによる赤潮時の同調因子可視化
11.4 海藻類の金属吸着能に対しての超分子複雑系解析
11.5 13C標識海藻の構成成分解析における理論計算の活用
11.6 今後の期待
12 ブルーカーボンクレジットに関する海洋センシング技術の開拓
12.1 はじめに
12.2 ブルーカーボン概要
12.3 CO2吸収量の算出に必要なセンシング
12.4 クレジット価格に関連するセンシング
12.5 まとめ