★レオロジーを測ると物質の何がわかり、それを材料開発にどのようにして結びつけるか?
★粘弾性データを活用するという立場に立って、データ解釈について分かりやすく学習できます!

レオロジーの基礎および実用計測と材料評価

通信講座概要
略称
レオロジー
通信講座No.
ce240602
開催日
2024年06月21日(金)
講師
千葉大学 名誉教授 工学博士 大坪 泰文 氏

<ご専門>レオロジー、コロイド化学、化学工学、流体工学
価格
[一般価格]
1名で受講した場合:  55,000円 (本体価格:50,000円)
2名で受講した場合:  99,000円 (本体価格:90,000円)
3名で受講した場合:  132,000円 (本体価格:120,000円)
4名以上で受講した場合の1名あたり追加金額:  44,000円 (本体価格:40,000円)

[会員価格]
1名で受講した場合:  44,000円 (本体価格:40,000円)
2名で受講した場合:  55,000円 (本体価格:50,000円)
3名で受講した場合:  66,000円 (本体価格:60,000円)
4名以上で受講した場合の1名あたり追加金額:  22,000円 (本体価格:20,000円)
価格関連備考
※請求書はお申し込みを受理次第、発送させていただきます。
スケジュール
6月21日(金) 開講 第1講テキスト発送
7月22日(月) 第1講 演習問題回答締切(必着) 第2講テキスト発送
8月21日(水) 第2講 演習問題回答締切(必着) 第3講テキスト発送
9月20日(金) 第3講 演習問題回答締切(必着)
10月16日(水) 修了書送付予定

<受講にあたって>
※テキストは開講時に郵送しますが、回答は、Microsoft Wordファイルで、電子メールで提出していただきます。
※各講の添削結果や模範解答なども、弊社から電子メールにて返信させていただきます。
趣旨
 レオロジーを工業技術として活用するのは難しいと敬遠されがちですが、この原因は大きく分けて二つあります。一つは、数学的厳密性をもってレオロジー量が定義され、それに基づいて測定器が作られていますが、実際の測定では、装置内で定義が前提とする現象が起こっているとは限らないということです。そのため、対象とする材料の特性に合わせて装置を選択し、最適プログラムを設定しなければ、正確なレオロジー測定ができないことになります。最初にレオロジー量の基本的意味と実用的測定技術について解説します。
 もう一つは、同じ粘弾性データが得られたとしても、材料によりそのメカニズムが異なるということです。この講座では、高分子と微粒子分散系に焦点を絞り、粘弾性データを活用するという立場に立って、データ解釈をわかりやすく説明します。レオロジーを測ると物質の何がわかり、それを材料開発にどのようにして結びつけるかという技術についてメカニズムと関連づけて講義します。
 
プログラム

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第1講 レオロジ―の基礎と実用計測技術(はじめに)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.1 連続体力学の基礎
 1.1.1 ひずみとひずみ速度
 1.1.2 応力

1.2 粘性の基礎
 1.2.1 粘度(粘性率)の定義
 1.2.2 非ニュートン流動(擬塑性流動、ダイラタント流動、塑性降伏)
 1.2.3 時間依存性流動(チクソトロピー、レオペクシー)

1.3.粘弾性の基礎
 1.3.1 粘弾性の現象論(応力緩和、遅延弾性、粘弾性モデル)
    1)粘性と弾性の熱力学的意味
    2)マックスウェルモデルとフォークトモデル
    3)4要素モデル
 1.3.2 動的粘弾性の定義とその意味
    1)振動ひずみと粘弾性挙動
    2)動的粘弾性関数(複素弾性率)の定義
    3)動的粘弾性関数の角周波数依存性

1.4 実用レオロジ―計測 
 1.4.1 回転粘度計(回転型レオメータ)
    1)測定原理と幾何学
    2)装置の特徴とその選択・
 1.4.2 粘度・粘弾性測定における留意点
    1)測定前の予備せん断
    2)壁面スリップ
    3)流動挙曲線と降伏応力
    4)大変形下での動的粘弾性(非線形粘弾性)

 [演習問題]

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第2講 高分子レオロジーの基礎と応用
   
(高分子鎖の分子運動と実用高分子材料のレオロジ―)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2.1 高分子の分子運動と均一系のレオロジー
 2.1.1 分子量と固有粘度
 2.1.2 からみあいと緩和時間
 2.1.3 ガラス転移と時間-温度換算則 
 2.1.4 時間-温度換算則とマスターカーブ
 2.1.5 ガラス状態における粘弾性挙動
 2.1.6 動的粘弾性と定常せん断粘度の関係
 2.1.7 ゴムの粘弾性挙動

2.2 高分子の高次構造、不均一構造とレオロジー
 2.2.1 会合性高分子の粘度挙動
 2.2.2 結晶性高分子の粘弾性挙動
 2.2.3 高分子ブレンドの粘弾性挙動
 2.2.4 微粒子-高分子複合系の粘弾性挙動

2.3 重合硬化過程におけるレオロジー
 2.3.1 三次元網目構造の形成とゲル化
 2.3.2 ゲル化点近傍の粘弾性挙動
 2.3.3 重合硬化反応と温度

2.4 伸長粘度、法線応力と高分子加工
 2.4.1 分子量分布と紡糸性
 2.4.2 法線応力効果と高分子の成形性

 [演習問題]

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第3講 微粒子分散系における凝集メカニズムとレオロジ―
   (チクソ性の評価とレオロジ―コントロール)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

3.1 コロイド化学的粒子間相互作用と微粒子の凝集分散
 3.1.1 電気二重層
 3.1.2 DLVO理論 
 3.1.3 吸着高分子に起因する粒子間相互作用

3.2 非凝集分散系の粘度挙動
 3.2.1 アインシュタインの式と粘度の粒子濃度依存性
 3.2.2 ペクレ数による粘度曲線の規格化と粘度ジャンプ
 3.2.3 粒径分布と粘度

3.3 通常の凝集分散系における粘弾性挙動

3.4 チクソ性の測定とその評価
 3.4.1 技術用語としての「チクソ性」の意味
 3.4.2.チクソトロピー挙動の測定
    1)二段階せん断法とヒステリシスループ法
    2)チクソトロピー回復過程の測定
 3.4.3 チクソ性のメカニズムと制御
    1)チクソトロピーインデックス(擬塑性流動)の制御
    2)粒子間相互作用とチクソトロピー性の制御
    3)三次元網目構造とチクソトロピー性の制御

3.5 凝集分散系のレオロジーコントロールに関する新技術
 3.5.1 高分子と界面活性剤によるレオロジーコントロール
 3.5.2 可逆架橋により凝集した分散系のダイラタント流動

 [演習問題]

キーワード
レオロジー、粘弾性、高分子、微粒子、分散、凝集、チクソ性、測定、評価
フリーワード検索