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【第一部】サーキュラーエコノミー社会に求められる樹脂リサイクル(11:00~12:00)
(国研)産業技術総合研究所
サーキュラーテクノロジー実装研究センター マテリアルリサイクルチーム 主任研究員
武仲 能子氏
〈講演趣旨〉
2015年に欧州委員会が循環経済政策パッケージを発表して以来、サーキュラー・エコノミー社会の実現に向けてプラスチックを取り巻く環境は日々劇的に変化している。日本企業もこの流れに乗らざるを得ない状況の中、環境保護のみをメインとした取り組みでは持続的な経済活動が難しい面もある。私たちはこれまで、樹脂関連企業、ブランド―ナー、リサイクラー企業、DX関連企業など、樹脂や樹脂リサイクルに関わる合計1800社へのアンケート調査を実施した。こうした調査結果をもとに、日本のリサイクルの実情を深堀りする。サーキュラー・エコノミーとは何かを再度確認し、経済性のあるプラスチックリサイクルチェーンの構築と、真の意味でサーキュラー・エコノミーを実現するにはどうしていくべきかについて論じる。
〈プログラム〉
1.EUはなぜサーキュラー・エコノミーを推進するのか?
2.サーキュラー・エコノミーをめぐる動向
3.企業へのアンケート調査結果
3-1.川上、川中、川下それぞれに位置する様々な業界のプラスチック関連企業
3-2.サプライチェーンの川下に位置する、様々な業界のプラスチック関連企業
3-3.国内の廃プラスチックを扱うリサイクラー
4.アンケート調査結果のまとめ
5.経済性のあるプラスチックリサイクルの実現に向けて
~~~~~~~【昼食休憩】(12:00~12:45)~~~~~~~
【第二部】持続可能なプラスチック製造に向けた三菱ケミカルの取り組み(12:45~13:45)
三菱ケミカル(株)サステナビリティ・渉外本部 ビジネス・サステナビリティ部 マネジャー
根本 耕司氏
〈講演趣旨〉
第五次循環型社会形成推進基本計画においては、カーボンニュートラルの実現とあわせてサーキュラーエコノミーへの移行が明記された.カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーいずれも,プラスチック素材/製品の製造事業者の単独の取り組みでは実現困難である.講演では,再生材の利用促進に向けたケミカルリサイクルと、再生可能資源を活用したバイオプラスチックに関する三菱ケミカルの取り組みについて紹介する.
〈プログラム〉
1.持続可能な石油化学産業の実現に向けて
1.1使用済みプラスチックのケミカルリサイクル
1.2使用済みアクリル樹脂のケミカルリサイクル
1.3使用済みシュリンクラベルの回収とリサイクル
1.4使用済みポリカーボネート樹脂のケミカルリサイクル
1.5使用済みエポキシ樹脂のケミカルリサイクル
2.廃棄物を資源として循環させるために
2.1使用済みプラスチックの“量”と“質”
2.2バイオマス資源の賦存量
3.まとめ
~~~~~~~【休憩時間】(13:45~13:55)~~~~~~~
【第三部】家電プラスチック高度選別技術と自己循環リサイクル(13:55~15:25)
三菱電機(株)サステナビリティー事業推進部リサイクル共創センター 資源循環戦略エキスパート
井関 康人氏
〈講演趣旨〉
日本の廃プラスチック823万トンのうちプラスチック素材としてマテリアルリサイクルされているものは22%に過ぎず、それ以外の大部分はサーマルリサイクルや焼却されている。プラスチックの原料である石油は枯渇資源であり、かつ燃やすと二酸化炭素を排出してしまう。それ故、できる限りマテリアルリサイクルするのが望ましいが、単一種類のプラスチックとして回収されるのはごく一部で大半は混合プラスチックであるため、そのままではマテリアルリサイクルが難しい。本講演では、家電プラスチックを例に、混合プラスチックから単一プラスチックを高純度に回収する高度選別技術と、回収プラスチックの家電製品への再利用について解説する。
〈プログラム〉
1.プラスチックをとりまく社会動向
2.家電リサイクル処理の基本構成
3.混合プラスチック高度選別技術
3-1微破砕選別
3-2家電混合プラスチックの代表組成
3-3高度選別の基本構成
3-4湿式比重選別
(1)浮沈選別 (2)ジグ選別
3-5 静電選別
(1)原理 (2)特長
3-6 X線選別(臭素系難燃剤含有プラスチック除去)
3-7 高度選別量産プラント
(1)特長 (2)品質管理(純度) (3)品質管理(RoHS)
4.自己循環リサイクル(水平リサイクル)
4-1微少異物除去による物性改善
4-2長期耐熱性の向上
4-3色彩選別による白色系部品への適用展開
4-4製品適用事例
5.サーキュラーエコノミー~リサイクルからリソーシングへ
~~~~~~~【休憩時間】(15:25~15:35)~~~~~~~
【第四部】社会課題に応えるX線イメージング×分光技術による最新プラスチック選別技術(15:35~16:35)
浜松ホトニクス(株)
光半導体営業推進部・プロジェクト企画G 兼 サステナビリティ推進部 グループ長
渥美 利久氏
〈講演趣旨〉
プラスチックリサイクルにおける対象物(回収または除去)の性状は多様であり、種類、量、色、劣化の程度、求められる純度などに応じて、最適な選別技術を選定する必要があります。また、光センシング技術の進化により、従来では困難だった選別も可能になりつつあります。選別工程では、まず初期工程にてプラスチックとその他の素材を分離し、プラスチックのみを対象とした後工程で種類別の選別が行われます。初期工程ではX線イメージングによる異物除去が行われ、後工程では近赤外・中赤外分光やラマン分光によってプラスチックの種類を識別します。これまで欧州が主導してきたプラスチックリサイクルは、大量回収・大型選別装置による高速処理が主流でした。一方、日本では自動車メーカーや家電メーカーを中心に、業界横断的な回収体制の構築が進められています。現在では、「大量・高速・大型」に加え、「少量・低速・小型・低コスト」をキーワードとする選別装置へのニーズも高まっています。本講演では、さまざまな選別技術を想定される活用シーンとともにご紹介いたします。プラスチックリサイクルの推進に向けた一助となれば幸いです。
〈プログラム〉
1. プラスチックリサイクルにおける光学選別の役割
2. プラスチック選別技術比較 / 光学選別 vs 水比重、静電
3. プラスチック選別実用事例 / X線イメージング、近赤外
4. プラスチック選別研究・検討事例 / ラマン分光、中赤外
5. 纏め、今後の展望