塗工液の最適化、濡れの不確定要素の見極め 乾燥のツボを抑えた塗膜の乾燥メカニズムと高品質化

塗布膜乾燥の基本とプロセス・現象・本質の理解、最適化と欠陥・トラブル対策【WEBセミナー】
~塗膜形成から乾燥までのコーティングプロセスでは何が起こっているのか~

セミナー概要
略称
塗布膜乾燥【WEBセミナー】
セミナーNo.
st250612
開催日時
2025年06月20日(金) 10:30~16:30
主催
サイエンス&テクノロジー(株)
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:info@rdsc.co.jp 問い合わせフォーム
講師
アドヒージョン株式会社 代表取締役社長
国立大学法人長岡技術科学大学 名誉教授 博士(工学)
河合 晃 氏

【略歴】
 三菱電機(株)ULSI研究所にて10年間勤務し、半導体デバイスの高精度なコーティング、計測技術、微細加工、および表面処理技術開発に従事した。その後、長岡技術科学大学にて勤務し、高精度コーティング、AFM等の分析技術、レジスト技術、エッチング技術、表面界面制御、ナノデバイスなどの先端分野の研究を実施している。各種論文査読委員、NEDO技術委員、国および公的プロジェクト審査員などを歴任。現在、長岡技術科学大学 名誉教授、ならびに、技術コンサルティング会社として、アドヒージョン(株)代表取締役社長を務める。著書40件、原著論文166報、国際学会124件、国内学会212件、特許多数、受賞多数、講演会270回以上、日本接着学会評議員、応用物理学会会員、産学連携・技術コンサルティング実績350件以上。

【専門】
電子デバイス、塗膜コーティング、クリーン化技術、接着など多分野に及ぶ。
価格
非会員: 44,000円(税込)
会員: 42,040円(税込)
学生: 44,000円(税込)
価格関連備考
定 価 :1名につき 44,000円(税込)
会員価格:1名につき 42,020円 2名の場合 55,000円、3名の場合 82,500円(税込)

※上記会員価格は受講者全員の会員登録が必須となります。
※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
※他の割引は併用できません。
※請求書は主催会社より代表者のメールアドレスにご連絡いたします。
備考
※資料付
※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。
※開催日の概ね1週間前を目安に、最少催行人数に達していない場合、セミナーを中止することがございます。

【ライブ配信(Zoom使用)セミナー】
・本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
 PCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
・お申し込み後、接続確認用URL(https://zoom.us/test)にアクセスして接続できるか等ご確認下さい。
・後日、別途視聴用のURLをメールにてご連絡申し上げます。
・セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
講座の内容
受講対象・レベル
コーティング剤、コーティング業務、コーティング装置、計測分野等に関わる技術者を対象にしています。
実務レベルのセミナー内容ですが、分かりやすく説明します。
習得できる知識
・塗布乾燥に関わる基礎学問の習得
・塗工液から乾燥までの一連のコーティングプロセスの習得
・コーティングに関するトラブルへの対応能力
趣旨
 近年、コーティング膜の塗布・乾燥プロセスは、処理能力の高さ、低コスト性などの観点から、主要な製造技術として用いられています。さらには、機能性フィルム、電池材料、基板モジュールなどの高機能製品の重要な製造プロセスとなっています。プロセス技術の高品位化および高速化は、生産効率の向上やコスト削減には不可欠な課題です。
 本講座では、塗布乾燥の基礎原理に基づき、プロセスの本質を理解することで高品位化・高速化への主要因を解析し、塗布むらや乾燥ムラなどの塗布乾燥におけるトラブル対策を解説します。また、現象メカニズム、測定解析技術、不良トラブル解決といった重要課題について、豊富な実例を交えて解説します。また、受講者が抱えている日々のトラブル相談にも応じます。
プログラム

1.塗膜形成の基礎(濡れ・粘性の不確定要素を見極める)
 1.1 塗工液の最適化
  1.1.1 表面張力
  1.1.2 溶解性パラメータSP/HSP値
  1.1.3 相分離
  1.1.4 共沸点
  1.1.5 混合溶媒
  1.1.6 界面活性剤
 1.2濡れの基本式を使いこなす
  1.2.1 濡れと接触の違い
  1.2.3 表面エネルギー
  1.2.4 Youngの式
  1.2.5 Dupreの式
  1.2.6 Cassieの式
  1.2.7 Wenzelの式
  1.2.8 Newman式
  1.2.9 ピンニング
 1.3 付着エネルギーと濡れ性
  1.3.1 濡れエネルギーの3形態
  1.3.2 分散と極性成分
  1.3.3 Fowks近似式
  1.3.4 拡張係数S
  1.3.5 円モデル
 1.4 レオロジー制御
  1.4.1 動的粘弾性
  1.4.2 キャピラリー数Ca
  1.4.3 非ニュートニアン
  1.4.4 Ostwald流動曲線

2.各種コーティング法の原理とコントロールポイント
 2.1 ロールコーティング
  2.1.1 ダイコーティング
  2.1.2 コンマコーティング
  2.1.3 マイクログラビアコーティング
 2.2 枚葉式コーティング
  2.2.1 スピンコーティング
  2.2.2 スリットコーティング
  2.2.3 ディップコーティング
  2.2.4 バーコーティング
  2.2.5 スプレーコーティング
  2.2.6 インクジェットコーティング

3.塗膜の乾燥メカニズムと高精度化(乾燥のツボを抑える)
 3.1乾燥の三要素
  3.1.1 濃度差拡散
  3.1.2 蒸気圧
  3.1.3 ラプラス力
 3.2乾燥装置の最適化
  3.2.1 乾燥曲線
  3.2.2 温度均一性
  3.2.3 熱設計(比熱、熱容量、熱伝導)
  3.2.4 赤外線乾燥
 3.3 非平衡方式
  3.3.1 真空減圧乾燥
  3.3.2 凍結乾燥
  3.3.3 超臨界乾燥

4.ペースト・スラリーの高品位化
 4.1 ナノ粒子間の相互作用
  4.1.1 Derjaguin近似
  4.1.2 DLVO理論
  4.1.3 Hertz理論
  4.1.4 凝集配列
 4.2 スラリーの分散凝集性
  4.2.1 スラリー内粒子の濡れと気泡凝集
  4.2.2 ゼータ電位
  4.2.3 上昇沈降性
  4.2.4 ブラウン運動
 4.3 インピーダンス解析
  4.3.1 誘電応答・ボード線図
  4.3.2 ナイキスト線図
  4.3.3 コール・コール円
  4.3.4 等価回路
  4.3.5 緩和時間
 4.4 産業応用
  4.4.1 二次電池
  4.4.2 電極ペースト
  4.4.3 アンダーフィル
  4.4.4 フィラー

5.塗膜の膜質評価法(表面・内部・基板界面の解析)
 5.1 塗膜の応力歪み
  5.5.1 応力‐歪み(S-S)曲線
  5.5.2 降伏点
  5.5.3 結晶化
  5.5.4 熱歪み
 5.2乾燥・凝集性の膜内深さ分布
  5.2.1 DPAT法(AFM剥離試験)
  5.2.2 粘弾性分布
  5.2.3 表面硬化層
 5.3 付着剥離評価
  5.3.1 引張り試験(大気/液中)
  5.3.2 せん断耐性
  5.3.3 スクラッチング
  5.3.4 テープ剥離(90度/180度、ジッピング)
 5.4耐久試験
  5.4.1 繰り返し疲労
  5.4.2 耐久試験、寿命予測

6.トラブル対策(発生原因を特定し解決・防止策を見極める)
 6.1 粘性欠陥
  6.1.1 カスケード欠陥(横スジ)
  6.1.2 リビング欠陥(縦スジ)
  6.1.3 ゆず肌(ベナールセル)
  6.1.4 乾燥ムラ(マランゴニー対流)
  6.1.5 フラクタル粘性指状(VF)変形(ギャップ内の塗工不良)
 6.2 乾燥欠陥
  6.2.1 エッジ盛上り(EBR対策)
  6.2.2 ピンホール(はじき、拡張濡れ法)
  6.2.3 膜剥離の防止法(膨れ・ガス発生)
 6.3 プロセス欠陥
  6.3.1 顔料析出と溶解度(カラーレジスト)
  6.3.2 クラックの抑制(多層膜の応力ミスマッチ)
  6.3.3 ソルベントクラック(ソルダーレジストの白化)

7.参考資料
 ・塗膜トラブルQ&A事例集(トラブルの最短解決ノウハウ)
 ・表面エネルギーによる濡れ・付着性解析(測定方法)

8.質疑応答
  日頃の開発・トラブル相談に個別に応じます。

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