【講演の趣旨、ポイント】 しびれは、痛みと類似した感覚であるが、ピリピリ、ビリビリとした陽性感覚に、感覚鈍磨や錯感覚といった異常感覚を伴うことが多く、また、鎮痛薬では対処できないことから、痛みとは明らかに異なる感覚である。しかし、しびれの適切な動物モデルや評価系は未だ確立されておらず、発症機構の解明や治療薬開発の大きな障害となっている。一般に糖尿病性神経障害やがん化学療法誘発末梢神経障害モデルなどが用いられることが多いが、どのような評価系を用いるかが問題となる。本講演では、しびれをターゲットとして研究する際に必要な研究手法と、演者らがこれまで解明してきた発症機構、バイオマーカーの探索、創薬ターゲットなどについて紹介する。 【習得できる知識】 しびれの基本知識、動物モデル、評価法および発症機構 しびれと末梢神経障害/末梢血流障害との関連 演者の最近の研究内容 シュワン細胞を標的とした治療戦略
【プログラム】
1. しびれの基本的知識
1.1 しびれとは何か 痛みとしびれの違い
1.2 しびれの原因 末梢神経障害と末梢血流障害
2. 末梢神経障害によるしびれ動物モデルとその評価法
2.1 糖尿病性神経障害モデル
2.2 がん化学療法誘発末梢神経障害モデル
2.3 しびれの評価系 しびれは評価できるか?
3. 末梢血流障害によるしびれ動物モデルとその発症機構
3.1 末梢血流障害によるしびれ動物モデル
3.2 末梢神経障害と末梢血流障害の関連
3.3 末梢血流障害改善薬の効果
4. シュワン細胞を標的としたしびれ治療戦略
4.1 シュワン細胞/末梢神経-シュワン細胞共培養系の培養方法と評価
4.2 脱髄と末梢神経障害との関連
4.3 末梢神経障害のバイオマーカー探索
4.4 ドラッグリポジショニングによる軸索再生戦略
【質疑応答・名刺交換】
【講演の趣旨、ポイント】 しびれや痛みの研究を行う際に、まず必要なのは具体的で役にたつ情報です。歩けない、痛い患者さんの状態を知り、何をするべきかを考えることが大切です。そのために、本講義では、なるべく臨床での具体例を述べたいと思います。画像が多く、新薬、手術など最新の情報も多く盛り込んでいることが特徴です。①しびれと痛みの生理的メカニズム、慢性化機序を理解する。②代表的な疾患について、解剖生理から学ぶ。③しびれに対する、臨床現場での薬剤および外科的治療の実際を知る。ということをポイントにて述べたいと思います。 【習得できる知識】 最近のしびれ、疼痛に関する知見を得ることができる 今後、臨床現場で何が必要とされているかを知ることができる。
【プログラム】
脊髄、末梢神経障害にともなう、四肢しびれ、疼痛のメカニズムと実際
1.はじめに
2.脊髄、末梢神経の解剖生理
3.しびれ、疼痛の神経生理
4.代表的疾患の説明
(椎間板ヘルニア、狭窄症、胸郭出口症候群、手根管症候群、肩こりなど)
5.保存療法
6.手術療法(ビデオなど含めて)
7.未来への展望
求める新規治療薬像
【質疑応答・名刺交換】