☆自動運転に様々な形で今後関わっていく技術者、研究者を対象に完全自動運転を可能にする技術動向について解説いたします!
自動運転により,車は大きく変わろうとしている。これまでのエンジンや車両から,車の頭脳となるAIや車の目となるセンサの部分が主要パーツとなる時代がやってくる。本セミナーでは,最初に自動運転の現状とそれによる社会インパクトを概説する。それらのインパクの達成に必要な一般道路でレベル4以上の完全自動運転自動運転を実現するための,次時代にキーパーツとなる,コア技術として,3D-LiDAR,高精度地図とAIについての技術内容についてそれぞれの技術内容を説明し,その必要性や現状レベルを示す。最後に将来への課題を整理した後,課題解決の1つの方策として名古屋大で開発したオープンソースの自動運転ソフトウェアであるAutowareについて紹介する。1.自動運転の現状
世界各国で開発が進んでいるADAS/自動運転用センサは、LiDAR、カメラ、レーダー、超音波の4つに分類されます。実用化が始まっているレベル2(運転支援)の駐車支援や誤発進防止には超音波センサが、AEB(自動緊急ブレーキ)には前方カメラやミリ波レーダーが使用されています。LiDAR(Light Detection and Ranging)は、“光による検知と測距”という意味であり、光センシング技術の一つです。今後、レベル3以上(自動運転)の開発になると衝突事故防止の観点から、あらゆる対象物の検出はもちろん、車両と各対象物との距離を正確に計測することが求められるため、小さい対象物においても精度良く計測ができるLiDARの搭載を検討する自動車メーカーが多くなると予測されています。しかし、現行のメカ式LiDARは可動部を持つために高コストでサイズも大きく搭載できる車種が限定されてしまうため、可動部を持たないSolid-state型LiDARの研究・開発が進んでいます。本セミナーではSolid-state型LiDARについてXenomatiX社のXenoLidarを例にご説明致します。1. 自動運転におけるLiDARの役割
MEMSミラーによるスキャナの基礎と研究状況について紹介する.車載応用センサとして期待されるLIDARに用いられるMEMSミラーを設計し,製作するために必要な基礎について説明する.MEMSミラーは多く試作されているが,全般的に走査角が小さいものが多い.また大口径(5mm~10mm)のミラーの開発は少ない.これは製作における壊れやすさや性能の最適化が難しいことになどによる.ねじればねを用いる一般的なミラーを設計する方法について説明する.要求される走査角度,走査周波数,解像度およびミラーの動的変形を満たすために,どのように設計するかを述べる.同時にMEMSの製作においては,シリコン基板を基本とした半導体微細加工を用いるので,微細加工の制約も受ける.基本的な微細加工についても説明し,これらの要求と制約のなかで,目的のLIDAR用のミラーを実現するための基本設計技術などについて紹介する.1.はじめに