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乳化重合などの、微粒子が分散した系でのラジカル重合は、バルク重合などの均相系重合に比べて高分子(樹脂)を高速に製造できる場合が多く、大量生産に有効であり、また高分子の微粒子が分散したラテックスを直接得ることができる方法です。特に最近は機能性物質や薬剤を内包したマイクロカプセルなど機能性微粒子材料を得るための方法として利用されつつあります。微粒子の直径およびその分布を制御することで高分子微粒子の機能性を高めることが可能な場合があります。
本講座では微粒子分散系ラジカル重合における高分子製造速度、すなわち重合反応速度と、生成される微粒子の直径(およびその分布)を制御するための基本的な考え方を解説します。
1.微粒子を形成するラジカル重合の分類と反応時の系の状態変化
1-1.懸濁重合とミニエマルション重合
1-2.分散重合とソープフリー乳化重合
1-3.乳化重合とマイクロエマルション重合
~期間I,II,IIIと粒子数およびモノマー濃度の経時変化
2.微粒子分散系ラジカル重合における重合速度の定式化と制御
2-1.重合速度の表記法
2-2.モノマー滴や高分子微粒子の大きさが重合速度に及ぼす影響
2-3.含まれる素反応と物質移動現象
2-4.重合速度の理論的導出方法と近似解
2-5.粒子内平均ラジカル数の挙動とそれが意味するもの
2-6.重合速度の制御
3.生成粒子数と粒子直径の制御
3-1.粒子数と粒子直径の関係
3-2.モノマーおよび乳化剤の性質による、
粒子数の開始剤濃度、乳化剤濃度、モノマー仕込量への依存性の分類
4.懸濁重合・ミニエマルション重合における粒子径制御
4-1.攪拌法・攪拌条件と液滴調整法(マイクロチャネル法など)
4-2.分散安定化の方法(分散安定剤とハイドロホーブ)
5.乳化重合とその応用法における粒子径制御
5-1.マイクロエマルション重合
5-2.ソープフリー乳化重合