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第1部 導電性炭素材料の特徴と技術トレンド 10:30~12:00
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【講座趣旨】
導電性炭素材料とは、樹脂や塗料など絶縁性の材料に導電性を付与する素材です。導電性炭素材料には、古くから使われる導電性カーボンブラックから近年注目されている最先端のカーボンナノチューブやグラフェンなど様々な素材が存在します。これらの素材を目的とする用途に応じて使いこなすことが、特徴あるノウハウや製品を生み出すポイントとなります。本講では、まず、導電性炭素材料の種類や特徴といった基礎を学びます。更に、これらの素材の特徴を最大限引き出すための高導電化技術などの応用について学習します。導電性炭素材料に関する技術的内容を分かりやすく、かつ詳細に解説します。
1.緒言 情報交流(人脈力)の重要性
2.導電性炭素材料入門
2-1 ナノカーボンの種類、製法、構造、特徴
・カーボンナノチューブ(単層、多層)
・VGCF(気相成長法炭素繊維)
・グラフェン(単層、多層)
2-2 導電性カーボンブラック
・導電性カーボンブラックの製法:オイルファーネス法、アセチレンガス分解法
・構造、物理化学的性質
・一次粒子、アグリゲート、アグロメレート、表面官能基、結晶性
・ケッチェンブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック
2-3 各種導電性炭素材料の形状
3.導電性炭素材料の技術トレンド
3-1 高導電化技術
・導電性測定方法 ・分散状態(凝集塊量)と導電性
・樹脂の影響(単一樹脂系、二成分樹脂系)
・充填材の影響 ・成形条件の影響
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第2部 カーボンナノチューブの物性と分散/可溶化/機能化技術
13:00~14:30
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【講座趣旨】
カーボンナノチューブは、突出した特性、機能をもつ1次元導電性分子ナノワイヤーであるが、固体状態では強いπ—π相互作用やファンデアワールス力によりバンドル構造体を形成し、溶媒には分散困難である。可溶化によりCNTの基礎物性の解明、およびその応用は飛躍的に広がる。ここでは、カーボンナノチューブ可溶化と可溶化カーボンナノチューブのコンポジット材料、エネルギー材料(燃料電池、空気〜亜鉛電池等)への応用について私たちの最新のデータをもとに、わかりやすく、事例をもとに講演する。
1.カーボンナノチューブ可溶化の重要性と事例
1-1 カーボンナノチューブ可溶化の重要性
1-2 様々な可溶化の事例
2.金属性カーボンナノチューブと半導体性カーボンナノチューブの分離
2-1 様々な分離の事例
2-2 私たちの最新の研究成果
3.カーボンナノチューブ複合材料の創製
3-1 高分子との複合化
3-2 バイオ分野への応用
4.カーボンナノチューブを素材とする新しい電池材料
4-1 Pt型燃料電池
4-2 非Pt型燃料電池
4-3 非Pt型空気−亜鉛電池
5.まとめ
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第3部 機能性炭素材料の開発を支援する分析・試験技術 14:45~16:15
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【講座趣旨】
関西熱化学株式会社およびそのグループ会社(MCエバテック)では炭素材料の研究開発、製造および分析受託事業を実施しております。本稿では、弊社で長年養ってきた炭素化学の知見・技術から発生した分析・評価・試験のノウハウや技術をベースに最新の分析技術やその事例等も交えて、機能性炭素材料の開発に必要と考える分析・試験技術を紹介します。具体的には、①粉体物性測定、②吸着性能評価、③表面分析・形態観察、④耐久性・機能化を目的とした試験・処理技術についての事例を原理・方法の解説を交えて紹介します。また、「ミクロ細孔測定」、「表面親水性・表面官能基の評価」、「X線CTによる3次元構造観察」、「多様なガス・蒸気を用いた吸着性能評価」などに焦点を当てた内容とします。
1.粉体物性測定
1-1. 粉体物性とは(各種測定手法紹介)
1-2. 表面積・細孔径測定法(水銀圧入法、ガス吸着法等)
1-3. 表面の化学的性質の評価法(表面官能基、表面親水性・疎水性、酸化・還元特性等)
2.吸着性能評価
2-1. 吸着等温線測定による評価
2-2. 実環境に模した評価(静置法、破か曲線)
3.表面分析・形態観察
3-1. 表面分析(表面組成、表面化学状態、表面形状等の分析)
3-2. 3次元構造解析(X線CT、FIB-SEM、TEM)
4.耐久性・機能化を目的とした試験・処理技術
4-1. 高温加熱処理
4-2. 取り扱い困難なガス・薬剤下での耐久性試験
4-3. 高温高圧下での耐久性試験
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講師によるQ&A 16:15~16:30
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