<第1部> CCUSにおけるCO2分離回収技術の現状,課題と今後の展望(13:00~14:50)
【趣旨】
低稼働率の調整力電源,鉄鋼,セメント,溶融炉,廃棄物,重量長距離輸送など脱炭素困難部門を中心に.2050年CO2排出正味ゼロの達成は,再生可能エネルギーの大量導入だけでは極めて難しいことから,グリーン成長戦略の技術分野の一つであるCCUSに注目が集まっている.特に,CO2分離回収の世界市場は2040~50年には年間10兆円を超える規模に成長すると見込まれているが,日本は現時点では世界シェアで優位な立場にあり,研究開発力が特許庁の調査でも裏付けられている.
本講演ではCCS/CCUの位置づけとCO2分離回収の体系的な整理を踏まえ,技術的な現状と将来展望について総括的に解説していく.
【プログラム】
1. エネルギートランジションにおけるCCUSの位置づけ
2. CCUSのコスト
2.1 フルチェーンCCSのコスト概観
2.2 分離回収技術のコストへの影響
3. CO2分離回収技術の整理
3.1 燃焼前分離,燃焼後分離,直接空気回収
3.2 地下貯留用途とCCU用途
3.3 分離技術の現状と将来展望
(1)化学吸収法~吸収液,相分離,固体吸収材~
(2)物理吸収法
(3)吸着法
(4)膜分離法
(5)DAC,Negative Emission Technologies (NETs)
4. まとめ
(質疑応答)
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<第2部> 分離膜を用いた大気からのCO2回収(15:00~17:00)
【趣旨】
地球温暖化対策として、火力発電所などの大規模CO2排出源からのCO2回収に関して開発が進められてきたが、これだけでは平均気温上昇1.5度以下を実現するのは不可能である。このためには大気中に放出されてしまったCO2の回収(DAC)を行い、CO2排出のネットゼロを実現するが重要な課題となっています。
このため近年注目をされているDAC技術を概説すると同時に、分離膜による大気からのCO2回収による「ユビキタスCO2回収」に関する新しい技術の開発などを紹介する。
【プログラム】
1. CO2回収技術の動向
2. Direct Air Capture 技術の動向・課題点
3. 分離膜によるDAC技術(m-DAC)の利点と特徴
4. DAC向け分離膜の開発動向
5. 今後の展開
(質疑応答)