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拡散現象を伴う現象は、工業製品およびその製造プロセスで重要な位置をしめています。たとえば、製品の熱処理における熱の拡散、リチウムイオン電池(LiB)の充放電における電解質中のイオン伝導、正・負極でのイオンの出入りなどがあります。
また、エレクトロクロミック(EC)を用いたスマートウインドウは、充放電に伴う色変化を利用しており、リチウムイオン電池と同様な挙動を示します。近年、ディスプレイのフレキシブル化が望まれていますが、基材にプラスチックを用いる場合には、外気からの酸素や水蒸気ガスの浸入を防ぐために、バリア膜が用いられます。
このように、拡散現象は重要な現象でありながら、異なる分野間で統一的に語られることが少ないので、本セミナーでは、拡散現象の基礎的な事柄を、数式を用いて詳しく説明し、技術者の方が、実際の場面で拡散現象に遭遇した場合に、比較的容易に解析できるように説明いたします。
1. 拡散モデル
1.1 いろいろな拡散現象
熱拡散(伝熱) LiB(リチウムイオン電池)
エレクトロクロミック(EC)マートウインドウバリア膜
1.2 Fickの拡散方程式 拡散方程式の導き方
1.3 拡散方程式の解き方 変数分離法 Laplace変換法 差分法
2. 熱拡散の問題(伝熱工学)
2.1 半無限物体の非定常熱伝導
2.2 有限物体の非定常熱伝導
2.3 レーザーフラッシュ加熱応用:熱伝導率の測定
3. リチウム電池(LiB)
3.1 基本構造
3.2 充放電材料の電気化学的評価
応用:拡散定数の測定法
3.3 電解質でのイオン伝導
3.4 正負極でのイオンの出し入れ
3.5 LiBの将来像:固体化へ向けて
4. エレクトロクロミック(EC)スマートウインドウ
4.1 基本的構造
4.2 電解質でのイオン伝導
4.3 EC膜でのイオンの出し入れ
4.3 スマートウインドウの将来像
5. バリア膜
5.1 各種バリア膜の要求性能
5.2 ガス透過性
ガス透過の基本理論 各種フイルムの酸素透過性、
水蒸気透過性バリア性の評価法-各種規格、試験法
5.3 バリア膜の応用
有機EL用バリア膜
包装用等
5.4 バリア膜の将来像
6. まとめ