2020年02月14日(金)
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セルロースナノファイバーの調製法、構造、基本特性、表面・配列・集積制御、複合化、応用事例、現状の課題と対策
セルロースナノファイバー(CNF)の量産体制も整い、水系の機能用途を中心に商品化にいたる事例も出てきた。演者らは、TEMPO酸化法と呼ばれるCNF生産プロセスを開発している。本セミナーでは、セルロースの高次構造とTEMPO酸化法、およびCNF分散の理論体系について解説した後、強度や固有粘度等のCNF1本の特性から、フィルムやエアロゲル等のCNF集積体の形成と物性へと進み、樹脂等との複合化および理想的な補強に要する界面構造、そして、現状解決が急務とされる課題とその対策案など、CNF研究の要点を紹介する。
1. セルロースの高次構造と特性、化学改質
1-1 樹木におけるセルロース合成と高次構造
1-2 セルロースミクロフィブリルの特性
1-3 TEMPO酸化物の高次構造
2. セルロースナノファイバー(CNF)生産への展開
2-1 TEMPO酸化法によるCNFの調製
2-2 分散性、表面電荷、長さの制御
2-3 粒子分散系の原理
3. CNFの基本特性:単繊維および分散体の特性
3-1 CNF1本の結晶性と表面構造
3-2 CNF1本の強度解析
3-3 CNF分散体の粘度解析、長さとの相関
3-4 CNF分散体の自己組織化、液晶相の形成
4.分散体から集積体へ:プロセス/構造/特性相関
4-1 フィルム(透明な紙)の形成と物性解析
4-2 エアロゲル(透明な断熱材)の形成と物性解析
5. 複合化: 界面構造と相互作用の制御
5-1 プラスチックとの均一複合化、理想的な補強に要する界面構造、界面の厚みと密度
5-2 無機ナノ粒子との複合化、機能性の発現、担体としてのポテンシャル
5-3 その他の複合化事例
6. 実用化に向けた課題と対策案
6-1 熱分解
6-2 成形性
6-3 耐水性