【第1部】「3Dプリンティングにおける複合材料の開発動向」10:00~12:50
従来の複合材料成形は熟練した職人のノウハウに頼る所が大きく、金型も必要とするため、短期間での多品種生産が困難でした。一方、一般に利用される熱可塑性樹脂積層3Dプリンターは、樹脂自体の力学的特性が著しく低く、試作模型や玩具の製作としての利用が主体であり、航空宇宙・自動車用途製品レベルの構造を作製できない課題がありました。自動車・航空宇宙用構造にも適用可能な高強度立体造形を目的として、連続炭素繊維を立体造形する「炭素繊維複合材料3Dプリンター」の開発が世界的に進んでいます。
炭素繊維複合材料3Dプリンターは、以下の優れた特徴を持っており、新しい構造材料の製造方法として大きな可能性があります。
(1)多品種の構造強度部材をCADデータのみから容易に成形が可能であり、軽量化が強く求められる分野の研究開発を加速できる。
(2)繊維配向の最適化により炭素繊維の持つ卓越した力学的特性を最大限に発揮できる。
(3)ニアネットシェイプでの成形が可能であり、トリム等の2次加工が最小限で済むため、原材料費や環境負荷の低減にも効果的である。
これらの特徴のため、高強度部材が要求される航空宇宙・自動車用の構造部材の生産、マスカスタマイゼーションが求められる義足やアシストスーツなどの医療・介護分野といった分野に適用が進むと予想されます。
本講座では,炭素繊維複合材料3Dプリンターに関わる最新技術について,その特徴,従来技術との比較,用途展望などについて紹介します。
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【第2部】「金属積層造形(3Dプリンター)技術及び金属粉の技術・開発動向」 14:30~16:30
1.金属粉の製造方法
1-1アトマイズ法
1-2 粉砕法
1-3 電解法
1-4 還元法
1-5 金属粉の検査方法
1-6 金属積層造形に適する金属粉とは?
2. 金属積層造形の歴史
3. 金属粉を原料とする他の製法
3-1 粉末冶金
3-2 MIM(金属粉射出成形)
4. 積層造形の各手法
4-1 7種の手法の概略
4-2 粉末床溶融結合法(パウダーベッド法)
4-3 指向性エネルギー堆積法(デポジション法)
4-4 +αとしての切削併用法
5. 金属積層造形の利用分野
5-1 メリットとデメリット
5-2 医療分野
5-3 航空・宇宙機器部品
5-4 射出成形用金型
5-5 その他
※各講演時間に5分程度の質疑応答を含みます。