【アーカイブ配信付き】視聴期間:終了翌営業日から7日間[1/21~1/27]を予定
第1部(13:00~15:30)
CNFの基礎とキラーアプリ創出へ向けた技術動向
[趣旨]
近年は製紙産業を中心にセルロースナノファイバー(CNF)の量産設備が稼働しており、商品化に至る事例も出てきましたが、新素材であるがゆえ、依然コスト高の問題に直面するケースが多いと聞きます。この現状を打破するため、CNFの研究分野において、現コストを吸収し、かつ、将来的な量産効果も期待できる “キラーアプリケーション” の開発が急務とされています。キラーアプリケーションの実現には、潜在的なCNFの機能・性能を高度に発揮させ、既存の競合材料にはない “効率” や “付加価値” を生み出す技術体系の確立が必須といえます。本講座では、CNF1本の構造理解を進めたのち、キラーアプリケーションの実現にむけたアカデミアの取り組みを中心に、フィルムやエアロゲル、樹脂複合体などの最新の研究事例を順次解説します。
[プログラム]
1. CNFの基本特性
1.1 CNF1本の精密構造: 結晶性、18本鎖モデル、表面官能基と欠陥の分布
1.2 CNF分散体の自己組織化、液晶相の形成
1.3 フィルム(透明な紙)
1.3.1 フィルムの基本特性
1.3.2 成膜プロセスとナノ構造及び物性との相関
1.3.3 厚みのある透明板材への展開、高強度・熱的異方性・耐水性・難燃性
1.4 エアロゲル(透明な断熱材)
1.4.1 エアロゲルの基本特性
1.4.2 蒸発乾燥によるエアロゲル形成、高強度・自己消火性
1.4.3 凍結乾燥によるエアロゲル形成、透明性・断熱性
2. 複合化:界面構造と相互作用の制御
2.1 プラスチックとの均一複合化、理想的な補強に要する界面構造
2.2 プラスチック複合化の最新動向、Pickeringエマルションの活用
2.3 無機ナノ粒子との複合化、機能性の発現、担体としてのポテンシャル
2.4 その他の複合化事例
3.LCA及びコスト試算
□質疑応答□
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第2部(15:40~16:40)
LCA視点から見たCNFとカーボンニュートラル社会への展望
[趣旨]
菅前首相の宣言により、日本も低炭素社会からカーボンニュートラル社会(脱炭素社会)へと、2050年に温室効果ガス排出量ゼロという目標に向けた政策・戦略が打ち出された。そのような中、グリーン成長戦略にも取り上げられ注目を集めるバイオマス新素材であるCNF(セルロースナノファイバー)についてLCA視点から過去の環境省の実証事業を踏まえながら展望を説明する。
[プログラム]
1.取り巻く環境問題
1.1 地球環境問題の本質
1.2 地球温暖化を中心とする地球の健康状態
2.LCA(ライフサイクルアセスメント)とは
2.1 ライフサイクルアセスメントとは?
2.2 LCAの算定方法について
2.3 LCAの活用・用途
3. カーボンニュートラル社会
3.1 カーボンニュートラルとは?
3.2 カーボンニュートラル社会に向けた各国の目標と気候変動対策
3.3 日本のカーボンニュートラル社会に向けた目標
3.4 企業のカーボンニュートラル社会に向けた動向
4. 各国のLCAに係る動向
4.1 自動車に係るLCA政策や規制の動向
4.2 EUにおける動向
4.3 日本における動向
5. CNFへの期待
5.1 セルロースナノファイバーとは
5.2 セルロースナノファイバーの政策の位置づけ
5.3 セルロースナノファイバーを活用した事業
5.4 セルロースナノファイバー製品等のCO2排出量削減算定ガイドライン
5.5 セルロースナノファイバーへの期待
□質疑応答□