2016年01月26日(火)
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30名 ※現在、お申込み可能です。満席になり次第、募集を終了させていただきます。
信頼性・耐久性が大きい各種材料の接着・接合継手を設計することを目的とする技術者
先ず,接着継手の信頼性,耐久性を向上させるための基礎として,接着力発現の原理(樹脂射出一体成型法,レーザ溶接法など最新の異種材料接着・接合法についても共通)並びに接着剤および表面処理法の理論的選定法について解説します。
また,主な接着継手形式とその応力分布,破壊強度の特徴,および継手設計時の留意点について解説します。
さらに,継手に負荷される応力の時間的分布と接着強度のばらつきに基づいたストレス-強度モデルによる継手の希望破壊確率を与える安全率の計算法,接着継手の劣化の主要原因である温度,湿度,機械的応力などのストレスと劣化速度との理論的関係およびそれに基づいた加速試験による寿命予測法について詳しく解説します。
なお,接着トラブルの原因別分類と対策についても概説し,最後にご質問に対し講師の45年間にわたる接着についての実務経験に基づき,ご回答いたします。
1.接着力発現の原理(最新の異種材料接着・接合法にも共通)
1.1 化学的接着説
(1) 原子・分子間引力発生のメカニズム
(2) ファン・デル・ワールス力
(3) 水素結合
(4) 接着剤の役割
1.2 機械的接合説(アンカー効果)
1.3 からみ合いおよび分子拡散説
1.4 接着仕事
1.5 シーリング材の接着力発現の原理と役割
1.6 粘着剤の接着力発現の原理と役割
2.樹脂の射出成形および融着における接着力発現のメカニズム
2.1 エッチングまたはレーザー照射により被着材表面に微細凹凸を形成して接着力および耐久性を向上させる方法
(1) マルチスカーフジョイント効果
(2) マルチラップジョイント効果
(3) アンカー効果
(4) 被着材のエッチングにより継手の接合強度および耐久性が向上する理由
2.2 レーザー接合,電気抵抗融着,電磁誘導加熱,摩擦重ね接合,超音波接合など樹脂同士の融着接合における接着強度発現のメカニズム
(1) 一方の樹脂のみが溶融する場合 ②両方の樹脂が溶融する場合
3.強度・信頼性・耐久性向上のための各被着材に適した接着剤の選定法
3.1 Zismanの臨界表面張力
3.2 溶解度パラメーターによる接着剤の選定
(1) 物質の溶解度パラメーター
(2) 2種類の液体が混合する条件(非結晶材料に適用)
(3) 結晶性高分子が難接着性である理由とそれを解決するための表面処理法
4.接着剤の種類、特徴、および強度・信頼性・耐久性向上のための最適接着剤の選定法
4.1 各接着剤の種類と特徴
(1) 耐熱航空機構造用接着剤
(2) エポキシ系接着剤(液状)
(3) ポリウレタン系接着剤(室温硬化型)
(4) アクリル系接着剤(SGA)
(5) 耐熱性接着剤
(6) 吸油性接着剤
(7) 紫外線硬化型接着剤
(8) 弾性接着剤
4.2 選定のための接着剤性能表
4.3 各種被着材に適した接着剤の選び方
5.強度・信頼性・耐久性向上のための被着材に対する表面処理法の選定法
5.1 各種表面処理法およびその特徴
5.2 金属の表面処理法
(1) 炭素鋼
(2) ステンレス鋼
(3) アルミニウム
(4) 銅およびニッケル箔の表面処理状態とはく離エネルギーとの関係
(5) 化学的粗面化(ケミブラスト)
5.3 プラスチックの表面処理
(1) 洗浄および粗面化
(2) プラズマ処理
(3) コロナ放電処理
(4) UV/オゾン処理
(5) 火炎処理
(6) 各種表面処理方法
(7) プライマー処理
(8) 難接着性結晶性エンジニアリングプラスチックの表面処理法
6.主な接着継手形式とその応力分布,破壊強度の特徴,および継手設計時の留意点
6.1 重ね合せ継手
6.2 スカーフおよびバット接着継手
6.3 はく離応力の解析結果と継手設計時の留意点
6.4 スポット溶接-接着併用継手のFEM応力解析結果
7.経年劣化(強度低下およびばらつき増加)による故障率の増加について(ストレス-強度のモデル)
8.所定年数使用後の接着接合部に要求される故障確率確保に必要な安全率の計算法
8.1 正規分布について
8.2 負荷応力(ストレス)が一定値の場合の安全率の計算法
8.3 負荷応力(ストレス)が分布する場合の安全率の計算法
8.4 航空機において安全率が小さく取られる理由(強度のばらつきと故障率との関係)
8.5 正規確率紙を用いた接着強度の標準偏差および変動係数の求め方
8.6 各種接着継手の静的強度の変動係数実験値
9.接着接合部劣化の3大要因
9.1 接着界面へ水分が浸入することによる劣化の促進
9.2 温度による物理的および化学的劣化の加速
9.3 応力による物理的および化学的劣化の加速
10.アレニウスモデル(温度条件)による耐久性加速試験および寿命推定法
10.1 化学反応速度式と反応次数
10.2 濃度と反応速度との関係
(1) 0次反応の場合
(2) 1次反応の場合
(3) 2次反応の場合
10.3 材料の寿命の決定法
10.4 反応速度定数と温度との関係
10.5 アレニウス式を用いた寿命推定法
10.6 加速係数
11.アイリングモデルによるストレス、湿度負荷、および水浸漬条件下の耐久性加速試験および寿命推定法
11.1 アイリングの式を用いた寿命推定法
11.2 アイリング式を用いた湿度に対する耐久性評価法
(1) 絶対水蒸気圧モデル
(2) 相対湿度モデル1
(3) 相対湿度モデル2(Lycoudesモデル)(寿命予測の具体例)
11.3 温度・湿度・応力負荷条件下の耐久性評価法(Sustained Load Test)と実験結果
11.4 JIS K 6867接着剤-構造接着接合品の耐久性試験方法-くさび破壊法(ウェッジテスト)による耐湿および耐水性試験方法
11.5 アルミニウム合金のエッチングと耐久性との関係
(1) アルミニウムのエッチングにより生成した酸化皮膜
(2) アルミニウムのエッチング法と耐久性との関係
12.金属/接着界面の耐水安定性についての熱力学的検討
13.接着接合部の疲労試験方法および疲労試験結果
13.1 アイリング理論から誘導されるS-N曲線
13.2 マイナー則(線形損傷則)
13.3 接着継手、スポット溶接-接着併用継手、リベット-接着併用継手の疲労試験結果
14.接着接合部のクリープ破壊強度およびクリープ試験方法
14.1 クリープ破壊強度、破壊時間-温度の関係式(ラーソン-ミラー式)
14.2 実験値からラーソン-ミラー式の決定方法
14.3 プラスチックのラーソン-ミラー線図例
14.4 継手のクリープ試験方法
15.接着トラブルの原因別分類と対策
15.1 原因別分類とその対策(表の概説)
15.2 いくつかの具体的トラブル事例およびその原因と対策
【質疑応答・名刺交換】
様々な接合部の耐久性や最新の異材接着・接合技術についても触れる。