※本セミナーはZOOMを使ったLIVE配信セミナーです。会場での参加はございません。
1.赤外分光法の基本原理と特徴
赤外分光法を活用するにあたって、最低限理解しておく必要のある手法原理、赤外分光法の基本、特徴などについて、赤外分光法が何を見て、何が得られるのかを含めて解説します。
【主な解説内容】
・分光分析における吸収の定義、観察領域
・吸光度スペクトルと透過スペクトル
・振動モード
・気体と液体・固体の違い
・赤外分光法の長所・短所
・赤外分光法による評価
など
2.代表的な測定法
赤外分光法の特徴である様々な測定方法について、その原理や特徴、使い分けから、測定時の注意点、ポイント、コツなどについて実際の測定例なども交えながら解説する。
【主な解説内容】
赤外分光法には、基本となる透過法を始めとして様々な測定方法とアタッチメントがあります。これら様々な方法を目的や試料に合わせて適切に選択する必要があり、そのための原理や特徴、注意点はもちろん、ノウハウなどについて事例を示しながら解説します。
・透過法
・透過法基本セッティング、吸収の飽和とフリンジ(干渉縞)など
・全反射法(ATR)
・ATR法のバリエーション、ATR結晶(IRE)の特性、FTIR-ATRにおける
測定深さ、ATR法における注意点、ATR補正、異常分散など
・反射法
・反射スペクトルの特徴、K-K(Kramers–Kronig)変換、高感度反射の原理など
・拡散反射法
・拡散反射スペクトルの特徴、K-M(Kubelka-Munk)変換など
・その他
・光音響分光法(PAS)、ガスセルなど
・主な測定法のまとめ
・顕微赤外
・装置構成とカセグレンレンズによる光学系、マッピングとイメージングなど
3.赤外スペクトル
赤外スペクトルの概要・特徴から、主な吸収ピークの解説、帰属・解析のキーポイント、スペクトルサーチの活用テクニックと注意点、などについて、実際のスペクトルを例として示しながら解説します。
【主な解説内容】
・赤外スペクトルの概要
・主な振動モード、主な吸収帯
・イオン性官能基の吸収帯
・赤外分光の構造敏感性
・指紋領域の利用
・カルボニル基の判別
・スペクトルサーチ(アルゴリズム・データベース選択、ヒットスコアの意味など)
・検索結果の間違い例
・スペクトルサーチのコツ
・差スペクトル
・混合解析
・系統解析
・帰属の考え方
など
4.定量分析
赤外分光法が持つ定性以外に定量評価について、その原理から実際の定量評価の手順、誤差コントロールなどについて解説します。
【主な解説内容】
・検量線法
・検量線法が適用困難なケース
・ピーク強度比法
・内標準法
・誤差要因
など
5.大気成分補正
赤外分光法の宿命とも言える大気成分補正の方法と注意点、テクニックについて解説します。
6.測定条件
測定時の悩みのための一つでもあり積算回数に代表される測定条件の選択の考え方と測定条件の違いによる影響などについて実例を示しながら解説します。
【主な解説内容】
・積算回数と分解能
・積算回数の考え方
・誤差要因
など
7.スペクトル処理
赤外スペクトルは様々な要因でそのままでは解析が困難なケースが少なくありません。そのような場合に解析に耐えうるスペクトルとするためのスペクトル処理について実例を示しながら解説します。
【主な解説内容】
・ベースライン補正
・スムージング・補間
・ベースライン
・ピーク高さと面積
・自動処理の注意点
など
8.混合物の解析
実際の測定においては教科書に書いてあるような純物質ということは稀であり、ほとんどは混合物が対象となります。しかし、赤外分光法の原理上混合物はストレートに解析することが困難です。そのような場合に利用できる解析方法について解説します。
【主な解説内容】
・差スペクトル
・ピーク分離
・ATR法における差スペクトル
・他手法との組み合わせ
など
9.異物・微小部
赤外分光の利用シーンにおいて外すことができない異物・微小部の解析について、その主役となる顕微赤外分光の原理から実際の活用をサンプリング方法なども交えながら解説する。
【主な解説内容】
・顕微赤外分光法
・顕微透過法
・顕微ATR法
・マイクロサンプリング法
10.汚染・付着物
汚染や付着物はXPSなどの表面分析手法が用いられることも多いが、化学構造解析のためにATR法も欠かすことができない。ここでは、主に汚染や付着物の解析に特化したATR測定の方法やコツについて解説する。
【主な解説内容】
・差スペクトル(透過・ATR)
・ATR転写法、
・その他の方法
11.黒色試料
赤外分光法が苦手とする黒色異物の測定法について解説する。
12.高次構造
結晶構造解析や融解等の高次構造の変化における赤外分光法の利用について述べる。
13.FTIRにおける注意点
赤外分光スペクトルは一見すると何も問題は無いように見えて、実は解析に用いてはいけない間違ったスペクトルということがあります。そのような例を示しながら、赤外分光法を適切に活用するための注意点等について解説します。
【主な解説内容】
・異常分散
・試料変形の影響
・試料配置の影響
・KBr錠剤法の落とし穴
・粉体測定
・干渉縞抑制
14.実例
実際の解析事例について、より詳細に豊富なデータを交えながら測定から解析を解説する。
【主な解説内容】
・フィルム上汚染
・表面変質層
・基板上シミ
・フィルム内部異物
・配線上異物
・フィルム上異物
・ハジキ分析
・混合物分析
15.まとめ
16.質疑