触媒失活材を用いた汎用樹脂を利用したMIDプロセスを開発、材料および部品ビジネスへの展開を図っている。ハイパーブランチポリマーからなる触媒失活材はパラジウム触媒を不活性化する働きを有するため、基材に薄膜塗布することにより触媒付与工程後の無電解めっき反応は著しく低下する。そのため、めっき前にレーザーで触媒失活材を部分的に除去することで、材料選択性の広いMID加工が可能になる。低誘電正接材料を用いた5G等高周波デバイスや放熱デバイス等の開発状況について解説する。
1. 背景と目的
2. 触媒失活材とそれを用いたMID技術
2-1 触媒失活材料
2-2 MID加工の制御因子
3. 開発デバイス
3-1 低誘電正接材料を用いた高周波アンテナ特性
3-2 高熱伝導性スーパーエンプラを用いた放熱デバイス
3-3 高熱伝導性スーパーエンプラの高寸法精度成形技術との複合化
3-4 金属・高熱伝導エポキシ樹脂複合放熱デバイス
3-5 意匠デバイス
4. まとめ
新しい三次元立体配線技術として、モノコック(MONOCOQUE)厚膜印刷回路が注目されています。これまで三次元配線といえば、フレキシブル基板を使う手法が中心でした。またMID(Molded Interconnect Device)と呼ばれる技術も開発されていますが、使い勝手が悪く制限が大きいために用途は限られています。そこで、厚膜印刷回路技術とプラスチックの熱成形技術を組み合わせて、新しい三次元立体配線技術を実現しました。この技術ではプラスチックの筐体や構造体の表面に直接電子回路が一体化形成されますので、モノコック印刷回路と呼ばれています。モノコック印刷回路の基本構成は非常に単純です。これまでのフレキシブル基板技術の延長線上にあるといえます。しかしながら、その効果は絶大なものになります。多くの配線用のフレキシブル基板が不要になり、そのためのスペースやコストが削減できます。これまでに、片面回路、2層スルーホール回路、多層回路が実現し、回路の微細かも進んでいます。これまでに試みられているプラスチック樹脂はPETが中心になっていますが、今後適用できる材料は広がるものと考えられます。部品実装などの組み立てのためのコストも削減できることになります。モノコック印刷回路のコンセプトは汎用性が高く、民生用電子機器ばかりでなく、産業用電子機器、車載電子機器、医療ヘルスケア用電子機器にも適用可能で、実施例が増えるにしたがって、市場は飛躍的に増大していくものと考えられます。本セミナーでは、モノコック印刷回路の基本構成を紹介すると同時に、実施例を挙げながら、製造プロセス、使用材料、設計上の留意点などについて詳しく説明いたします。
1. モノコック厚膜印刷回路の基本概念
2. モノコック印刷回路の特徴
3. モノコック印刷回路の構成
4. モノコック印刷回路の加工プロセス
5. 材料の選択
6. モノコック印刷回路の実装技術
7. モノコック印刷回路の今後の課題
フィンランド Tactotek社 IMSE技術の紹介になります。IML、フィルムインサート成型技術を進化させたもので、LED、PCB基板などの電子部品を、樹脂内に一体成型します。回路が印刷され、電子部品を実装された機能フィルムと、装飾フィルムの間に樹脂を射出、製品はLED、PCB基板などを内包したまま、冷却され、そのまま完成製品となります。その完成製品は、装飾、イルミネーション、タッチセンサー機能を併せ持ちます。
1. Tactotek社 概要紹介
2. Tactotek社 IMSE技術紹介
2-1 IMSE技術 メリット紹介
・重量軽減
・材料(樹脂)軽減、
・設計の自由度向上
・カーボンニュートラルへの貢献
2-2 工程紹介
2-3 適用事例紹介
3-5 意匠デバイス
近年、導電性材料を印刷して電子回路を形成できる3Dプリンターが登場してきました。エレクトロニクス製品の設計や商流を大きく変える技術として注目されています。株式会社FUJIでは、更に部品実装の機能を融合することで「電子機器そのもの」を製造することが出来る画期的な3Dプリンターを開発しています。樹脂造形・回路印刷・部品実装の三位一体の複合機です。この装置を実現するためは、導電性インクの印刷技術や、低温の部品実装技術が欠かせません。当日はそれらのプロセス技術について、および同技術を活用したアプリケーション事例について紹介します。
1. アディティブ工法がもたらす価値について
2. エレクトロニクス系3Dプリンターの市場と動向
3. プロセス技術について
3-1 製造のプロセスフロー
3-2 材料の特徴~金属ナノインク、導電性ペースト、光硬化樹脂~
3-3 超低温の部品実装
3-4 多層の回路形成
3-5 立体モジュール化
4. アプリケーションについて
4-1 製造物のデザインルールと特性
4-2 短納期の多品種製造への応用
4-3 特殊形状デバイスへの応用
5. 3D系の回路CADとのデータ連携
6. まとめ
ナノメタルインクを用いた回路やセンサーの形成技術として各種手法が研究されてきた。今回紹介するエアロゾルジェット技術では、非接触で描画対象物とのGAPを5mm以上離すことができ、ライン&スペースは最小10μm/10μmを実現できる。曲面や段差部、局所部位等に配線やセンサーを形成できるため、これまで不可能であった3次元形状の基板やパーツへの実装が可能となる。本講座では、エアロゾルジェット技術の原理や特徴および海外における産業分野での応用事例を紹介する。また、配線形成技術としてインクジェット技術との比較も行うことで、配線形成技術の検討の際に考慮すべき点などについてもお伝えしたい。
1. エアロゾルジェット印刷技術の原理
2. エアロゾルジェット印刷技術の特徴
3. 実績のある液材料例
4. 曲面印刷の紹介
5. 産業分野での応用事例(アンテナ、センサー、ICインターコネクトなど)
6. 装置ラインナップ
7. エアロゾルジェット技術とインクジェット技術の比較
8. 試作サービスの紹介