2014年10月27日(月)
10:30~16:30
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地球温暖化問題を契機に高効率な気体分離技術の開発・普及の重要性が増してきており、省エネルギー性に優れる膜による分離法が有力な候補として注目されている。
具体的には、火力発電所や製鉄所あるいはセメント工場など二酸化炭素の固定発生源での排ガスから二酸化炭素分離膜、低炭素社会の実現の一環としての燃料電池技術の普及を支える高純度水素製造用分離膜、バイオエタノールの普及を可能とする高効率なバイオエタノール生産システムでのエタノール蒸気の濃縮・脱水用分離膜などである。これら以外にも産業用、医療用、民生用へと応用範囲を広げている気体分離・透過膜の技術について、本セミナーでは、膜の気体透過メカニズム、製膜技術、膜性能評価技術、膜モジュール設計法、そして膜プロセス設計法を詳しく解説し、新たな気体分離膜の開発から膜分離装置の設計・利用にわたる範囲に携わる技術者にとって必要な基本的な知識と手法を学んでいただく。
1.気体分離・透過膜の種類・特性と実験法
~気体分離・透過膜の基本の理解で、膜開発や膜利用のポイントを把握~
1-1.気体分離・透過膜の種類とその透過メカニズム
a. 膜構造別の比較
・多孔質膜、非多孔質膜
b. 材料別の比較
・高分子膜、液膜、無機膜、金属膜
c. 透過メカニズム
・粘性流、クヌーセン流、表面拡散流
分子ふるい流、溶解拡散流、促進輸送
1-2.気体分離・透過膜の実験法
a. 透過パラメータと膜性能の考え方
b. 製膜法
c. 膜評価法
1-3.種々の混合気体での気体分離・透過性
a. 純ガス系データが使える理想系
b. 純ガス系データからのズレ
・分離性が増加するケース、低下するケース
2.気体分離膜・透過膜の開発動向と応用展開
~膜の特性を活かす考え方、分離すべき気体と膜材料の選択、膜材料選択と改質のポイント~
2-1.気体分離膜・透過膜の利用における留意点
2-2.気体分離膜・透過膜の開発
a. 水素分離
b. 窒素/酸素分離
c. 炭酸ガス分離
d. 有機蒸気/空気分離
e. 水蒸気/アルコール蒸気分離
f. パーフルオロガス分離
2-3.気体分離膜・透過膜の応用展開
a. 化学・エネルギー分野
b. エレクトロニクス
c. 医療
d. その他
3.気体分離膜・透過膜の装置設計法
~モジュール設計のポイント、プロセス設計のポイント~
3-1.理想的流れパターンでのモジュール設計法
3-2.圧力損失の問題
3-3.濃度分極の問題
3-4.循環流型あるいは多段プロセスによる分離性向上
4.最近の動向と今後の展望
~気体分離膜・透過膜に関する最近のトピックス、技術開発の展望~
4-1.バイオエタノールの濃縮・脱水
4-2.燃料電池システム供給の高純度水素製造のメンブレンリフォーマー
4-3.温暖化対策用のCO2分離膜
4-4.空気(窒素/酸素)分離膜
【質疑応答・名刺交換】