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一段と厳しさを増すエネルギー問題を解決するためには、創・省エネルギー技術の革新的向上が不可欠である。様々な環境・エネルギー技術の中でも、特に重要性を増している技術が未利用熱エネルギーを利用した熱電発電である。本セミナーでは、まず、日本、米国、欧州における熱電発電研究の取り組みを、国プロを中心に紹介する。次に、熱電発電技術の最前線で研究を進めている我々の成果を中心に、熱電発電技術の今を解説する。我々グループでは、ナノテクノロジーを用いて、バルク体熱電変換材料の性能指数を2倍以上に向上させることに成功している。さらに、希少・毒性元素を利用しない新しい熱電変換材料として硫化物の研究を進めている。また、材料・モジュールの評価技術の開発と標準化に関わる研究にも携わっている。
1.熱電発電の基礎
1-1.熱電変換材料の基礎と開発のポイント
1-2.既存の熱電変換材料
1-3.熱電モジュールの基礎と開発のポイント
2.各国の研究開発動向
2-1.日本(経産省の未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発など)
2-2.米国(DOEのVehicle Technologies Programなど)
2-3.欧州(7th Framework Programme内での取組など)
3.熱電発電研究の最前線:超高効率化(ZT > 2.0)
3-1.低次元化による薄膜材料の高効率化
3-2.ナノ構造制御によるバルク材料の超高効率化
3-3.結晶構造の高度制御によるバルク材料の超高効率化
4.熱電発電研究の最前線:元素代替に基づいた低環境負荷化
4-1.酸化物系材料
4-2.シリサイド系材料
4-3.硫化物系材料
4-4.有機系材料
5.標準化を目指した評価技術
5-1.熱電変換材料の評価技術
5-2.熱電発電モジュールの評価技術
6.応用への取り組み
6-1.未利用熱エネルギー(車、工場などからの廃熱)を利用した熱電発電
6-2.再生可能熱エネルギー(地熱、太陽熱など)を利用した熱電発電
7.将来展望とまとめ