2021年01月29日(金)
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固体触媒を用いた製造業務に携わっている新人や若手中堅技術者や研究者
固体触媒開発では、様々な触媒の劣化因子に苦しむが、見方を変えれば、高活性化触媒の開発につながることを、以下のトピックスから習得する。
・触媒の被毒 ・触媒からの活性成分の昇華 ・高活性を示す低分散触媒 ・コーキングが誘導する触媒の高活性化
固体触媒を用いた気相接触反応を検討する場合、大学などに比較すると、産業界では非常に多岐にわたる劣化因子が、特に実用化に際して大きな障害となることはよく知られています。しかし、高活性長寿命を目指す固体触媒の開発に際しては、障害と考えるよりは、「良い研究対象」を得られたと考えると、研究のモチベーションも上がるのではないでしょうか。本講演では、気相接触反応においてしばしば劣化因子として取り上げられる被毒、活性成分の昇華、活性成分の低分散化、および、炭素析出という劣化因子を逆手に取り、触媒開発を行った例を紹介したいと思います。産業界で実用化の際に触媒劣化を回避するために大変なご苦労をされた研究者は、「触媒劣化因子を逆手に取って、触媒開発などできるはずがない」と言われる向きもあることは重々承知しています。しかし、本講演を通じて、そのようなことを聞いてきた現場の技術者にも触媒劣化を逆手にとることに少しでも興味を持っていただければ幸いです。
1.触媒の高活性化を妨げる劣化の概説と高活性化因子の概説
1-1.金属触媒の劣化の因子
1-2.金属触媒の高活性化
1-3.金属触媒の高活性化:スピルオーバー現象
2.塩素被毒を利用したメタンの接触酸化における部分酸化反応生成物の高選択的合成
2-1.アルカンの酸化脱水素触媒研究の重要性
2-2.反応装置と触媒(アパタイト)合成法
2-3.部分酸化活性の改善
2-4.酸化カップリング活性の向上
3.触媒活性成分の昇華に注目したブテンからブタジエンの合成触媒の開発
3-1.なぜ1,3-ブタジエン?
3-2.ビスマス-モリブデン触媒の問題点
3-3.触媒劣化の状況
3-4.Ce添加前の触媒の反応後のキャラクタリゼーション
3-5.プロピレンの接触部分酸化によるアクロレインの合成
3-6.プロピレンの接触部分酸化によるアクロレインの合成触媒
3-7.触媒調製
3-7-1.酸素供給相の担持
3-7-2.反応相の担持
4.低分散銀触媒によるプロピレンのエポキシ化触媒の開発
4-1.プロピレンの気相部分酸化反応
4-1-1.MCM-41へ5wt%TiO2 を含浸担持した効果
4-1-2.水熱合成でTiとAlを導入した触媒を用いた反応条件の影響
4-1-3.他の触媒候補
4-1-4.H-ZSM-5 およびイオン交換体ZSM-5
4-1-5.本反応系で注意すべき点
4-2.低分散度銀触媒への展開
4-2-1.炭酸塩担持銀触媒の調製
4-2-2.水熱合成でTiとAlを導入した触媒を用いた反応条件の影響
4-2-3.Ag-Na/CaCO 5 3の触媒活性
4-2-4.Ag(56)-Na(1)/MCO 7 3 (M : Ca, Mg, Sr)の触媒活性
4-2-5.Ag-Na(1)/MCO 11 3 (M : Ca, Mg, Sr)のTEM測定
4-2-6.Ag-Na(1)/MCO 12 3 (M: Ca, Mg, Sr)のAgの粒径分布
5.コーキング゙により触媒活性が劇的に改善する接触脱水素反応
5-1.本研究の背景
5-2.本研究の目的
5-3.触媒調製
5-4.実験方法
5-5.実験結果
5-6.まとめ
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