製品、工具などが破損もしくは損傷したとき,「なぜ壊れたのか?」という原因を調べて改善をすることは,とても大切なことです。しかし,壊れた物から原因の推定するためには,ある程度の知識と経験が必要となってきます。このセミナーでは,このような知識と経験が無い方向けに,金属の壊れた部分(破断面)の解析の仕方について説明をいたします。
セミナーの内容は,はじめに解析で守るべき破断面の取り扱い方について説明します。
次に様々な破壊モードの破断面について,肉眼と電子顕微鏡で観察した時の様子を説明します。
次に,近年は観察するだけでなく,故障までにかかっていた荷重などを破断面から推定すること求められるケースもあります。そうした定量的な解析方法について説明いたします。
最後に,破断面から破損原因を特定する事例の紹介をいたします。
特にこれから損傷調査を始めようとする方に,わかりやすく解説することを心がけております。
1.フラクトグラフィ概論
1-1.はじめに
1-2.解析機器
1-3.破断面の取り扱い
a 破損部の特徴の把握
b 破断面の保護
c 破断面の洗浄
2.マクロ破断面の典型的な例
2-1.マクロ破断面の解釈の仕方
2-2.破壊メカニズムごとの典型的なマクロ破断面例の紹介
脆性、延性、疲労、環境
2-3.マクロ破断面の解析事例紹介
3.ミクロ破断面の典型的な例
3-1.ミクロ破断面の解釈の仕方
3-2.破壊メカニズムごとの典型的なミクロ破断面例の紹介
4.フラクトグラフィと破壊力学を用いた破断面解析法
4-1.ストライエーション間隔からの応力範囲及び寿命の推定
4-2.破壊機構マップを活用した応力範囲の推定
5.破損事故解析例
5-1.チェーンの疲労破断面
5-2.アウトリガーボルトの疲労破壊
5-3.減速機の疲労破壊
他数事例