1. はじめに(日本の製造業と化粧品製造業の実態)
1.1 日本の製造業の衰退
1.2 化粧品業界の実態
自主回収事例から読む,化粧品業界の実力
PMDA の H/P より回収事例を参照する.→BTハンドクリーム ブラッシュ・グルマンの菌汚染事例(クラスⅡ)
・ 日医工の事例紹介
・ 小林化工の事例紹介
1.3 私の実体験より
自主回収の責任者として.GMP の読み込みと具体的展開が大事である.
1.4 製造業者と製販業者の関係
製造業者は下請けか.2005 年に制度変更.製・販分離となった.製造業者と製販業者の守備範囲が変わった.
化粧品 GMP は ISO-22716 となり,国際標準となった.
1.5 製・販分離の弊害
設計品質へのアプローチは誰がやるのか.GMP だけでは品質は改善しない.継続改善が重要.ISO9001 の考え(PQS)を参照する.
2. GMP 概論
2.1 GMP の基礎
米国生まれで性悪説が基本.
2.2 化粧品 GMP の変遷
粧工連の自主基準である 81 年版 GMP 技術指針との関係→02 年に改訂版を策定したが.
ISO 化の動きがあった.07 年に ISO-22716 を業界の自主基準とすることが決まった.
旧化粧品 GMP と ISO の化粧品 GMP の橋渡しが必要になった.「運用留意事項」を発行した.→粧工連の H/P で紹介
化粧品 GMP 全面改訂を受けて。「包装・表示・保管」業者への対応。輸入業者への対応。
2.3 ISO22716(化粧品 GMP)の概要
要求事項とガイドライン規格について説明する.GMP の 3 要素.項番構成と条文説明.Should の数が要求事項.
項番とモノの流れの関係を示す.モノの流れと役割の関係を示す.
2.4 GMP の運営方法
取り組みの目標は何か?
*薬機法改正「法令順守体制の確保」責任役員の役割を説明する.
2.5 包装・表示・保管、輸入化粧品のバッチ、保管サンプル、製品標準書について
粧工連の GMP 委員会で整理した内容を説明します.
3. 品質監査の活用(製造品質を確保するために)
3.1 品質監査の目的
製造販売する製品が,製造業者において,適正かつ円滑に製造されたものであることを定期的に確認,その記録を作成すること(適正な製造管理及び品質管理の確保に関する手順)に基づく。
3.2 内部監査と第 2 者監査の違い
GQP 省令で求められる「品質監査」がある.製造販売業者が製造業者に対して行う第 2 者監査である.
第 2 者監査の目的は「製造品質が今後も安定していること」を確認することである.
3.3 品質監査の計画と準備
チェックリストを選定する基準は,
・ トレンドが含まれているか
・ 対象範囲に漏れは無いか
・ 顧客や認定機関等の指摘事項は反映されているか
などを基準に行うと良い.
3.4 品質監査チェックシート
添付のチェックシートを説明.SGS 第 2 者監査の結果報告書を参照する.
粧工連の GMP タスクフォースの検討.輸入,包装・表示事業所の GMP 基準.
3.5 品質監査の着眼点
全体のレイアウトから動線を確認する。
3.6 各調査ポイントでのチェック項目とチェック内容
3.7 衛生管理
実施の実態を把握することが大事。
3.8 書類監査
生データの取り扱いと記録の整合性を確認する。
3.9 異常処理
深堀することが大事だが,中々参照できないのが問題である。提出してくれるようお願いするしかない。
3.10 改善指示
指示の内容によって是正とリコメンド(推奨)に分けて考える。
3.11 品質監査報告
結果を文書化して管理する。
3.12 品質監査の留意点
お互いの立場を尊重して Win_Win の関係を築く.
3.13 リスクベースで行う品質監査
監査の目的は「安定な生産品質確保」である。委託先のリスクに応じて対応するのが良い。
3.14 製造所のリスク管理
製造所ごとのリスク評価を行うとよい。
3.15 品質監査での指摘事項
・ 都道府県の指摘事項(添付)朱字は筆者の追記事項
・ 京都府の指摘事項(添付)
・ 埼玉県の指摘事項(画面投影)最初に説明する.
・ 品質監査質問事項(添付)
4. 化粧品の品質保証
4.1 品質システム(ICH Q10)
経営者の関わり方が重要である。
4.2 品質リスクマネジメント(ICH Q9)
リスクへの対応を事前に考えておく。
4.3 リスクへの対応
リスクアセスメントを活用することが大事。
4.4 ハインリッヒの法則
事故の早期発見
4.5 変更管理の重要性
3Hに問題が潜んでいる
4.6 GMP の限界
ダブルチェックは万能ではない
4.7 ヒューマンエラーの防止策
設計段階での取り組みが重要
4.8 攻めの品質保証
失敗学の手順を参照して未然防止に取り組む.「医療版失敗学のすすめ」を紹介する.個別事例に留まらずに「一般化した上位概念に登る」ことが大事.
4.9 技術者の心得と社会の役割
技術者は謙虚であれ。技術者は真摯であれ。リスク感性を磨け。
4.10 リスクマネジメントの難しさ
演習:リスクアセスメントの難しさ→あなたが品質保証責任者なら?どう対応するか。「雪印の集団食中毒事例」から,疑似体験して考える。