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ヒトiPS細胞の創出により、これまで不可能であった新しい再生医療や病態解析、創薬支援技術、オーダーメイド治療が次々に実用化されていくことが期待されています。しかしながら、これらを産業的に成立させるためには、数多くの工学的基盤技術の開発・実装が必要な段階でもあります。例えば再生医療であれば、数多くの患者に必要な大量の治療用細胞を十分な品質(安全・機能)でタイムリーに生産し医療機関に届ける技術・産業が必要です。また2種類以上の細胞種を混合した複雑構造を有する組織(例えば血管や神経が敷設された組織など)を自在に作製する技術も将来的には必要です。
本セミナーでは、この分野に明るくない方から、関連技術の産業化を考えておられる方までを対象に、ヒトiPS細胞の大量培養や保存、輸送、分化誘導プロセス、組織化技術、機能評価技術など、産業活用に向けた研究開発動向について、今さら聞けない技術背景から最新事例までを交えて平易に解説します。産業化に向けた課題顕在化やビジネスチャンスについて考えて頂くきっかけとしてご活用頂けたら幸いです。
1.iPS細胞とは何か
1)iPS細胞誕生まで-歴史的背景-
2)iPS細胞の利点・産業応用への期待-概論-
2.動物細胞培養の基本
1)培養材料(培地成分、基質、剥離剤、等)の基本
2)培養装置の基本(平面培養と立体的培養)
3)大量培養装置および操作の設計論
3.ヒトiPS細胞培養の際の留意点(従来の動物細胞との違い)
1)ヒトiPS細胞培養の基本形と最近の技術革新
2)培養時の形態的特徴、細胞死の回避
3)蓄積する細胞毒成分、応答、その除去
4)ロバストな大量培養法の開発
4.iPS細胞の未分化能評価法
1)未分化マーカー
2)核型解析
3)三胚葉分化、テラトーマ形成
5.各種臓器細胞への分化誘導、未分化細胞の除去
1)分化誘導培養法-基本的な考え方から実例まで-
2)未分化細胞の除去-分離精製-
6.分化誘導細胞の機能評価法
1)古くから使われてきた細胞アッセイ技術
2)生体内様機能を培養細胞に発揮させる新しい培養法
3)発揮された生体内様機能を定量するための新しい測定法
7.分化誘導細胞の3次元培養技術
1)足場を使った三次元組織構築法
2)足場を使わない三次元組織構築法
3)複雑組織を作るための最新アプローチ、将来必要になる技術とは
8.iPS細胞/分化誘導細胞の産業応用にむけて
1)再生医療(培養施設、自動化、保存、輸送、法律、等)
2)創薬スクリーニング(患者から作ったiPS細胞を使った創薬、等)